今回紹介する記事は
2023年9月16日付けの
 
「朝日新聞」の記事です。
  
【「推し」活が陰謀論に傾くと 行き着く先は】


というタイトルで、
文芸評論家藤田直哉氏が、
美化された世界に耽溺したくなる気持ちはよく分かるが、
過度になれば生きづらさを生み出すという悪循環になりかねないことについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 ジャニーズ事務所における性加害が、
ネットを騒がせ続けている。

国連の人権理事会の作業部会が「憂慮」を表明し、
外部専門家チームも事務所も性加害を認め、
様々なスポンサーが広告に起用しないと発表。

しかし、
ファンと称する人たちの一部は、
この事態が認められないようで、
様々な陰謀論に傾斜していく傾向が出ている。

 X(旧ツイッター)では、
「#ジャニーズを応援します」というハッシュタグで運動が行われているが、
「K-POPが市場を奪うための破壊工作である」
「被害を告発している者は金目当てである」
という内容のポストが、
数万から数百万人に閲覧され、
何千何万のリポストと「いいね」を集めており、
「慰安婦支援団体など左翼で反日の勢力が裏にいる」
という話が広まっている。

そして、
女性の性被害告発は、
「ナニカグループ」
なる集団の工作だと主張する、
暇空茜らのミソジニー的な陰謀論と合流した。

 極右の歴史修正主義者や、
女性の性被害を否認し正当化するミソジニストと同型の行動が、
ファンと称する人たちの一部にみられる。

都合の悪い「現実」「事実」を否認したい心理的動機で、
「正しいはずの私たちを攻撃する敵がいる」
という妄想を作り上げ、
韓国に投影するところは、
ネトウヨと同様である。

 これをどう理解すればいいのだろうか。

「依存症」を補助線に引くと、
見通しが良くなる。

依存の状態になると、
現実から目を背け深刻さを認めない傾向が出ることが、
研究で分かっている。

非難や忠告に耳を貸さず、
「自分は大丈夫、
自分は正しい」
という態度を脳が作り出すのだ。

ジャニーズ問題に排外的で差別的な政治思想を絡めたポストが、
おびただしい「いいね」を得る現象から感じるのは、
現実の憂さを忘れるための陶酔する文化消費の態度という危うさだ。

極端な愛国主義や排外主義も、
国家や歴史と自己を同一化してよう依存の観点から理解するべきなのかもしれない。

 「偉大なるゲルマン民族」に陶酔しユダヤ人やロマを「悪」として、
虐殺したナチスドイツのことを思い出してほしい。

ナチスは壮麗な党大会やカッコイイ制服という「美」で国民の自尊心を刺激し、
政治的熱狂につなげた。

第一次世界大戦に負け不況にあえぐ国は、
憂さを忘れる陶酔を欲していた。

今の日本も、
これに近くはないか。

 「推し」現象が、
最近もてはやされていた。

消費行動が肯定され、
自尊心をくすぐった。

しかし、
行き過ぎてしまえば、

人生や社会に大きなダメージを与える恐れがあるのではないか。

 社会に活力がなく未来に希望が持ちにくい現在、
美化された世界に耽溺したくなる気持ちはよく分かるが、
過度になれば、
現実に存在する被害や苦痛を都合よく無視する非倫理性に行き着く。

そして、
生きづらさを生み出すこの社会の仕組みそのものを温存するどころか、
加担し増幅する悪循環になりかねないのではないか。

この騒動を見ていて、
大衆文化のあり方も再考されるべきだと感じた。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

何事もほどほどに控えめに余白を残すことの重要性について、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

犯罪者予備軍。

オタクやマニア、
マイナーやニッチを愛する者に対する蔑称の言葉である。

メジャーなものを愛でる者達はファンという言葉で片づけられる一方で、
危険思想家とレいうッテルを貼られる不憫さに、
自身長年忸怩たる思いをしてきた。

ファンの中にいる「アツイ」という言葉できれいにまとめられるトンデモ輩に対して、
焦点が当てられた記事である。

しかも、
ミソジニー陰謀論者である暇空茜や、
極右の歴史修正主義者と合流して、
「私たちの方が被害者なのに」とほざく有り様は、
滑稽極まりない。

近年、
アイドルやアニメキャラにたくさんお金を使う「推し」現象に、
危うさを感じていた。

ラジオのアナウンサーが、
自分は「推し」に勤しんでいると喧伝するほど、
こいつ大丈夫なのかと思うこともあった。

人間誰しも、
何かを愛でる生き物である。

それ自体は悪いことではないし、
生きる活力になるのであればいいと思う。

ただし、
公共の福祉(他人の自由)に反しない限りだ。

記事では、
都合の悪い「現実」事実」を否認したい心理的動機で、
「正しいはずの私たちを攻撃する敵がいる」という妄想を作り上げ、
他に投影する行為は、
ネトウヨ同様であると看破されている。

依存症という補助線を引くと、
「自分は大丈夫、
自分は正しい」という態度を脳が作り出すことが露わになるという。

何事も程々に控えめにを心がけると痛感する記事である。


(4)今後、どうするか?    

・藤田直哉氏に関する記事をスクラップする。

・「推し」活の危険性に関して調べる。

・憂さを忘れる陶酔には注意する。

…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

藤田直哉氏に関する記事は、
以前も紹介しました。

全国を生きる老若男女に通じる問題と思えてなりません。

皆さんも、
時には「推し」活の危険性に目を向けてみましょう。

行き過ぎは人生や社会に大きな損傷を与えるのですから。