今回紹介する記事は
2024年2月3日付けの

「朝日新聞」の記事です。
  
【ふつうに違和感 はやり言葉 だから嫌なんだ】


というタイトルで、
編集委員近藤康太郎氏が、
はやり言葉からは、
できるだけ距離を取って生きたいことについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

  ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 九州だけでなく、
最近は東京でも読者相手に講演や文章塾を開く。

最後の質問コーナーで追及されることがあり、
剣呑である。

先日は、
「東京を飛び出したのはいいが、
いつまで九州にいるのか。

北海道とか孤島に行ったら?」

「好きなことばかりして、
なぜ朝日をクビにならない?

私ならクビにする」。

答えに窮する質問は、
政治家にならい、
総合的に判断して論点をすり替える。

 東京・町田の文章塾では、
20代の女性が、
読者の作文を読み上げるアシスタントをしてくれた。

講座が終わり、
感想を聞くと、
「ふつうにおもしろかった」。

邪気のない笑顔であった。

 「あのさ、
若い人はよく『ふつうに〇〇』っていうけど、
あれ、
どういう意味なのかなあ」

 「期待していなかったけど、
意外におもしろかったって意味である」。

悪気のない笑顔であった。

ふつうに傷ついた。

 私塾で、
人間離れした大食らいでカネのかかるギャル原が、
私の記事を読み、
「かなりおもしろかった」と、
よく感想を送ってくる。

おそらく「か」にアクセントを置かず、
語尾を上げて読むのだろう。

あまり続くので、
「あのさ、
語感が違うんじゃねぇの?

可なり=非常にとまではいかないが、
並一通りを超える程度であること」。

 若者にとって、
「かなり」は「非常に」同等かそれ以上。

「とても、
だとキモい」らしい。

ギャル原の解説である。

 語感が、
違う。

そう感じることがよくある。

悪文ハンターであるわたしの先輩は、
「寄り添う」が大嫌いだ。

「被災地に寄り添う対応が求められる」。

暖房のきいたスタジオで、
スーツ姿のアナウンサーがそれを言うか?

 言葉は、
文脈のなかでしか意味を生じない。

だから、
「ふつう」も「寄り添う」も、
言葉そのものが悪いわけではない。

一種のはやり言葉だ。

わたしは、
詩人の中桐雅夫に影響され、
「生きざま」という流行語が大嫌いで、
使わない。

最近では、
「自分事」とか「見える化」「パーパス」「ビジョン」など、
虫酢が恥じるほど嫌いである(「走る」を打ち間違えたが、
語感がいいので、
ママに)。

 語感が違うと思うのは、
言葉の「スタジオ感」のせいだ。

①現場と距離がある

②自分の頭で考えていない。

 現場を見ていないから、
 当たり障りのない言葉で丸めとこう。

 自分の頭でなく世間の考えた言葉で新味を演出…みたいな。

 ウクライナの詩人スリヴィンスキーが、
「戦争語彙集」を出版した。

 日本語訳をしたのは、
ロバート・キャンベル氏で、
戦時下の危険なウクライナに入り、
著者や証言者たちに会いに行った。

証言者の一人は、
「今は美しい比喩の下に隠れている場合ではない」
と語った。

 はやり言葉からは、
できるだけ距離をとって生きていたい。

そんな自分の直感に、
初めて理由を見つけた気がした。

 最初、
笑話を書くつもりであった。

ふつうに、
大きな話になってしまった。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

はやり言葉の危険性について、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

「ふつうに○○」

「かなり○○」

「キモイ○○」…

余計な一言が氾濫している。

かなり=可なり=非常にとまではいかないが、
並一通りを超える程度であることという意味は、
恥ずかしながらこの記事で知った。

「寄り添う」「生きざま」「自分事」「見える化」「パーパズ」「ビジョン」…。

暖房のきいたスタジオで、
スーツ姿のアナウンサーが、
「被災地に寄り添う」と言えば、
確かにおいおいと突っ込みが入るだろう。

自分の頭で考えて、
現地を見ていればである。

ボーっと見ているだけだと、
洗脳されてしまいがちだ。

「パーパズ」という言葉を聞かないので調べてみたところ、
目的・目標・意図を示す英語のことらしい。

語感の違いには鋭敏になっていたいと思う記事である。


(4)今後、どうするか?    

・近藤康太郎氏に関する記事をスクラップする。

・はやり言葉の危険性に関心を持つ。

・言葉そのものが悪いわけではないことを忘れない。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。



はやり言葉に対しては、
警戒をしておく方が賢明と思われます。


皆さんも、
語感が違うはやり言葉に注意を払いましょう。

ふつうに○○は、
ふつうに傷つくこともあるのですから。