今回紹介する記事は
2021年8月23日付けの
     
「毎日新聞」の記事です。
      
【こころの知能指数高めてあげて】


というタイトルで、
著書「伸びる子どもは○○がすごい」
と9万部を超え話題となっている心理学博士の榎本博明氏が、
最新の心理学的調査や知見を踏まえ、
「指示待ち」「我慢できない」「感情をコントロールできない」について、
紹介しております。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

 子どもの早期教育には、
懐疑的である。

効果かあっても意義があるとは思えない。

幼児期に習えば、
習っていない子よりもできるようになるだろう。

でも、
小学校に入れば、
いずれ読み書きができるようになる。

 早期教育に関する研究に関しては、
2000年にノーベル賞を受賞した経済学者のジェームズ・ヘックマン氏が、
ある大規模な幼児教育の実験データを基に、
その効果を検証している。

実験は米国で1962年に始まり、
当時の幼児が40歳になるまで追跡調査したものである。

1つのグループは3歳から2年間、
平日の毎日、
午前中に幼稚園に通い、
お遊戯や絵本の読み聞かせなど初歩的な幼児教育プログラムを実践する。

さらに週1回、
先生が家庭訪問し、
子どもの様子について親と話し合う時間を設ける。

もう一つのグループは、
特に何もしない、
という実験をした。

その結果、
前者のIQ(知能指数)は著しく伸びたが、
その後、
差は縮まり、
8歳の時点ではほとんど差がなくなったのである。

幼児教育は一時的にIQを伸ばすが、
効果は小学校中学年の段階でなくなってしまうということである。

 幼児期段階での教育は意味がないのだろうか。

この研究では、
40歳になった時の状況も調べている。

前者の方が、
高校卒業率や収入が高く、
犯罪率や離婚率が低い傾向にあった。

ヘックマンは、
乳幼児期に「非認知能力」を身につけることが、
重要であると結論づけている。

 非認知能力とは、
自発性や忍耐力、
コミュニケーション力などである。

心理学では、
心の知能指数、
EQと呼ばれている。

IQが人並みでも社会に出て大成功する人がいる。
その差を生むのがEQである。

試験前に勉強が必要だと頭で分かっていても、
やる気が出るか出ないかはEQが関係してくる。

仕事でもEQの高さが、
業績評価や給料の高さに関係していることが報告されている。

 自発性を高めるためには、
乳幼児期に、
その子の好奇心に任せて行動させることが大切である。

自由に遊ばせ、
友達と思う存分に遊ばせる。

動植物園や博物館、
美術館に連れていく。

種もまいておくということである。

興味を示したら背中を押してあげる。

親が行動を制約すると、
自発性は養われにくくなる。

 ほめることは、
むやみにほめると逆にマイナスになってしまう。

証明した実験がある。

ある2人の心理学者が行ったもので、
10~12歳の子どもに簡単な知能テストのような課題をやってもらう。

終了後、
成績が良かったことを伝えるのだが、
その際、
三つのグループに分けてほめ方を変えてみた。

一つは、
「こんなに成績が良いのは頭が良い証拠だ」。

二つ目は、
何も言わない。

三つ目は、
「成績が良いのは一生懸命頑張ったからだ」。

その上で、
次にやってもらう課題として、
確実にできる簡単なものと、
難しいけれどもやりがいのあるものの2種類を示し、
どっちをやりたいかを聞いた。

「頭の良さ」
を褒められた子は7割弱が簡単なものを選び、
「頑張り」
をほめられた子は9割が難しいものを選んだのである。

何も言われなかった子は、
半々だった。

 なぜほめ方で差が出たか。

「頭の良さ」
をほめられると、
自分はできる子だという期待を裏切りたくないと思い、
「守り」
に入ってしまう。

一方、
「頑張り」
をほめられると、
「もっと頑張らなくちゃ」
と意欲が出るからである。

結果にとらわれすぎるのではなく、
その過程をほめてあげることが重要である。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

IQよりEQ、
結果で七区過程をほめることの重要性に関して、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?

全国幼稚園サッカー大会というものがあるらしい。

正気の沙汰じゃない。

10年後に、
「僕のピークは幼児の全国大会で優勝したことです。」って、
高校生が現れたらどうするのか。

英才教育が盛んな今、
この大会に出たいからと、
適切な指導を行なっているクラブから移籍する選手増える。

目先の利益しか考えない大人によって、
子どもの将来が歪まされる国。

推理抜群な自称名探偵(他称死神)のIQより、
心の知能指数EQの方が大事であることは、
高校時代の英語で習ったことがある。

あれから約20年、
この記事で久々にお目にかかれた。

加えて、
ほめ方に関しても、
触れていることがありがたい。

どんなに若くても、
「頭の良さ」
をほめられると、
期待を裏切りたくないと思い、
「守り」
に入ってしまう。

「頑張り」
をほめられると、
「もっと頑張らなくちゃ」
と意欲が出る。

過程をほめよと再三指摘されても、
育成年代の指導者・教師・保護者といった大人の間で、
果たしてどれだけ普及しているのだろうか。

そう考える記事である。


(4)今後、どうするか?

・榎本博明氏の記事をスクラップする。

・EQに関して調べる。

・ほめ方を試行錯誤する。


今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。

「指示待ち」
「我慢できない」
「感情をコントロールできない」

神童と言われた者が、
いつしか普通に埋没するのが世の常です。


皆さんも、
心の知能指数(EQ)と、
ほめ方に関心を持って下さい。

次の世代と関わる際に、
必ず役に立つものと思われます。