図書館「超」活用術 

最高の「知的空間」で、
本物の思考力を身につける

【第4章 2.  多ジャンルを多読できる「お手玉式貸出」無理なく継続的に勉強できる 】



 「NDCの自担」とは逆に、
できるだけ雑多にさまざまなジャンルの本を読んでいく「多ジャンル多読」も、
役に立つものである。

 分かりやすいメリットとしては、
コミュニケーションに強くなることがある。

 雑談をするには雑学が必要だ。

 単純な話で、
広く浅い知識があれば、
共通の話題を見つけやすいのである。

 コミュニケーション能力などなくても、
雑学さえあれば初対面の人とそこそこ打ち解けることができる。

 「雑談能力」は、
人を感化したり、
異性を口説いたりといったエモーショナルなコミュニケーションには、
役に立たないかもしれない。

しかし、
世間話をして場をなごませたり、
仕事の情報交換や打ち合わせをしたりするくらいなら、
充分なのである。

 雑学を身につけるには、
図書館を使ってたくさん本を読むことである。

 断片的すぎる知識は使えない。

 ネット検索だけの知識は、
柱やタイル・レンガなどの建材を空き地にガラガラと積んで、
「これが僕の家である」
と言っているようなもの。

知識というのは、
ちゃんと構築されていないと使えないのである。

 多読する場合、
本は最初から最後まで読むとは限らない。

面白くなければすぐ買えばいいし、
「ここはもう知ってるな」
「ここまでマニアックな話はいいや」
というところは飛ばせばいい。

読みにくい文章なら、
読めるところだけ読めばいいのである。

 このやり方は気楽でいいのだが、
大量の本を使うという問題がある。

図書館で10冊も借りて帰ると、
重くて疲れてしまう。

 実は貸出で大量の本を読むには、
ちょっとしたコツがある。

 「お手玉」のように、
図書館と自宅で本をくるくる回して読んでいくこと。

私が日ごろやっている方法は次のような感じである。

 1 自宅に借りた本が10冊ある
 2 オンラインで3冊、
   貸し出し予約をする
 3 予約した本が図書館に届くまでに、
   自宅にある10冊の内3冊を読み終える(最初から最後まで読むわけではなく、
   8割はザックリ読み)
 4 図書館カウンターで3冊を返し、
   同時に予約の3冊を受け取る

 このやり方だと、
言えにある図書館の資料は常に10冊前後になる。

 返却期限もズレてやってくるので、
「○日までに全部返さなければいけない」
といったこともない。

気持ちにもゆとりができる。

 10冊借りて、
10冊返して、
というのはさすがに重たくて嫌になってしまうが、
3冊程度なら、
さほど負担は感じない。

 この方式なら、
大量の本を一気に運ばなくても、
多読ができるわけである。
 
 予約せずに図書館の棚で本を探すときも、
行く前に家にある貸し出し中の本を何冊か読み切ってから、
返却カウンターに持っていくことにしている。

 そうしても期限までに読み切れないときは、
途中でもすっぱり諦めて返却することにしている。

しばらくして、
「返却したけど、
やっぱりあの本を読みたいな」
と思ったら、
書店で買うか、
また借りるかすればいいのである。

 この「お手玉方式」のために、
スチール製のブックシェルフ(横置き本棚)を使っている。

 この方法で借りた日ごとに本をまとめておき、
レシート状の「貸出票」をマグネットで留めておけば、
うっかりして期日を過ぎてしまうようなことはない。