今回紹介する記事は
2023年9月19日付けの
 
「毎日新聞」の記事です。
  
【「戦後憎悪」へ逃げ込むな 極右論者らの浸透許す自衛隊】


というタイトルで、
東京学芸部吉井理記氏が、
憲法99条は公務員に憲法の尊重擁護義務を課している反面、
防大や自衛隊の各教育機関で極右論者を講師として招いている現状について、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 ☆新聞記事の紹介について

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始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 先日、
未来の自衛隊におけるリーダーを育てる防衛大学校の等松春夫教授が、
防大における教育の実態を毎日新聞デジタルや夕刊で告発した。

 とりわけ防大や自衛隊の各教育機関で、
極右論者らを講師として招いていることに驚いた読者が多かったようだ。

だが、
記事で触れたのは一例に過ぎない。

実態はもっと深刻だ。

 というのも、
中には現憲法や戦後日本を全否定するような論者もいるからだ。

「戦後否定」や「戦後憎悪」と言ってもいいと思う。

 憲法99条は自衛官を含む公務員に憲法の尊重擁護義務を課している。

「擁護」とは「危害・破壊を加えようとするものから、
かばいまもること」(大辞林)。

ただの「順守」とは違う。

自衛官こそ、
現憲法を尊いものとして重んじ、
かばい守る義務を負っているのだ。

 それを覆すような論者が防大や自衛隊で教え、
講演している。

ゆゆしき事態である。

あらぬ疑念を招きかねない。

具体的に見てみよう。

 等松氏の告発で触れたのは英国人ジャーナリスト、
ヘンリー・ストークスと竹田恒泰だ。

 最晩年に「大東亜戦争肯定論」を唱えたストークスについては、
防大の海自3佐である准教授が自分の授業に招いて講演させた。

著書などで「韓国の民度は低い」なとといった言動を繰り返した竹田恒泰は、
陸自の幹部候補生学校などで講演をしてきた。

 この2人だけではない。

ジャーナリストの櫻井よしこや門田隆将、
軍事ジャーナリストの井上和彦、
防衛大研究家の桜林美佐などといった右派論者ではおなじみの人々も、
自衛隊の幹部学校や各地の舞台などで講演をしてきた。

全員が、
自衛隊には好意的だが、
現憲法には否定的という共通点がある。

 特に海自幹部学校で毎年のように講演する櫻井よしこは、
先の戦争を大日本帝国時代そのまま「大東亜戦争」と呼び、
現憲法と戦後日本をz千否定するかのような考えを披露してきた。

 学校側や共感が共鳴するからこそ、
講師として招くわけだが、
「戦後否定」の雰囲気は自衛隊の一部にずっとあったと思う。

事実、
一般の人の目には触れにくい媒体ではその「本音」がのぞく。

 例えば元海自トップの古庄幸一は、
民間団体「英霊にこたえる会」の会報で、
戦後教育や現憲法下の日本を「偽装国家」と断じ、
改憲を訴えた。

元陸自トップの火箱芳文が靖国神社崇敬奉賛会の会報「靖国」で、
靖国神社をめぐる戦後日本の風潮を批判し、
戦前のような靖国神社の「国家護持」復活を求めている。

 OBとはいえ、
自衛隊首脳の発言である。

組織に共有されてきた思想の一端がにじんでいると見るべきだろう。

 等松氏は、
極右論者の浸透といった自衛隊の教育をめぐる問題について、
「究極的には日本国と自衛隊との関係にたどり着く」と述べている。

確かに自衛隊は戦後、
憲法下の制約もあり、
日本社会で冷遇された時代が長かった。

その反動ゆえ、
現憲法や戦後社会を批判し、
自衛隊を賛美する論者を呼びたくなるのは、
人情として分からなくもない。

 だが、
今や多くの人に自衛隊の存在は認知されている。

大災害や遭難救助の取材現場で献身する自衛隊員に頭の下がる思いをしてきた。

それだけに極右論者らが自衛隊に招かれる現状は残念だ。

 付言すれば、
こうした論者が批判する現憲法はそれほど悪いものか、
とも思う。

戦後の78年間、
自衛隊はかつてのような海外出兵をせず、
一人の戦死者も出していない。

 防大が国家的作家の司馬遼太郎氏を講演に招いたことがある。

<みなさんは自衛官におなりになるわけだけれども、
戦争をしない軍隊が一番いい…
平和な時代の軍隊というものに耐えられる人間がひじ王の優れた人間だと思う>

 いっそ、
現憲法や戦後日本を肯定的に見る護憲論者を招くのも、
新たな発見があるのではないか。

戦後の否定ではなく、
「戦争をしない軍隊」の歴史にこそ誇りを持つような教育も取り入れるべきだ。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

防大や自衛隊がネトウヨ論者に汚されている現状について、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

憲法九十九条[憲法尊重擁護義務]

天皇
摂政
国務大臣、
国会議員、
裁判官
公務員

国民が除外されているのが、
この条文の特徴である。

この記事は、
自衛隊や防大がネトウヨに侵されていることを示す記事である。

防大の惨状は以前も紹介したのだが、
それをもっと詳細に伝えたのが今回の記事である。

どうしてネトウヨ論者を自衛隊や防大が呼ぶのかと思えば、
類は友を呼ぶ宜しくということで納得がいく。

現憲法や戦後日本を肯定的に見る護憲論者を招くのも、
新たな発見があるのではないかということに、
大いに賛同する。

理不尽なことばかりが罷り通る組織においては、
耳の痛い話は避けたいのかもしれないが、
できないのであれば国民から見放される日もそう遠くはないと思う。


(4)今後、どうするか?    

・吉井理記氏に関する記事をスクラップする。

・自衛隊や防大の惨状を忘れない。

・極右論者と相容れない姿勢を貫く。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

吉井理記氏の記事は、
以前も紹介しました。

自衛隊各教育機関及び防大において、
ネトウヨ論者に染められている現状を大手マスメディアは何故発信しないのでしょう。


皆さんも、
自衛隊教育機関や防大の現状に関心を持ちましょう。

ネトウヨ養成機関に成り下がらないことを願います。