今回紹介する記事は
2020年11月22日付けの
     
「北海道新聞」の記事です。
      
【「脱東京」編集者の挑戦 10年先に輝いていられるのは今、手を打っている地域だけ】

 



というタイトルで、
東京一極集中から地方分散への流れにおいて、
全国紙の編集部を東京から新潟県魚沼市へ移した出版社について、
紹介しております。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

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(1)内容の要約

「東京一極集中から地方分散へ」の流れ-。

これを先取るように、
全国紙の編集部を東京から新潟県魚沼市へ移した出版社がある。

それも16年も前に。

「地方がないと東京は成り立たない。

日本は地方が支えている。」

「自遊人」の編集長、
岩佐十良さんの言葉は力強い。

2000円創刊の自遊人は、
食や旅など豊かなライフスタイルを提案する。

だが、
当の編集者たちは東京にいた時、
昼夜なく働きづめでコンビニ弁当をかき込み、
疲弊する日々だった。

人気誌に成長したが、
こんな働き方をしていていいのか―。

「東京でなくても雑誌は作れる」
と確信を深め、
地方移転を決断した。

南魚沼だったのは、
雑誌の特集が緑で交流する地元農家に、
米作りを学ぼうと考えたからだ。

移転してみると、
仕事も生活も驚くほど変わった。

仕事が効率よく進み、
時間の余裕が生まれた。

就業の前後や週末に、
アウトドアを楽しんだりもできる。

当時、
周囲には成功を捨てるのかとあきれられ、
変人扱いされた。

風向きが変わったのは、
東日本大震災の発生後。

「先見の明があった」
に評価が一変した。

そのころ、
「自遊人」も次の転機を迎えていた。

2012年春、
廃業する地元の温泉宿を引き継ぐ話が舞い込んだ。

田んぼを囲む新緑の里山に立つ築150年の古民家に、
「一目ぼれした」。

宿の経営に踏み出すのに迷いはなく、
「里山十帖」の名称で2014年に開業すると、
国内外から多くの客が集まる人気宿になり、
今年はミシュランの星も獲得した。

地元の人が食べている米や伝統野菜、
発酵食品をアレンジしたり、
里山の散策や稲刈り体験を提供したり。

地域に埋もれている資源を磨き、
そこにしかない魅力を伝えることにこだわる。

「宿は自分たちがいいと思うものを衣食住の全てで体験してもらえて、
発信もできるメディア(媒体)」
と岩佐さんは言う。

その考えに共感した観光関係者から声がかかり、
現在は神奈川県箱根町や大津市など4カ所で、
地域再生にも取り組む。

地方移転の施工例としての評価は揺るがない。

ただ、
岩佐さんは地方分散の実現には、
懐疑的な見方も示す。

「大きな動きになるには、
今回のような危機を何度か経て、
大企業の本社移転が進む必要がある」

一方で、
悠長に待っている余裕は地方にないとも指摘する。

この先、
地域間格差が開いていくとみているからだ。

「10年先に輝いていられるのは今、
手を打っている地域だけ」

自遊人が出店し、
再生を手伝いたいと思うのも、
そういう意思がある地域だと言い切る。

地方に生きる編集中の言葉は、
北海道にとっても示唆に富む。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

時代を先取りする成功者というのは、
皆が右を向くときに左を向くことを体現していることについて、
紹介した記事のため。


(3)自分はどう思うか?
 
食や旅など豊かなライフスタイルを提案する「自遊人」。

東京一極集中から地方分散へを先取りすること16年前。

「先見の明」という言葉は、
まさにこのことである。

全国紙が地方移転を決断する勇気に、
恐れ入る。

そして必ず付きまとうのが、
実行直前直後において、
成功を捨てるのか、
変人扱いといった、
外野の雑音である。

「自遊人」は移転後、
宿の経営に踏み出した際に、
宿は地域に埋もれている資源を磨き、
魅力を発信できる媒体(メディア)と語る。

豊かなライフスタイルを提案するという、
理念がここにも生きている。

大企業の本社が地方移転しない限り、
地方分散は生まれないことと、
10年先に輝いていられるのは今、
手を打っている地域だけという言葉は、
「先見の明」ではなかろうか。

特に後者の言葉は、
万事にわたると思えてならない。


(4)今後、どうするか?

・東京一極集中から地方分散に関する記事をスクラップする。

・地域に埋もれている資源を磨き、
 こだわる地域再生について調べる。

・10年先に輝いていられるのは今、
 手を打っている地域だけという言葉を噛み締める。



今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。

本社が東京から北海道に移転する記事については、
以前紹介しました。

先取りするのは、
10年以上前に手を打っている地域だけ。

この言葉は、
万事において通用すると思われます。


皆さんも、
当局一極集中から地方分散を先取りする組織に、
注目してみて下さい。

変化の激しい時代、
わかりやすい正解のない時代、
揺るぎない正しい答えを出している貴重な例の一つかもしれないためです。