図書館「超」活用術 

最高の「知的空間」で、
本物の思考力を身につける

【第2章 4. 行き詰まったときの「ぶらぶらブラウジング」 マンネリ化した発想を切り替えられる】



 考えが
うまく前に進まなくなったり、
「何か足りないな~」と行き詰ったりしたときは、
ヒントになるものを求めて、
なんとなく図書館のフロアをぶらぶらと歩きまわったり、
棚を気の向くままに見てみることも大切である。

 これを「ぶらぶらブラウジング」と呼んでいる。

「ブラウジング」は「棚をじっくり見て本を探す」という図書館用語だが、
brouws(ブラウズ)という英単語には、
「閲覧する」「拾い読みする」という意味のほかに、
「動物が木の若葉や新芽を食む」
という意味がある。

気楽に本を見ていくわけである。

 自分の仕事に関係のある「テーマ棚」を見るのとは違って、
関係のなさそうな棚でも、
まったく興味のない棚でも、
どんどん見ていくのがポイントである。

 その結果、
これまでの自分なら思いもしなかったような着想を得たり、
考えもしなかったようなことを考えることができる。

図書館という「情報空間」が、
ヒントを与えてくれるのである。

 図書館に行ってOPACでけんさくしたりしてみたものの、
ヒットしない…と思いながら歩き回っていたら、
棚を発見。

 棚を見てもピンとくるものがないときは、
OPACの検索結果にとらわれず、
館内をぶらぶらと歩き回ってみてほしい。

角度を変えて考えるのには役立つのである。

 「ぶらぶらブラウジング」で必ず新しい発想が出るなんてことは言えないが、
図書館を歩き回ることは確実にプラスにはなる。

 本棚に並ぶ本のタイトルなんかを見ていると、
どうしたっていろいろなことを考えるし、
歩けば血の巡りも良くなって、
脳の働きも良くなる。

 歩き回っていれば、
例えアイデアが出なくても体を動かすことになるし、
森羅万象についての本を眺めながら歩くのは、
気晴らしにもなる。

気楽にフロア散歩をするほうが、
いい発想が出てくるものなのである。

 「歩き回れる」ということのメリットは、
意外と大きいのである。