今回紹介する記事は
2021年12月11日付けの
 
「毎日新聞」の記事です。
  
【失われゆく自由 現場で守る】


というタイトルで、
TBS土曜夕方「報道特集」キャスター金平茂紀氏が、
現場に足を運んで、
身近にある理不尽を探し出して、
少しでも正せるようにコツコツ報じていくしかないことについて、
紹介しています。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

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(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 「報道特集」は、
米GBSの調査報道番組「60ミニッツ」がモデル。

1980年の放送開始以来、
キャスター自らがニュースの現場に出向くのが、
伝統のスタイルになっている。

現場主義である。

最近こだわったのが、
「アフガン報道」だった。

 本当に頑張ったと褒めてやりたい。

記者は現場に行って・見て・聞いて。

そこにしかないにおいをかいで。

時代に立ち会って視聴視野に向かって報じるのが役割だから。

 ロンドンに駐在する自社の須賀川拓・中東特派員が、
日本の大手メディアとして初めて政変後のアフガニスタンの「現場」に入ったからだ。

日本の大手メディアは何かと横並びである。

1社が現地に入ると続く社が出てくる。

今回も同じ構図になった

 アフガンでの取材を数度経験してきたため、
今夏以降、
何度も社内でアフガン入りを訴えたが、
その度に止められ、
「腰抜け」と批判しては大喧嘩していた。

 もちろん自分が行きたかった。

かなわなくても、
TBSの誰かが必ず現地に入るべきだと思っていた。

日本では2004年に起きたイラク人質事件の頃から、
メディアの世界でも自己責任論が語られるようになった。

 記者の動ける範囲が縛られ、
渡航の自由まで奪われる事態を看過していては、
ひいては国民の知る権利を脅かす。

それこそ批判されるべきだが、
「外務省とけんかをしたくない企業・組織メディアがそんたくを始めて、
現地入りをあきらめてしまえば、
所属する記者は足場を失うわけである」。

 ここで、
昨今のジャーナリズムをめぐる危機を語る。

テレビ報道に関わるようになって45年。

最近はマスコミ不信どころか、
マスコミ無用論までが幅をきかせ、
メディアが自信を失っている。

こんな時だからこそ、
わずか十数年まで、
自由な報道番組があったんだという事実を若い人に知ってもらいたいと考えたのである。

 筑紫哲也さんがキャスターを務めたTBSのニュース番組「NEWS23」は、
先行して始まった「ニュースステーション」(テレビ朝日)のキャスター、
久米宏さんと並び、
ながら日本のテレビにおける「夜の顔」だった。

筑紫さんは、
2007年に肺がんが判明し、
翌年無くなるが、
実に18年以上も「23」出演を続けたのだった。

筑紫さんは会議では、
君臨すれども統治せずの人で、
『何でもあり』とか『拒否権なし』が口癖の人だった。

トップダウンではなくてボトムアップの組織運営を好む人だった。

 番組の人気コーナーは、
「多事争論」。

筑紫さんがその日ごとにテーマを決め、
90秒間、
カメラに向かって語り掛ける。

放送された最後は、
2008年3月28日。

「遺言」と感じた。

大きな権力の「監視の役」を果たそうとすること。

一つの方向に流されやすいこの国の中で、
少数派であることを恐れないこと。

多様な意見や立場をなるべく登場させ、
社会に自由な気風を保つこと。

筑紫さんが語りかけたこれらの言葉に対して、
受け継がれるべき「番組のDNA」と表現した。

 筑紫さんを失ってからの十数年の間に、
テレビキャスターはあまり自由にものが言えなくなった。

世論が割れているテーマに対し、
一方の側を支持するような発信をすると、
反対派の人々が、
キャスターを降板させようと大手紙に意見広告を出して、
攻撃するまでになっている。

 思い出すのは、
TBS報道黎明期を支えた一人、
田英夫さんの一件である。

JNNニュースコープ」のメインキャスターを務めた。

1967年に西側テレビ記者として、
始めて北ベトナムに入り、
北川からベトナム戦争を報じるのだが、
反米的だと時の政府などの反感を買い、
番組の降板、
退社につながったとされる。

 メディアにとってたまらない時代である。

新入社員と話をすると、
報道や言論の自由が奪われつつあることよりも、
インターネット上でのアクセス数とか、
マネタイズ(収益化)の仕方なんかに関心を持っている。

耳にする度、
一体何をするために報道の世界に入ったのかと、
怒る気も起きない。

新聞も一緒ではないか?

