図書館「超」活用術 

最高の「知的空間」で、
本物の思考力を身につける

【第6章 7.スタッフが熱心か?「情報提供魂」を感じるか】





 最後の条件は、
図書館員にやる気があるかどうかである。

 単に館内がキレイで、
スタッフの愛想が良ければ、
「熱心ないい図書館だ」
というわけでもない。

 図書館が熱心かどうか、
いちばんよくわかるのは、
資料を提供しようと手を尽くしてくれるかどうかである。

 以前、
ある公共図書館で、
『チャイニーズ・ライフー激動の中国を生きたある中国人画家の物語』(明石書店)という中国人の自伝マンガ作品をリクエスト(別の図書館からの取り寄せ)したところ、
「マンガはダメです」
と断られたことがあった。

そこで、
別の図書館でリクエストしてみたところ、
あっさりOK。

2週間ほどで取り寄せてくれた。

 最初の図書館担当者は、
別にやる気がないわけではなく、
「マンガのリクエストは受け付けてはならない」
というガイドラインに従っただけなのだろう。

それでも、
「ちょっとくらい本の内容説明も見て考えてくださいよ」
という感じである。

 リクエストをしてみたことで、
二館目の図書館は、
協力貸出の処理スピードが速い
「使える図書館」
だとわかったので、
よく利用するようになった。

 リクエストにおける受付のほかにも、
レファレンスサービスで手を尽くしてくれるか、
コピー機のトラブルにちゃんと対処してくれるか、
などからも「熱心さ」はわかる。

 ただし、
図書館は役所の一部なので、
いくら現場にやる気があっても、
予算に加えて首長や地方議会の後押しがなければ続かない。

自治体ぐるみで図書館を良くしようとしているところもあれば、
コストカットのために、
図書館を減らしている自治体もある。

 住民としては、
選挙で図書館に理解のある人を選ぶのも、
大事だということである。