今回紹介する記事は
2021年11月17日付けの
 
「朝日新聞」の記事です。
  
【地域の報道 公共性守る形は NHKにも合理化の波】


というタイトルで、
論説委員田玉恵美氏が、
どんな世界でも、
改革が裏目に出る場合があることも、
忘れるべきではないことについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 あのときばかりは、
NHKを見ていても、
らちがあかないと思った。

2年前、
長野県の実家で台風19号にあった際のことだ。

 すぐ近くの千曲川で堤防が決壊しそうになり、
我が家にも避難指示が出た。

だが、
現場の様子がわからない。

避難先でNHKを見ると、
被害地域を中心に全国各地の状況を広く伝えるので、
わが街の情報はほとんどなかった。

頼りになったのは、
地元のケーブルテレビだ。

急きょ近くに据えたカメラで壊れそうな堤防を映しているだけなのだが、
抜群に役立った。

 同じことをNHKにやってほしいとは思わないし、
無理だろう。

いまは、
行政や市民が自ら発信することも出来る。

これから公共放送は地域で、
どんな役割を担うべきなのだろう。

そんなことを考えたのは、
北海道から気になる話が聞こえてきたからだ。

 来春、
NHKが道内でローカル放送枠の再編を検討しているという。

道内七つの放送局から各地域に5分のローカル枠で放送している。

この5分を15分に拡大するかわりに、
地域の区割りを七つから四つに減らす計画だ。

室蘭・北見・釧路のローカル枠は、
隣接する局に統合され、
札幌・旭川・函館・帯広の4局からの放送となる。

 「5分では視聴者の関心に応えきれていない」
と札幌拠点放送局の梅岡宏局長は話す。

15分あれば、
地域の課題などを深堀りした特集なども流せるようになるという。

 試験的に放送した15分版を見せてもらった。

5分ほどの特集はたしかに、
身近な話題を丁寧に伝えていた。

とはいえ、
心配の声は上がる。

旭川と同じ放送枠に組み込まれる地域の自治体幹部は、
「結局は人口が多い旭川周辺の話題が増え、
こちらの情報は薄まってしまわないか」
と語る。

 10年前は、
7局が毎日15分のローカル放送をしていたそうだ。

当時のように戻せないのか聞くと、
もうその余裕はないという。

肥大化批判も根強いNHKは、
合理化を加速させているからだ。

 それでも、
地元には割り切れない思いが残るようだ。

帯広と同じ放送枠になる釧路市は、
100年操業した日本製紙が、
9月に工場を閉鎖した。

蛯名大也市長は、
「民間の経営判断ならまだわかる。

だが、
なぜ公共放送までが同じ理屈で縮小するのか。

地方の現場を見直せと言っているわけではない」
と語る。

 ローカル報道の現状を見ると、
受信料で成り立つ公共放送の重要性は増しているように思う。

経営が楽でない民放では、
検査会を超えた再編がささやかれることがある。

私が入社した20年前に比べ、
新聞も地方の要因は減る傾向にある。

NHKに言いたいことはあるが、
ジャーナリズムのとりでとしてふみとどまってほしいのも本心だ。

 一方で、
何をどこまでやれば十分だと言えるのか。

試験放送は北海道の視聴者におおむね好評だったというが、
長期的に見ていく必要はありそうだ。

どんな世界でも、
サービス充実を掲げた改革が、
裏目に出る場合があることも、
忘れるべきではないだろう。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

NHK北海道の合理化に関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

北海道は今週、
効率を追求した見返りを被った。

大雪によって、
JRが全線運休したのである。

通勤するためには、
家族が運転する自家用車に乗車し、
渋滞し始めたら途中で降車し、
地下鉄駅まで歩いた。

帰りはその逆である。

公の民営化というモラトリアムの贖罪を味わった。

さて、
今回の記事は、
壊れかけている朝日新聞において、
数少ないまともな記者の一人、
田玉恵美氏の記事である。

今後、
NHKは災害情報をまともに報じないと思う。

この記事にあるように、
被害が出ている地域は伝えるものの、
決壊の「おそれ」にとどまる街は、
報じない。

まるで、
事件が起きてから動く警察である。

そして、
NHK北海道が人口比に応じて、
地域の区切りを統合するとのことだ。

統合される側の視聴者が、
本当に試験放送をおおむね好評といったのか。

札幌市が、
札幌インパールシロアリンピック2030意向調査を今年するらしいことを思い出した。

今週のようなことを味わったものとしては、
新幹線札幌延伸も、
札幌インパールシロアリンピックもいらない。

これが本音である。


(4)今後、どうするか?    

・田玉恵美氏に関する記事をスクラップする。

・改革が裏目に出る場合があるということを忘れない。

・あえて効率化しない道も残しておく。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

田玉恵美氏に関する記事は、
以前紹介しました。

田玉恵美氏によるNHKに関する記事は、
維新賛美及び五輪問題矮小化に邁進するNHKの片棒を担ぎ、
とち狂う朝日新聞において、
数少ないまともなものです。


皆さんも、
効率化の弊害に目を向けましょう。

近年、
改革の名の下に、
人減らしした代償を推進した為政者ではなく、
国民が支払っています。

もう誰も幸せにならないこの流れを止めるよう、
方針転換に努めましょう。