今回紹介する記事は
2021年10月16日付けの
     
「朝日新聞」の記事です。
      
【個人装ったツイッター 権力が利用したら】


というタイトルで、
文芸評論家藤田直哉氏が、
批判的な視座を持たなければ、
権力の腐敗と暴走は食い止められないことについて、
紹介しております。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

  ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 「Dappi」というツイッターアカウントに対して、
発信者情報開示請求が行われた。

結果、
相手が法人だったということが明かされ、
ネットが湧いている。

Dappiは、
「日本が大好き。

偏向報道をするマスコミは嫌い」
とプロフィールに掲げ、
与党を擁護し野党を批判する投稿を繰り返す、
フォロワー16万人のアカウントである。

立憲民主党の小西洋之参院議員らが、
明ヲヨ毀損で民事訴訟を提起し、
裁判所が開示命令を出したのだ。

 法人は、
主な取引先に自民党がある。

これは、
政府与党が、
一個人に見せかけながら、
プロパガンダをしていた可能性を疑わせる。

 SNSやネットにおける政治権力の働きかけや介入は、
珍しいことではない。

たとえば自民党は、
「党公認の応援団」
として
「ネットサポーターズクラブ」を作り、
広報・宣伝に利用している。

「陰謀論」の域を出なかったが、
開示請求でその裏付けとなる証拠が出るか、
注目に値する。

 個人ではなく、
個人を装ったアカウントが、
スパイのように、
「広報」
「宣伝」
をすることには、
どんな問題があるだろうか。

まず、
多数派を装えば、
多くの者の考えに影響を与えられるだろう。

潰したい相手に
「炎上」
を仕掛けたり、
職場にクレームを送り付けたりすれば、
人々が議論しにくい言説環境を作ることができる。

会社や行政などで、
「ソーシャルリスニング」
し、
得られた統計的なデータを意思決定のエビデンスにする際にも、
元の数字を操作することができる。

これに対して、
民主主義の破壊だとの声が上がっている。

そうだろう。

 このようなことが横行すると、
人々が互いを信じられなくなり、
素直に感情や考えを吐露することもできなくなる。

そうなると、
民主主義のメリットがそがれ、
日本の創造性や生産性を低下させる可能性が高い。

人々が分断され、
疑心暗鬼になり、
憎悪を高め合うと、
協調行動によって発展し、
高度化してきた人類の強みも損なわれるだろう。

 志垣民郎著・岸俊光編『内閣調査室秘録 戦後思想を動かした男』
にある通り、
知識人や言論人に内閣調査室が接近し、
金銭を渡したり勉強会を組織したりする
「世論戦」
「世論操作」
はこれまでも行われてきた。

Dappiの真相はどうあれ、
現在はネットメディアに適した方法で、
似たようなことが行われているのだろうと推測される。

 法的な規制が必要ではないか。

少なくとも、
そのような行為が本当に行われていると認識し、
批判的な視座を持たなければ、
権力側にとって不都合なことは隠され、
有利になるよう世論を操作できるようになり、
権力の腐敗と暴走は食い止められないのではないか。

そのとき損をするのは、
我々である。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

Dappiについて、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

通常国会が、
明日開会する。

この記事は丁度三カ月前の記事である。

Dappiに関してまともに記した紙面(アナログ)記事を三ヶ月自分なりに調べたが、
文芸評論家の藤田直哉氏と、
放送作家の松尾貴史氏くらいしか見つけることができなかった。

毎日新聞デジタル版では、
記者ではない青木理氏を含めて、
6件のみである。

朝日新聞デジタル版では、
記者ではない林香里教授を含めて、
17件のみである。

記者がまともに書いた記事が、
ほとんどない。

あったとしても、
上司が恐ろしくて、
他人事のような記事である。

繰り返す。

明日は通常国会開会である。

Dappiの発信が止まったのは、
10月1日である。

拝啓大手マスメディア様、
あれから百日の間、
一体何をしていた?

年が明けても、
河瀨直美の東京インパールシロアリンピック賛美デマ映画に対して、
問題の矮小化記事しか載せられない様を見ると、
Dappiの後継者にでもなるつもりなのだろうか。

NIE(教育に新聞を)と声高に叫ばれ、
毎年新聞週間に行われているが、
新聞の素晴らしさばかりが主張される。

任天堂ではないが、
あえて自分たちの弱点を炙り出して、
徹底的に改善する取り組みは、
今まであっただろうか。

新聞に限らないのだが、
万事万物において、
この国では批判的な視座を持つ必要があると思う記事である。


(4)今後、どうするか?

・藤田直哉氏の記事をスクラップする。

・Dappiに関して調べる。

・批判的な視座を常に持つ。


今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。

松尾貴史氏に関する記事は、
以前も紹介しました。

明日から、
通常国会が始まります。

Dappiに関して取り上げる政党及び議員がどれだけいるか、
どのように追究するか、
次の参院選における投票の指標になると思われます。


皆さんも、
Dappiに関して、
関心を持ちましょう。

加えて、
新聞の報じ方に疑念を抱きましょう。

東京インパールシロアリンピック2020から、
最後までスポンサーを降りなかったのが、
大半なのですから。