今回紹介する記事は
2023年10月8日付けの
 
「北海道新聞」の記事です。
  
【「特攻」のメカニズム 同調圧力が強いた戦法 糾弾】


というタイトルで、
埼玉大教授一ノ瀬俊也氏が、
十死零生の特攻は「統率の外道」でありながら、
実行された内情について、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

  ☆新聞記事の紹介について

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始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 爆弾を積んだ飛行機が乗員もろとも敵艦船に体当たりする航空特攻は、
太平洋戦争の生んだ悲劇の象徴として、
戦後さまざまな方面から語られてきた。

本書『「特攻」のメカニズム』加藤拓著(中日新聞社)は、
中日新聞の記者である著者が足で集めた数々の証言を通じて、
特攻という空前絶後の戦法が行われていった「メカニズム」の解明を試みたものである。

登場人物は、
9回出撃しながら生還した元特攻隊員、
特攻隊長の遺児、
特攻作戦を指揮した元陸軍司令官とその息子たち、
生き残った元特攻隊員と、
その体験を作品にまとめようと試みながら果たせなかった記録作家など、
多様である。

著者は証言や回想、
手記を通じて、
特攻とはいったい何であったのかを解き明かしていく。

 たとえば特攻への参加は「命令」と「志願」のどちらかであったのか、
という論点がある。

十死零生の特攻は「統率の外道」、
すなわち指揮官たる者が決して部下に命じるべきではない戦法といわれる。

そのため特攻への参加はすべて「志願」によるとされたが、
実際には軍隊内の同調圧力によって強いられたものであった。

飛行機の故障で基地へ引き返した隊員は上官に面罵され、
再出撃を強要された。

著者はそのような軍上層部の非道、
無責任ぶりを糾弾する。

 戦後自衛隊に就職した元特攻隊員は、
舞台で軍隊や特攻隊件について話しても、
幹部でさえ聞く耳を持たなかったと語る。

特攻という「戦争の本質」にかかわる重い歴史の教訓が、
どこまで今の自衛隊に引き継がれているのか、
はなはだ心もとなく感じた。

 ところで特攻の「メカニズム」について考察する際、
軍上層部と隊員以外に、
新聞などのメディアと国民の存在を考慮に入れる必要はないだろうか。

軍にとって特攻の「大戦果」は敗戦のなかで数少ない戦意高揚の材料であり、
宣伝報道によって作られた国民の熱狂は、
隊員たちを敵へと向かわせる力の一つになっていた。

そうであるなら、
メディアが戦争中に特攻をどう報じたのか、
メディア自身による検証があってもよいと思うが、
いかがだろうか。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

「特攻」の検証について、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

特攻という言葉が、
死語だとは思えない。

何故なら、
スポーツやマスメディアを筆頭として万事に渡り、
特攻のメカニズムと酷似した現象を垣間見るからだ。

「命令」と「志願」のどちらか。

十死零生は「統率の外道」と言われながら、
一億総玉砕のような戦法が、
現在でもいともたやすく行われるえげつない行為として存在する。

「志願」によるとされながら、
実際には軍隊内の同調圧力によって強いられたもの。

メディア自身による検証が、
権力側にとって都合の悪いことは「報道しない自由」の名の下に、
目下行われている様を鑑みるに、
特攻は今でも脈々と生きていると思われる。



(4)今後、どうするか?    

・特攻に関する記事をスクラップする。

・同調圧力に関心を持つ。

・十死零生に飛びつくのではなく考えることを止めない。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

思考の放棄だけはしてはならないと訴える記事と思います。


皆さんも、
特攻に関して、
関心を持って下さい。

十死零生という「統率の外道」を命じる者には、
従わない勇気も必要と考えるからです。