今回紹介する記事は
2021年2月7日付けの
「毎日新聞」の記事です。
【危うい集団思考】
というタイトルで、
専門記者大治朋子氏が、
スーパーエリートたちが、
どのような思考で重大な過ちを犯したのか、
そのメカニズムを分析したことについて、
紹介しております。
いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)
☆新聞記事の紹介について
(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)
★始めに読んでほしいブログについて
(1)内容の要約
「密室政治」に陥りやすい思考をいま一度、
認識しておきたい。
キーワードの一つは英語で、
「グループシンク(groupthink) 」
と呼ばれる、
いわゆる集団思考だ。
米心理学者のアービング・ジャニス氏が提唱した概念。
キューバ・ピッグス湾侵攻作戦(ケネディ政権)や、
ウォーターゲート事件(ニクソン政権)などを例に、
米政権の歴史的な判断ミスを詳しく調べた。
スーパーエリートたちがどのような思考で、
重大な過ちを犯したのか、
そのメカニズムを分析した。
氏によると、
集団思考に陥りやすいグループとは、
強い結束力を持ち、
・外部からの影響を受けにくく
・支配的なリーダーがいて
・多様な選択肢を検討する手続きを持たない
などが特徴。
こういう集団は、
・自集団を万能と思い込み
・自分たちのモラル(倫理観)に信念を持ち
・外部の人々を見下し
・疑問や意義を持つことを自己規制し
・満場一致が何より大事と考え
・反対者には圧力をかけてしまいがち
-だという。
均質性が高く、
自信過剰なグループが陥りやすい心理的なわな。
個人で考えるより、
よほど愚かで極端な結論に、
走ってしまいがちなのだそうだ。
任務の成功率も、
極めて低くなる傾向があるという。
こうしてみると集団思考は、
組織委の森喜朗の問題、
ひいては近年の日本政治にも通じるものがある。
人類の多様性が乏しく、
上意下達の文化が根強い日本は、
均質集団が生まれやすく、
密室でのシャンシャン会議に走りやすいのではないか。
氏は対策として、
会議では経験の浅い人から発言させる
・外部の専門家から意見を聞く機会を設ける
・批判役を裂いて入りも受けてあえて問題点を言わせる
-などを提唱した。
米国の政府や企業は上記を参考に、
意思決定を行う幹部をあえて会議に出さないなど、
斬新なアイデアが出やすい環境づくりに腐心している。
日本でも近年、
一部企業が同様の工夫を凝らしている。
集団思考のメカニズムを理解し、
回避につなげたい。
(2)なぜこの記事を切り抜いたか
集団思考が犯しやすい過ちのメカニズムについて、
紹介した記事のため。
(3)自分はどう思うか?
社外セミナーにおいて、
グループに分かれて一日取り組むことがあった。
複数回参加した中で、
二回だけとても優秀なグループに恵まれた。
頭の回転が速く、
的確な答えを導き出し、
恐らく優秀な社員なのだろうと思った。
ただ、
終盤の課題において、
講師からもっとこうした方がいいと指摘を受けた際に、
「何いちゃもんつけてんの」
「自分の答えが正しいと言いたいのね」
「全く問題ない」
という言葉が出てきたことに驚いた。
優秀というのは、
めでたくもあり、
めでたくもなしというものか、
と実感したことを覚えている。
今回の記事は、
その出来事を思い出した。
密室政治、
グループシンク、
スーパーエリートが重大な過ちを犯すメカニズム。
均質性が高く、
自信過剰なグループが陥りやすい心理的なわな。
個人よりも愚かで極端な結論に走りがちで、
成功率も極めて低くなる。
組織委の森喜朗は、
日本全国津々浦々蔓延っている。
多様性が乏しく、
父権主義的な価値観、
上意下達の文化が根強く、
密室でシャンシャン会議に走りやすい。
時代を先取り、
経験の浅い人から発言させ、
外部の専門家から意見を聞く機会を設け、
批判役を最低1人も受けてあえて問題点を言わせる、
といった対策を導入する一部企業をこの目で見たい。
お偉いさんの高齢者にだけ何十分も好き勝手喋らせ、
自分達の言うことは間違っていないと身内だけで褒め称え、
組織を思い勇気を振り絞って問題点を指摘する人間に対して恫喝して潰す。
残念ながら、
こういった組織が多数を占める世の中、
アービング・ジャニス氏の対策に関心を持ちたい。
(4)今後、どうするか?
・グループ・シンク(集団思考)について関心を持つ。
・アービング・ジャニス氏の対策を自分なりに仕事以外で実践してみる。
・密室でのシャンシャンを許さない。
今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
大治朋子氏の記事は、
以前紹介しました。
集団思考に関しては、
全国にかつ身近に染みついた問題です。
皆さんも、
アービング・ジャニス氏の対策に関心を持ってみて下さい。
時代を先取る秘訣になるやもしれません。