今回紹介する記事は
2020年10月13日付けの
     
「毎日新聞」の記事です。
      
【懇談の出欠どう判断 首班取材あり方問う声 取材機会生かすべきだ 読者に情報届かぬまま】

 



というタイトルで、
首班への取材を巡るメディアのあり方に、
「密室でよろしくやっている」と思う読者がいることや、
読者に情報が届かないまま、
法や制度の改正が進む危険性が指摘されていることについて、
紹介しております。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

毎日新聞は、
2019年11月20日の安倍晋三と内閣記者会(記者クラブ)との非公式懇親会を欠席したが、
2020年10月13日に開かれた菅義偉とのキャップ懇には出席した。

懇親会は内容を公表しない「完全オフレコ」形式で、
ホテルニューオータニの小宴会場で行われた。

菅義偉と秘書官、
各社キャップらが出席し、
3社が欠席した。

菅義偉は依然として日本学術会議6人を任命しなかった理由や経緯を明らかにしておらず、
説明は不十分だが、
安倍晋三のケースと異なり、
インタビューに応じたこと、
懇親会は今後の問題追及に向けた糸口をつかむ取材機会であることを踏まえ、
出席を決めた。

毎日新聞は、
10月3日に東京・神宮前のレストランで開かれた、
菅義偉と番記者との懇談会にも出席した。

桜を見る会を巡る問題では、
毎日新聞は2019年11月20日に開かれた安倍晋三とのキャップ懇、
2019年12月17日に東京・神田川町の居酒屋で開かれた番記者との懇親会、
いずれも欠席した。

安倍晋三は記者会見などを一切開かず、
公の場での取材に応じていなかったため、
出席するのは適切ではないと判断した。

編集編成局次長兼政治部長・高塚保は、
懇談に参加するしないに関わらず、
公正な報道に努める毎日新聞の姿勢が変わることはない、
と話す。

社会活動家の湯浅誠東大特任教授は、
以下のように指摘する。

取材はあらゆる機会を利用して肉声を取るもので、
生かさない手はない。

ただ、
なれあいとスクープは紙一重であり、
非公開の懇談に参加することで、
「密室でよろしくやっている」
と思う読者もいる。

「貴重な取材機会」
という方通りの説明で済ますのは良くない。

新聞記者の総合力は、
相手に接近する記者もいれば、
資料などを分析して穴を見つける記者もいることだ。

読者はその総合力を信頼して、
多様な形で得た情報を分析し、
国民の知る権利に応えてくれる活動を求めている。

上西充子法政大教授は、
以下のように指摘する。

菅義偉は、
日本学術会議の問題などで、
記者会見をせず、
オフレコ懇談後にグループインタビューに答えることで、
説明を尽くしたような形を作った。

メディアは懇談を
「取材相手に肉薄する機会」
と弁明するが、
市民は会見の場における応答や表情などの知る機会を失った。

懇談参加は、
そういう状況に加担していることになる。

誘い出され、
話した内容を秘密として握らされていいのか。

国民の目に見える情報は減る。

読者に情報が届かないまま、
政府による法改正や制度改正はどんどん進んでいく。

今回、
毎日新聞が懇談に参加したのは非常に残念だ。

参加しないで、
「記者会見の場で説明を求めるのが我が社のあり方」
といってほしかった。

そうすれば、
私たちも応援できた。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

権力者の餌付けにホイホイ乗っていくマスメディアについて、
専門家が看破した記事のため。


(3)自分はどう思うか?
 
