初めての駅を降りたら、駅前商店街を歩くのが楽しみなのだが、百草園駅の改札口を出て見渡すと、駅前は商店街どころかコンビニすら見当たらない。
これでは、コーヒーを買って保温ポットに入れて行く予定を諦めざるを得ない。
駅前から百草園への道は、急な坂道が続くとは知っていたが、大したことはあるまいと高を括っていた。
だが予想に反し道程は急坂の連続で、寒いだろうと着こんできた厚手のジャケットの下は汗でビッショリになった。
息を荒らして着いた百草園は「紅葉まつり」の期間中だけあって紅葉の真っ盛りで、良く晴れた青空と相まって赤や黄色に染まった木々が一層あざやかに見える。
アップダウンの多い庭園内を散策し、歩き疲れた頃見晴らしの良い場所を見つけ、ベンチで一休みする事にした。
遠くに目をやると、冠雪した富士山がクッキリ見え、思わず「オオ~」と声が出る。
素晴らしい眺望だ。
本当なら、ここでショルダーバッグからポットを取り出し、コーヒーを飲みながら眺望を楽しみたいところだが、残念ながらその楽しみは叶えられなかった。
それでも初冬の穏やかな陽気の日、ノンビリと紅葉風景を楽しめた一日だった。
百草園は江戸時代に建立された松連寺という寺院の跡地に、明治になってから生糸商を営む青木角蔵が引取り、庭園として整備し一般に開放した。
その後庭園は、昭和32年から京王電鉄が所有管理して現在に至っている。













