図書館「超」活用術 

最高の「知的空間」で、
本物の思考力を身につける

【第6章 2.閲覧室は快適か?思わず座りたくなる椅子と広い机はあるか】





 長時間使うこととして、
居心地がいいことも大切である。

 もっとも単純に居心地を左右するのが、
机と椅子である。

 日本の図書館は、
「貸出数を増やす」
ということを最優先の課題にしてきたので、
閲覧室を心地よくすることは後回しにされていた。

図書館としては、
「閲覧」より「貸出」で読んでくれる方が、
ありがたかったのである。

 近年は居場所を求める高齢者が増えたのと、
リラックスできる空間を望む住民の声もあって、
閲覧室のクオリティも上がってきている。

 最近の図書館には、
景色を楽しめる窓際に(合否ではなく)布張りの座り心地のいい椅子が合ったり、
ブース型の席があったりする。

個人的には、
子どももお年寄りもいる
「福祉っぽい雰囲気」
が好きである。

 さて、
図書館の席を仕事で使う時に重視したいのは、
「机の広さ」
である。

 館によって差があるものの、
おおむね図書館の机は広めである。

本を広げて書き物ができるくらいのスペースはあるので、
都心の安い喫茶店よりは、
快適な作業空間と言える。

 お店と違って、
自由に歩き回ったりできるのもいいところである。

 「机が広いこと」
は、
単に快適なだけでなく、
能率アップのためにも大切である。

 資料を広げて、
さまざまなことを同時に考えられるからである。

 普段の仕事でも、
会議室にこもったり、
家の食卓テーブルを使う人がいる。

こういった場所が知的な作業に向いているのは、
邪魔の入らない環境であることに加えて、
「机が広いから」
である。

 机が広いと、
資料は本、
ノートを広げ、
「出しっぱなし」
で作業できる。

 そうすると、
すぐ確認できる。

しまったものをもう一回出す手間がかからないので、
思考が中断されない。

 辞書・事典なども、
「1冊を開いたままにしておき、
キーワードをほかのレファレンスブックで調べる」
ということができ、
調査がスムーズにできる。

パソコンのモニタをいくつも連結して使う
「マルチモニタ」
のようなものである。