図書館「超」活用術 

最高の「知的空間」で、
本物の思考力を身につける


【第1章 2 知的作業に没頭できる「ネット断ち」 会社でも家でもない適度な緊張感のある仕事空間】

2 知的作業に没頭できる「ネット断ち」 会社でも家でもない適度な緊張感のある仕事空間

図書館をワークスペースとして使う。

 いちばん不便を感じるのが、
「パソコンを持ち込んでもネットがつながらないこと」
だろう。

 しかし、
見方をかえればメリットがある。

図書館は、
今や貴重な
「ネットを遮断できる空間」
だということである。

 仕事に集中したいときには、
ネットは大敵となる。

すぐグーグル検索したくなってくるし、
見てしまったら最後、
仕事に戻るのは困難である。

 意思で、
「ネットに接続しないようにする」
野は不可能に近い。

というわけで、
図書館を
「ネットを遮断して、
本当にやるべきことに集中するための空間」
として使うことにしている。

 もっと積極的に「ネット遮断」したいなら、
スマートフォンやタブレットは電源を切ってカバンの奥にしまうか、
ロッカーに預けておくのがいいだろう。

 余計な「お知らせ」といったものがいっさい来なくなるので、
粛々と仕事をするしかない。

テレビゲームを隠す親と遊びたい子ども、
双方の気持ちが味わえる。

 一説によると、
いちばん読書に集中できるのは独房だそうである。

結局、
集中するコツというのは、
余計なものを身の周りに置かないようにして、
「それしかできない状況」
を作ることではないだろうか。

 図書館なら、
会社ほどフォーマルでもなく、
家ほどくつろがない
「ちょうどいい緊張感」
を保つことができる。

 図書館の中で仕事をすると、
「インターネットがないと何もできない」
というのがただの思い込みであることがわかる。

そもそも図書館もインターネットも、
「森羅万象の情報を集める」
というコンセプトは同じ。

図書館とは、
いわば「歩き回れるインターネット」であり、
図書館で仕事をするのは、
「インターネットの中に入って仕事をする」
ようなものである。

 利便性では劣るものの、
情報の集積性と多様性という点では、
インターネットより古今東西の本がる図書館に軍配が上がる。