【22.インターネットとWWWの関係】



インターネット

・企業内や大学内のネットワークであるLANを相互接続し、
 さらなるネットワークを世界規模で展開したものがインターネットワークであり、
 通常インターネットと呼ばれている。

1⃣世界規模での情報交換
 海外の人であっても、
 距離や時間を気にせずにメールでコミュニケーションが可能になる。

 ファイルのやりとりも行えるから、
 情報交換の規模が世界的に拡大する。

2⃣世界規模での情報の発信
 ネットワークが世界につながっていれば、
 世界に向けて(不特定多数の人に)情報発信が行える。

3⃣世界規模での情報入手
 世界中から発信される情報を自由に閲覧することができ、
 情報の入手が便利になる。

 インターネットは、
 米国国防所が1969年から運用を開始したコンピュータネットワークであるARPANETがその原形といわれている。

 当初は特定の期間しかインターネットに接続することができなかった。

 その後1990年代にオープン化され、
 商用目的利用が可能となった。

 インターネット接続サービスを提供するインターネットプロバイダー(インターネット接続事業者)が出現し、
 企業や個人のインターネット接続が可能となったことを契機として、
 急激にインターネットが世界中に広がった。

a.インターネットへの接続
  インターネットのプロバイダーのサーバーは、
  当然インターネットに接続されている。

  自宅のパソコンをインターネットに接続するには、
  プロバイダーのサーバに接続すればよいわけである。

  接続するためには通信回路が必要となるが、
  主要な回線の種類としては、
  ADSL・CATV回線・FTTHがある。

  ADSL(非対称デジタル加入者回線)では、
  既存の電話回線で高速のデジタル通信を行う。

  非対称というのは、
  上り方向(パソコンからインターネットへ)より下り方向(インターネットからパソコンへ)のほうが通信速度は速く、
  上りと下りで速度が異なっていることに由来している。