記者が会社の事情を考え始める。

でも、
記者の仕事における本質は社会のため、
視聴者や読者のため。

何より、
公共性が求められるはずである。

 「利己」と「利他」という言葉をよく考えるべきだ。

記者は「利他」であるべきである

でも、
会社のためと理由付けして、
「利己」を重視するサラリーマン記者が増え続けているんじゃないかと思う。

考えや思想の異なる側から批判を浴びにくい
「普通の番組」
「普通の記事」
「惰性の法則」
が増殖している気がしてならないというのだ。

 今回の衆院選。

安倍晋三、
菅義偉がもたらした、
国民の深刻な「コロナ疲れ」を見た。

批判が沸騰した『アベノマスク』とか、
末期の菅義偉における支持率の落ち込みとか考えると、
安倍晋三及び菅義偉の対応を評価した人は、
多くはなかったはずである。

ただ、
社会はあまりに疲れすぎると、
エネルギーが枯れて大きな変革を求めようとしなくなる。

そう考えるようになった。

 東日本大震災後に起きた、
野田佳彦から安倍晋三への政権交代劇を例に挙げる。

大震災という危機に疲れ果てた国民は、
変革の継続より、
自民党に戻しての安定を求めた。

 政治は暮らしの中にこそあると思うのである。

現場に足を運んで、
身近にある理不尽を探し出し、
少しでも正せるようにコツコツ報じていくしかないと。

近道はないと思う。

青臭いけど、
メディア不信を払拭し、
失われかけている多事争論のある、
自由な社会を取り戻す力になると信じているのである。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

利己を重視するサラリーマン記者が増殖する危機感と、
現場主義でコツコツ近道なく青臭く続ける重要性に関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

毎日新聞2021年12月の記事において、
マスメディアに関わる皆様、
この記事を読んでどう考えるのかと思う記事と思い、
取り上げた。

TBSの報道特集は、
直接視聴することはほとんどないのだが、
Dappiに関して唯一地上波で取り上げた番組であると、
インターネット上でも紹介された。

BSでは、
報道1930が取り上げたくらいで、
地上波及びBSのニュースと言われる番組は、
この二つさえ潰してしまえば、
あとは「利己」を重視するサラリーマンたちが構成する報道(笑)番組で、
埋め尽くされると思っている。

証左として、
NHKクローズアップ現代の国谷裕子氏しかり、
報道ステーションにおける古舘伊知郎氏しかり、
NEWS23アンカー故・岸井成格氏しかり、
安倍晋三及び菅義偉と、
自称応援団(ネトウヨ)に屈服したテレビ局(NHK・テレビ朝日・TBS)。

今や、
サラリーマンジャーナリストと言われる官邸の息がかかっているとしか思えない輩が、
牛耳るニュースなど視聴する気もない。

アフガン現場取材に関して、
金平氏に「腰抜け」と批判されて、
大喧嘩にまで発展させた輩が、
TBSでも絶大な権力を持っていることがわかる。

TBSはDappi報道という硬派な報道をして間もないうちに、
衆院選速報番組において、
吐き気を催す芸人に好き勝手喋らせたのが良い例だ。

中立を図ったとか宣うのだろうが、
もうその職やめて、
自(分棄)民党親衛隊組織にでも、
身売りしてくれと思ってならない。

この国のマスメディアには、
中道左派を忌み嫌う輩が巣食うということは、
四半世紀以上前から指摘されている。

この十年で、
そう言った輩が跋扈していると思えてならない。

そして、
仕事の本質は社会のため、
視聴者や読者のため、
何より公共性が求められる中、
新入社員が考えるのは、
インターネット上でのアクセス数とか、
マネタイズ(収益化)の仕方に関心を持っている…。

そりゃ、
テレビ離れも新聞離れも進まないわけがない。

現場に足を運ぶ現場主義の重要性は、
金平氏と比べると足元にも及ばないが、
感じることがある。

何故なら、
現場を見ずに思い付きで物事を決め、
イエスマンの腰巾着が事項を進める組織による意思決定という愚行に関して、
いやという程味わってきたからだ。

苦労するのは、
何も聞いてない、
権力もない、
齢を重ねていない従業員。

災害が弱いものから命を刈り取っていくように、
理不尽も犠牲になるのは力のなき者からである。

コツコツ、
地道に、
青臭く。

2022年は自分に課そうと思う記事である。


(4)今後、どうするか?    

・金平茂紀氏の記事をスクラップする。

・「利己」を重視するサラリーマン記者と決別する。

・コツコツ・地道に・青臭くを継続する。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
  

年末年始なので、
長いけど報じておきたい記事を昨日に続いて、
紹介しております。

今年は短い記事を紹介する回数が増えると思いますので、
御了承下さい。


皆さんも、
現場に足を運び、
身近にある理不尽を探し出し、
自分の範囲内で正せる努力をしましょう。

コツコツ、
地道に、
継続する、
「急がば回れ」こそが最短と思うからです。