JR東神奈川駅から東海道本線と京浜急行との間に密集する住宅街の中を、横浜方面に向かって歩き出す。
家と家の狭い路地からは、みなとみらいの高層ビル群が見えるので、そこに向かって歩いて行けばよい。
途中、成佛寺(外国人宣教師宿舎跡)、運慶寺(フランス領事館跡・浦島太郎が竜宮城から持ち帰ったという観音様も安置)を見学しながら歩いて行くと滝の川という小さな川にでた。
川に架かる小さな橋から両岸を見ると、川に迫り出すように家が立ち並び、むかし観た映画「泥の河」(宮本輝原作・小栗康平監督)のシーンを思い出す。
滝の川渡り、浄龍寺(イギリス領事館跡)を訪ね、京浜急行線に沿って歩いてくと、左手に幸ケ谷公園があり休憩するため急坂を上って行く。
幸ケ谷公園は権現山と呼ばれ、幕末にはこの近くの神奈川台場(勝海舟設計)築造のため、山を削り取り埋め立てに使ったそうだ。
公園から反対側に下り、右へ右へと進むと途中に洲崎大神があり、その先が青木橋となる。
青木橋は跨線橋で、下には東海道本線や横浜線・京浜急行線が走っている。
橋上から、右手に見える先ほど休憩をとった幸ケ谷公園と、左手に見える高台は地続きだったが、明治3年に鉄道建設のため切通し工事を行い、そこに橋を架けたのが青木橋だ。
青木橋を渡り、先ほど見た左手の高台にある本覚寺(アメリカ領事館跡)を見学した後、旧東海道に入り横浜駅を目指す。
道の両側はマンションが建ち並び、ここが旧東海道だったということは思いもよらないが、しばらく歩くと左手に広重の浮世絵「東海道五十三次・神奈川宿」にも描かれている割烹「田中屋」
が現れ、ここが旧東海道だったことを実感する。
田中屋は坂本龍馬の元妻おりょうが仲居として働いていたことでも知られている。
そんなことで、しばらくのあいだ塀の外を眺めたり内側を覗き見していたが、不審者と間違われるので程々にする。
田中屋の横に急な階段があったので慎重に下って行くと、そこが冠状8号線で行き交う車の騒音に現実に戻される。
ここは広重の浮世絵でいけば海で東海道から見ると崖下ということがわかり、昔の地形が実感できて面白い。
昔だったら海中だったはずの冠状8号線を歩き、鶴屋町2丁目の信号を左に曲がると、そこは何時も見慣れた横浜駅で、ついでに近くの狸小路に立ち寄ったあと雑踏に紛れ帰路についた。