年始にこの記事を紹介すると、
周囲から引かれるだろうとは思うものの、
この記事を知ることで、
誰かが救われ、
少しでも世の中がましになればいいと思い、
紹介する。

この記事はツイッターにおいて、
デジタル版も公開されていたので印刷し、
アナログ(紙面版)と比較した。

ネット上で指摘されていた通り、
紙面版はデジタル版より端折られていた。

過去の記事や新聞以外の資料、
私的見解を以下に記すため、
長文乱筆をお許し願いたい。

まず、
2019年11月20日安倍晋三番記者との懇親会に、

欠席した毎日新聞の理由記事は以前紹介したので、
参照いただきたい。

出席した朝日新聞の弁明記事についても、
以前紹介したので、
参照いただきたい。

2020年10月13日に開かれた菅義偉とのキャップ懇とは、
パンケーキお忍び朝食会である。

詳細は、
田中龍作ジャーナルで紹介されているので、
参照していただきたい。

場所も直前まで伏せられ、
コソコソ逢引する程の相思相愛っぷりに、
国民は涙を流してしまいそうだ。

同じ日に、
著述家菅野完氏が官邸前で学術会議への人事介入に抗議して、
前日の10月2日から臨時国会開会の10月26日までハンストを行った。

どちらが国民国家のために闘っているのだろうか。

明らかに後者だと思えてならない。

さて、
一人5000円で宴会できることで有名になってしまった、
ホテルニューオータニで開かれた菅義偉オフレコ懇親会に出席しなかった3社は、
朝日新聞・東京新聞・京都新聞である。

朝日は賭けマージャンで叩かれたので今回は控えねばという力が働いただろうし、
東京は一応権力に敵対しているためわかる。

京都は異彩を放つ地方紙のため、
今後注目する必要がある。

参加した恥知らずは、
毎日・読売・日経・産経・道新・西日本・中国・ジャパンタイムズである。

西日本と中国は地方新聞であっても、
良い記事を見かけることがあったので、
少し落胆した。

他は道新を含め、
やっぱりかよという感想である。

毎日の編集編成局次長兼政治部長高塚保氏の言葉が、
全くもって理解できない。

2019年11月20日安倍晋三番記者との懇親会に出席した理由について、
朝日新聞政治部次長(政権担当)円満亮太氏が述べたことと、
同じことを言っているからである。

近い将来、
賭けマージャン並みの事件を毎日は起こすので、
そこんところよろしくと予告しているのだろうか。

湯浅誠東大特任教授に関しては、
こども食堂についての記事で紹介したので、
参照していただきたい。

上西充子法政大教授については、
国会パブリックビューイングについての記事で紹介したので、
参照していただきたい。

共通することは、
「貴重な取材機会」
「取材相手に肉薄する機会」
という言葉は、
もう国民には届かないということである。

記録も残さない餌付けにホイホイ誘い出され、
政治部記者がより国民のために仕事をしなくなり、
国民の知る権利を握り潰すことに加担する。

記者の葛藤という美辞麗句が語られることはよくあるが、
読者からしてみれば、
権力に尻尾を振っているという事実に変わりはない。

「汚れた桜」を出版し、
頑張ろうとしている毎日新聞が、
「毎日新聞、
お前もか?」
と読者を落胆させたことは、
第四の権力マスメディアの至る所に、
一貫して中道左派的な思想を嫌う論陣を張るものが、
存在することを証明したといっても、
過言ではないと思えてならない。


(4)今後、どうするか?

・上西充子教授と湯浅誠教授の記事をスクラップする。

・新聞には中道左派思想を嫌う輩が必ず存在することを知っておく。

・「貴重な取材機会」「取材相手に肉薄する機会」=「密室でよろしくやっている」
 と捉える。


今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。

資料を分析して穴を見つけていく社会部記者の記者会見だと、
対象者は逃げられずに社会問題となります。

権力者の記者会見は政治部記者のため、
ゆるゆるのなぁなぁが許されていて、
国民は落胆します。

中には空気を読まずに切り込む記者が少数存在するも、
大半が権力者とアイコンタクトをとって、
国民の知る権利を潰すことに加担するのが現状です。


皆さんも、
権力者に対する取材のあり方について、
関心を持って下さい。

民主主義の破壊に加担する癒着は、
国民を害することになるため、
我々は貴方達の言動に関心を持っていますよ、
とできる範囲でよいので、
意思表示していただきたいです。