  CATV回線は、
  元々ケーブルテレビの契約の家にテレビ番組を送るためにひかれた専用回線である。

  インターネット用の信号を重ねることで、
  高速通信を行う。

  FTTHは、
  光ケーブルを用いて光信号でインターネット用の信号を送るものである。

  ADSLやCATV回線よりも高速の通信が可能なので、
  インターネットへの接続回線としては、
  現在最も多く利用されている。

  高速でインターネットにアクセスできる回線は、
  ブロードバンド回線と呼ばれている。

 自宅のパソコンをプロバイダーのサーバに接続するためには、
 接続用の通信回路を提供してくれる回線サービス会社と契約する。

 FTTHの回線サービス会社であれば、
 自宅に光ファイバーケーブルを敷設して、
 信号変換装置を設置してくれる。
  
 パソコンにはイーサネットと呼ばれるプロトコルで通信を行うためのLANポート(接続口)が設けられている。
 
 このLANポートと信号変換装置とをイーサネット用のLANケーブルを使って接続する。

 プロトコルという用語は、
 通信方法の手順や規則を指すことばである。

 ネットワークではさまざまなプロトコルを使って通信を行うが、
 パソコンには通常イーサネットで通信を行うための回路(LANボード)が内蔵されている。

 信号変換装置は、
 パソコンから送られてきた信号を回線サービス会社の回線に合わせた信号に変換して出力する。

 FTTHの回線サービス会社であれば、
 この会社の変換装置はパソコンからイーサネットで送られてきた電機記号をFTTH回線で送る光信号に変換して出力する。
  
 パソコンは回線を介してプロバイダーと信号のやり取りが可能となり、
 自宅からインターネットを利用することができるのである。

b.インターネットの通信方法
  インターネット上でデータを送るときには、
  パケット通信という方法が使用される。
  
  データをパケット(小包)に分割して通信を行うものである。

  送るデータをパケットに分割する。

  各パケットの先頭(ヘッダー)に宛先とパケットの順番(シーケンス番号)を付けておく。

  各パケットはインターネットにおける一本の回線を通っていくかもしれない。

  回線が混んでいると、
  パケットA・パケットB・パケットCは別々に、
  空いている回線を探して送られる。

  インターネットの通信回線は網の目状になっているから、
  宛先に通ずる経路はさまざまなのである。

  宛先にパケットがすべて到着すると、
  ヘッダーに記録されている順番に並べられて、
  元のデータに復元されるのである。

  パケット通信では、
  一つのパケットが途中でエラーを起こして破損しても、
  一つのパケットのみ再送信すれば事足りる。

  全部のデータを再送信する必要がないので、
  より短時間でデータを修復することができる。

  回線が空いている隙間にパケットを入れることで、
  効率よくデータを送ることもできる。

  パケット通信は優れた特徴を持っているので、
  インターネットの初期からこの通信方式が用いられている。
 
  パケットに分割して最適な経路で通信を行うためのプロトコルをIPと呼んでいる。

c.IPアドレスとドメイン名
 インターネットに接続されているコンピュータ(パソコン)には一台一台にIPアドレスと呼ばれるアドレス(住所)が割り当てられている。

 宛先としてIPアドレス付しておけばよいのである。

 IPアドレスは32ビット(4ビット)で構成されている。

 01111011 00101101 01000011 01011001 (2進数表記)
 123.45.67.89(バイト単位の10進数表記)

  通常、
 2進数で表現すると桁数が多くなるので、
 8ビット(1バイト)ずつに分割され、
 それぞれが10進数で表現される。

  IPアドレスを宛先として指定すればデータを送ることができる。

 10進数とはいえ数字の羅列だから識別子がたく、
 間違いも起こる。

 人にとってわかりやすいように、
 IPアドレスに一対一に対応するドメイン名と呼ばれる名前がつけられた。

 IPアドレス「123.45.67.89」はドメイン名「abc.ac.jp」といった具合である。

 abcは固有の名前だが,jpは国コードで日本を表し、
 acは属性で大学などを表していく。

 ドメイン名から日本のabc大学と推測することができる。

 ドメイン名は、
 電子メールのメールアドレスや、
 wwwのURLを表すために利用される。

 データを送るためにドメイン名が入力されると、
 コンピュータはそのドメイン名に対応するIPアドレスを調べる。

 電話帳で名前から電話番号を調べるようなものである。

 実は電話帳に相当するIPアドレス帳はインターネットに接続されているDNSと呼ばれるコンピュータがある。

 世界中のIPアドレスを一台のDNSで管理するのは大変だから、
 国や地域に分散され、
 さらに上位から甲斐へと回想的に多くのDNSが設けられている。

 最上位のDNSはルートサーバと呼ばれており、
 世界中に13台ある。

 DNSに問い合わせてIPアドレスが判明すると、
 そのIPアドレスを宛先としてデータを送ったり、
 WWWの接続先として指定することができるのである。

d.プロトコルとは
  プロトコルとは、
  通信方法の手順や規則を指すことばである。

  パソコンは通常イーサネットと呼ばれるプロトコルで他のパソコンと通信を行っているが、
  インターネットに入るには、
  IPと呼ばれるプロトコルが使用される。

  その他にも様々なプロトコルが使用され、
  組み合わされる。

  インターネットで通信を行う場合も、
  通信を行うプロトコルを選択できると共にプロトコルを組み合わせることができる。

  インターネットではプロトコルを階層に分けている。

  プロトコルは各階層間で組み合わせて使用する。

  インターネットの通信では、
  インターネット層のIPとトランスポート層のTCPとの組み合わせが標準的に用いられており、
  TCP/IP通信と呼ばれる。

  私達がインターネットを直接利用する機能を提供するためのプロトコルは、
  最上位のアプリケーション層に位置している。

  代表的なものに以下のプロトコルがある。

  ①HTTP…ウェブページを表示させるデータを送るためのプロトコル
  ②SMTP…電子メールのメッセージを来るためのプロトコル
  ③FTP…ネットワークでファイルを送るためのプロトコル
  ④Telnet…ネットワークを介してコンピュータを遠隔操作するためのプロトコル

  インターネット電話・テレビ会議・SNSなどが利用可能になっており、
  それぞれのためのプロトコルが設定されている。

ウエブ(WWW)

・インターネットの機能には、
 電子メール-ファイル転送などあるが、
 最も利用されているものにWorld Wide Webがある。

・WWWと呼ばれたり、
 ウェブ(web)と呼ばれたりする。

・インターネットに接続したパソコンなどに、
 文字・画像・動画などを表示させることができる。

・ウェブサイトがウェブの全体を示すのに対して、
 ウェブページはウェブサイト内の個々のページ(構成部分)を示す。

・特に最初のウェブページをホームページやトップページと呼ぶ。

a.ウェブの仕組み
  ウェブでウェブページを閲覧するためには、
  以下四つの技術が必要となる。

  ①URL…ウェブページがインターネット上のどこにあるのかを特定するための              
      識別子であって、
         住所のようなもの
  ②HTML…ウェブページを作成するためのマークアップ言語であり、
       この言語で記述されたものはHTML文書・HTMLファイルと呼ばれている。
  ③ウェブブラウザ…ウェブページを閲覧するためのソフトウェア
  ④HTTP …ウェブページを閲覧するためにHTML文書などをインターネット   
           で送受信するためのプロトコルである。
    
