自らの悪送球で10点目を与えた後、七回2死二塁。左翼手の森山皓介選手(二年)の送球を受け、本塁に飛び込んできた相手選手へタッチに向かう。届かない。「土壇場での詰めが甘かった」と唇をかんだ。
それでも、その顔には充実感ものぞいた。相手の猛攻に動じず、「気持ちで来い」と胸をたたき、マウンドにミットを突き出し続けた。三回から継投した宮崎晃亮選手(二年)は「力をもらった」と感謝した。
「マイナスからひとつひとつ階段を上ってきた」。入部した2年前。一年生はそろってキャッチボールさえままならず、バットの握り方もなっていなかった。佐相(さそう)真澄監督にまず鍛えられたのは、走るための足運びだった。
「練習についていけない」「勉強に専念する」。4人が辞め、残った5人は誓った。「僕たちは負けない」。その先頭に立ってきた。
限られた練習時間
に集中力を発揮し、県立の進学校
ながら、31年ぶりにシード権を得て臨んだ今大会。公立校で唯一ベスト8入りした。佐相監督
は「三年生は入部時と比べて3倍伸びた。準々決勝
まで連れてきてくれて、ありがとう」とねぎらった。
「チーム一のしかられ役」だった主将は、「ベスト4の壁は高い。後輩
たちには今回の経験
を生かして頑張ってほしい」と言い残した。
