【生涯学習論 2.生涯学習社会と学歴社会】

学歴

・主義の補正という生涯教育理念の展開に際して、
抗議の社会教育分野におけるもう一つの目標は、
いわば教育のやり直しの機会を提供するということである。

・公教育制度が一応の感性を見た先進諸国においては、
比較的に若いある一定の時期までに取得し、
その後のキャリアが形成されることが普通である。

・親の社会的地位や経済状態などによって大きな制約を受けており、
必ずしも個人の能力や努力の結果とは言えないということが明らかになり、
社会的構成の実現のためには、
教育のやり直し、
取り直しの機会が提供されなければならないということが認識されるに至った。

・一つは学校制度がほぼ確立されて、
 個人の一生を左右するほどの力を持つに至った社会における問題である。

・そもそもは身分制度を打破するためのキーワードだったはずなのである。

・身分や家柄ではなく、
その人自身の個人としての才能と努力が、
すなわちその人が生まれる前に決まってしまっている条件の善し悪しではなく、
生まれ落ちてからの教育の如何によってこそ、
その人自身の運命が決定されること、
本質であったはずなのである。

資本主義社会も社会主義の社会も、
それぞれのやり方で身分主義からの転換を図ったと言い得るのである。

・あるひとりの人間の一生を決定づけるものであり、
身分や家柄ではないように思える。

・実際のところは、
自体が、
身分や階級や、
民族や宗教や、
総合的な結果としての親の経済状態という、
本人の才能とも努力とも直接には関係のない<生まれ>によってすでに決定されてしまっているのではないだろうか。

・世界中どこの国でも、
気がついてみれば明らかな格差がある。

・社会的な制約を受けている人々が、
制約故に貧困の生活を余儀なくされ、
貧困のゆえに子供を学校へやることができず、
手に入れられないがために園子がまた貧困な生活を余儀なくされる、
そうした悪循環が世界中のいたるところで普遍的にみられるようになってしまったのである。

・身分制度を打破するはずであったが、
従来とは異なった形での社会階層を作り出し、
作り出されたかいっそう構造が主義を補強し、
補強された主義が社会階層を固定化する、
現在抱え込んでしまった最大の問題である。

・個人を<身分>から解放し、
<自由>を保証してくれるはずであった近代の学校制度は、
とんでもない階層構造を作り出してしまった。

・個人の人権を保障し自由を回復するためには、
この新しい枠組みを取り壊していかなければならないのである。

・否定されるべきなのはある特定の人々がその人個人の身につける機会が与えられていないということであり、
言い換えれば親によって子供が決まってしまうような、
そういう社会の枠組みのなのであり、
ここの人間能力によってではなく、
その人の生まれによって決定されてしまう差別的な死すsて無である。

・近代学校制度が出来上がってからの西欧社会における社会教育は、
差別的なシステムを緩和・抑制しようとする意味を持っていたと言って良い。

・社会教育は学校が独占している者を補正し、
ともすれば固定されてしまいがちな社会階層をシャッフルし直す役割を当初から期待されていたのであった。

・日本の社会教育には、
この補正という役割が与えられてこなかった。

・恵まれた階層の、
すでに何ら化を手に入れた人々の自由だけではなく、
むしろこれまでを手に入れるチャンスを与えられてこなかった人々の自由をこそ社会的に保障していかなければならないのである。

・生活のレベルを気停止してしまうような社会においては、
手に入れる機会が均等に与えられているということが社会的構成ということの実質的な内容となろう。

・得るための機会は決して平等に与えられているわけではない。

・ある国家社会の共通語・公用語とは異ならう言語を母国語とする人々は、
当然のことながらその国における学校制度の枠組からはもれ落ちやすく、
首都国男帝は大きなハンディキャップを背負わされていることになる。