今回紹介する記事は
2024年3月27日付けの
 
「毎日新聞」の記事です。
  
【ワンダーランドの呪縛】


というタイトルで、
専門記者赤間清広氏が、
一度はまったワンダーランドから抜け出すのは、
やはり容易ではないことについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

  ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 ルイス・キャロルの名作「不思議の国のアリス」は、
人間の服を着た白いウサギを追いかけ、
主人公のアリスが深い穴に飛び込む場面から始まる。

 この有名な児童小説が、
堅苦しいイメージが強い日銀の会議で取り上げられたことがある。

1999年2月のことだ。

 日銀は追い詰められていた。

金融不安の拡大で、
経済が混乱。

「日銀よ、
動け」という政治の強い圧力にさらされていたためだ。

 日銀執行部がひねり出した秘策が、
政策金利を限りなくゼロに近づける「ゼロ金利政策」。

効果は未知数。

「打つべき手がわずかながら残っている以上、
それを打ち尽くすのも選択肢だ」。

会議の議事録には、
執行部のやけくそ気味な発言が残っている。

 これにクギを刺したのが、
後藤康夫だ。

 「童話の世界のアリスの国のようなワンダーランドへ、
日銀が足を踏み込むことになる」

 一度、
常識から外れた世界に落ちてしまえば、
そこから抜け出すのは難しい。

それは現実世界でも変わらない。

異例の政策に対する警戒感が伝わってくる。

 不幸にも「予言」は当たった。

ゼロ金利の導入を皮切りに、
日銀は金融緩和の泥沼に引きずり込まれていく。

 2012年末には、
「輪転機をぐるぐる回して、
日銀に無制限にお札を刷ってもらう」と公言する第2次安倍晋三一味が発足し、
日銀の混迷は極まったと言える。

 自ら「異次元」と称する規格外の大規模緩和に突っ込み、
効果が上がらないと見るや前例のない奇策にも手を染めた。

その様は、
「壮大な社会実験」とも言われた。

 この迷走をどう見ていたのか。

1999年の会議には、
前年に東大教授から登用されたばかりの47歳という若い審議委員の顔もあった。

植田和男。

現在の日銀総裁である。

 今月、
金融政策の転換を主導し、
大規模緩和は「役割を果たした」と宣言した。

今後は「普通」の金融政策を行うことになると強調した。

ようやく異常な状況から脱することができた。

そんな安堵もあるのだろう。

 ただ、
脱出宣言は時期尚早だ。

日銀が買いあさった国債だけで残高は600兆円に近い。

その処分はどう進めるのか。

頭の痛い問題は山積みしている。

 「金融政策だけでは変えられない。

それを証明したことが、
異次元緩和唯一の成果だった」。

ある日銀OBはこう総括する。

一度はまったワンダーランドから抜け出すのは、
やはり容易ではない。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

安倍晋三一味の返り咲きによって、
日銀の混迷は極まったことについて、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

「打つべき手がわずかながら残っている以上、
それを打ち尽くすのも選択肢だ」。

会議の議事録には、
執行部のやけくそ気味な発言が残っている

銀行の中の銀行といわれる日本銀行においてさえ、
これほどふざけた言葉が会議で使われている。

そんなことを後世に伝える議事録を20世紀においては、
残すという当たり前のことが当たり前に行われていた。

「輪転機をぐるぐる回して、
日銀に無制限にお札を刷ってもらう」と公言する安倍晋三一味が返り咲いたことは、
日銀にとって運の尽き。

彼奴等からであろう、
議事録を残さないことが当たり前になり出したのが…。

「異次元」と称する規格外の大規模緩和に突っ込み、
奇策にも手を染める。

うまくいけば賛美される言葉の数々だが、
ことごとく裏目に出た結果が今のJAPAN…。

「金融政策だけでは変えられない。

それを証明したことが、
異次元緩和唯一の成果だった」

わからないことがわかったとでも言いたげな言葉は、
どこぞの学生のものかと思いきや、
日銀OBの言葉だから参る。

ワンダーランドの呪縛からはそう簡単に逃れられそうもない。

生々しい言葉であっても、
議事録を残す国であってほしいと思わずにはいられない記事である。



(4)今後、どうするか?    
・赤間清広氏に関する記事をスクラップする。

・日銀の歴史に関心を持つ。

・記録を残す大切さを忘れない。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

赤間清広氏に関する記事は、
以前も紹介しました。

議事録を残すことすらできない反知性者を約十年頭に据えたことが、
日本の汚点としか思えません。


皆さんも、
議事録を残すことを心がけましょう。

後世に置いて検証する資料を残すことが、
今を生きる私たちの役目なのですから。