今回紹介する記事は
2021年1月17日付けの
     
「北海道新聞」の記事です。
      
【増えた息子との時間 言えた「お帰り」 仲卸に就職 「選魚」職人へ】


    
というタイトルで、
女子ジャンプの先駆者である元ジャンプ女子日本代表コーチ山田いずみさんが、
女性アスリートのセカンドキャリアとして、
水産物仲卸会社で新たな道を開こうとしていることについて、
紹介しております。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ています。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

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始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

夜明け前の札幌市中央卸売市場。

作業服に長靴、
ゴム手袋を身に着けた山田いずみさんがいる。

女子ジャンプの先駆者は2020年5月、
ジャンプ界から離れ、
水産物仲卸会社である一鱗共同水産に就職して、
半年以上になった。

以下、
山田いずみさんのインタビューである。

会社では太物課に所属している。

太物というのは、
マグロのことである。

午前3時半に起床して出社後、
5時には会社に近い札幌市中央卸売市場に行き、
下見をして6時から始まるマグロの競りに備える。

競りをするのは先輩社員で、
補助役である。

院は競り落としたマグロのキロ数や価格を記録したり、
取引先の求めに応じ、
小分けしたものを包装、
梱包するなど配送までの準備をしている。

午前10~11時ごろ、
会社に戻って広報の仕事、
SNSで発信中の〈選魚職人の道〉に取り組む。

目的は二つある。

一つは、
仲卸業のことを知ってもらうことである。

生産者と食卓を結ぶ仲卸業の役割を伝えたい。

二つ目は、
魚に興味を持ってもらうことである。

メジャーじゃないけれど、
季節ごとに食卓を飾るにふさわしい魚が存在するのである。

確かな目で選んだ魚をおいしく食べてほしい。

だから、
『鮮魚』ではなく、
『選魚』職人なのである。

この世界に飛びこもうと決めたのは、
小学3年生の長男が学校から返ってきたら、
『お帰り』と迎えてあげたかった。

成長の過程で今は、
母親との時間が大切な時期である。

コーチ時代、
夏は合宿、
冬はワールドカップで海外を転戦していたので、
子どもにはずいぶんつらい思いをさせてしまった。

食事の世話などは、
母に任せていたのだが、
『(この生活を続けるのは)もう、
限界だ』と決断した。

本格的に就活を始めようとしていた矢先、
知人がこの会社を紹介してくれた。

業界の話や会社の取り組みを聞き、
面白そうだとチャレンジ魂に火が付いたのである。

午前3時半起床が大変なのは、
どの仕事も同じはずである。

それなら、
興味のある仕事に挑もうと、
午後2時過ぎには退社できるので、
念願の『お帰りなさい』も実現した。

母親としての時間が増え、
食卓に魚が並ぶ回数も増えた。

子育ての方針や決まりごとは、
あいさつだけはしっかりしなさい、
と口を酸っぱくしている。

人間関係の基本だからである。

ジャンプで海外の選手とコミュニケーションを図る中で、
あいさつの大切さが身についたのかもしれない。

長男は軟式野球の小学生チームに入って頑張っている。

日曜日の練習試合を欠かさず応援に行った。

こんなことも以前はできなかった。

来年は北京冬季五輪で、
高梨沙羅選手が出場しても、
応援にはいかない。

仕事がある。

今は少しでも早く、
一人前の鮮魚職人になることが、
彼女の思いに応えることになると思っているからだ。

長男と一緒に、
家で応援することとなるだろう。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

女性アスリートのセカンドキャリアについて、
紹介した記事ため。


(3)自分はどう思うか?

山田いずみ氏は、
1978年札幌生まれ。

小学1年でジャンプを始め、
現役世代は2008年、
当時世界最高峰のコンチネンタル杯で日本選手初優勝。

2009年引退後、
2013年に女子日本代表コーチと高梨沙羅選手の個人コーチを兼任。

2020年5月、
ジャンプ界を離れ、
一鱗共同水産入社した。

札幌市中央卸売市場には、
育成年代を指導するために、
仕事に取り組む人達が、
存在することは知っていた。

対照的に、
スポーツの世界から離れ、
子どもとの時間を確保するために、
仲卸の世界に入る人が存在することに驚いた。

しかもその人が、
女子ジャンプの先駆者である。

子どもの成長過程を考え、
午前3時半起床の世界に飛び込み、
念願の『お帰りなさい』も実現する。

何を大事にして、
仕事を選ぶか。

誰かのヒントになれば、
幸いである。


(4)今後、どうするか?

〈選魚職人の道〉を調べる。

・子どもの成長過程と母親との時間に関心を持つ。

・生活に限界を感じたら就活の決断をする。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。

子どもの成長過程と仕事を考えて、
新たな道を切り開こうとする姿は、
必ずや次の世代に繋がるはずです。


皆さんも、
生産者と食卓を結ぶ仲卸業の役割に、
関心を持ってみて下さい。