       パソコンでブラウザソフトを起動し、
       閲覧したいウェブページのあるウェブサーバーのURLを入力する。

       ブラウザは、
       入力されたURLのウェブサーバに対して閲覧要求信号をHTTP(プロトコル)に載せて送る。
       
 要求を受け取ったウェブサーバは、
 ウェブサーバに記憶しているHTML文書に関して、
 要求信号に送ってきたブラウザソフトに送る。

 HTML文書を受信したブラウザは、
 解釈してウェブページをブラウザの画面に表示する。

 ウェブサーバはあらかじめ記憶しているHTML文書を送り返すのではなくて、
 要求に応じてその場でHTML文書を作成して送り返すこともある。

 ネットショッピングで商品名が入力されると、
 ウェブサーバがデータベースプログラムを作動させてその商品を検索し、
 商品の在庫有無・写真・商品情報などをレイアウトし、
 表示させるためのHTML文書を自動的に作成して送り返す場合などである。

 ブラウザからの要求やデータをウェブサーバ内のプログラムに引き渡して作動させる仕組みをCGIと呼ぶ。

 ウェブページを閲覧するといっても、
 実はウェブサーバからHTML文書を送ってもらって一度パソコンに記憶した後に、
 ブラウザソフトで順次再生しているのである。

 ウェブサーバとリアルタイムにつながったままで閲覧しているわけではないのである。

 この点が、
 テレビで番組を受信しながら見ているのとは異なっている。
 
 ブラウザソフトとしては、
 マイクロソフト社のインターネットエクスプローラやグーグル社のグーグルクロームなどがある。
  
 ウェブサーバの住所に相当するURLは、
 ドメイン名に基づいて「http://abc.ac.jp」のように表す。

 プロトコルとしてHTTPを使用してドメイン名「abc.ac.jp」にあるウェブサーバを指定していることを表している。

b.HTMLとリンク
 HTML文書では、
 表示させたい単語や文書の前後に<TITLE>や<FONT color=blue>と言ったタグが記述されている。

 ブラウザは、
 タグを解釈して指定されたレイアウト・文字サイズ・色などに従って、
 単語や文章を画面に表示させているのである。

 タグなどの記号体系をマークアップ言語と呼ぶ。

 HTMLは、
 ウェブページ作成用に開発されたマークアップ言語といえる。
   
 HTMLにはリンクと呼ばれる機能がある。

 リンク機能を使えばウェブページとウェブページを結びつけることができる。
 
 ウェブページの中で関連するほかのウェブページをも参照してほしい場合、
 HTML文書の中に参照してほしいウェブページのURL(リンク先のURL)を埋め込むことができる。

 埋め込み用のタグとして<a>が用意されているのである。

 閲覧者はリンク先のURL(URL B)が埋め込まれている単語や文章(・原子力発電)をマウスでクリックするだけで、
 ブラウザがそのURLのウェブサーバにHTML文書の要求を出してくれる。

 HTML文書が送られてきて、
 参照してほしいウェブページが表示されるのである。

 HTML文書の作成者はあらかじめ参照してほしい(引用したい)ウェブページの内容をコピーしてHTML文書中に貼り付けておく(書いておく)必要はないのである。

 リンクの機能を使用すれば、
 ウェブページAからウェブページBへ、
 ウェブページCへといったように、
 クリックするだけでウェブページを次々と閲覧することができる。

 ウェブページを結び付けて一群の大きな電子テキストを構成することができるの
 である。

 リンクによって関連付けられたテキストをハイパーテキストと呼ぶが、
 世界的規模のハイパーテキストが簡単に作れることが、
 ウェブの最大の特徴なのである。

 マークアップ言語には、
 HTML以外にもXMLと呼ばれる言語がある。

 HTMLでは、
 タグは<TITLE>のようにあらかじめ決められたタグしか使用できなかった。

 XMLでは、
 タグを自由に設定することができる。

 <書名><著者><出版社>といった具合である。

 タグの後に記述される情報がどのようなものであるかをわかりやすいタグで表すことができる。

 タグを見ればその後にくる情報が何であるかわかるといった特徴を生かして、
 情報を送ったり送られたりする情報交換用によく利用されている。

 そのまま取り込んでデータベースとして再利用することもできるので、
 利用範囲が広く、
 注目されている。