今回紹介する記事は
2020年9月29日付けの
 
「北海道新聞」の記事です。
  
【カネを餌 国の常とう手段 核のごみ捨て場と北海道】

 



というタイトルで、
ルポライター鎌田慧氏が、
北海道の大地が、
金権力により、
猛毒を押し付けられることについて、
紹介しております。


(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 ☆新聞記事の紹介について

(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)

始めに読んでほしいブログについて


(1)内容の要約

いよいよ、
北海道で核のごみ問題が始まる。

後志管内寿都町につづいて、
さほど離れていない神恵内村も、
核のごみ捨て場(高レベル放射性廃棄物の最終処分場)候補に名乗りを上げようとしている。

いままで、
手詰まりだった経済産業省は、
さっそく梶山弘志大臣が歓迎のコメントを出した。

政治家や官僚たちから、
地域にカネが落ちる。

ビジネスチャンスだ、
と吹き込まれると期待が膨らむ。

日本海に面した南に泊原発をはさんで寿都町、
神恵内村。

北の宗谷管内には、
「幌延深地層研究センター」があって、
分厚い粘土で包んだ地層処分の見本が安置されているが、
何百年間で崩壊するのは織り込み済みだ。

区にはいくつかの地域を競い合わせて、
反対運動を牽制、
分断する。

せっかくのビジネスチャンスを逃すのか、
という議論がはじまる。

あるいは、
用地買収交渉での価格を抑えられる。

文献調査に応じるだけで、
自治体に2年間で最大20億円の交付金が振り込まれる。

概要調査で70億円。

ボーリング調査などがあっても、
まだなにも始まっていない。

それで喉から手が出るほど現金が欲しい、
過疎地域の首長や議員たちは、
「なにも危険なことはないんだから」
と住民を説得する。

反対論や慎重論が、
「カネ縛り」
「カネを餌」
に賛成に変えられる。

「カネびたり」
「カネづけ」
「カネ中毒」
担った極端なケースが、
3億円以上の大金が、
福井県高浜町の助役から、
関西電力の会長、
社長らに還流された事実だ。

わたしは、
1981年に「伊方・金権力発電所の周辺」と題するルポを書いた。

その頃、
各地の原発地帯をまわると、
さまざまな名目でカネがバラ撒かれていた。

原子力は金権力だった。

原爆を体験した日本人には、
放射能への恐怖感が根強い。

全国の立地地域で反対運動が起こり、
住民運動が原発の進出を止めた。

それでも、
「ふげん」
「もんじゅ」
を含めて59基(このうち廃炉が29基)もつくられたのは、
結局、
カネに押し切られたからだった。

原発稼働からほぼ半世紀がたって、
この間に生じた使用済み核燃料は、
ガラス固化体2万6千本分に相当する。

猛毒の高濃度は駅などの最終処分場に関して、
今までどこも引き受けなかったのは、
きちんとした対策がなかったからだ。

原発現地で、
電力会社の担当者と構内を歩きながら、
「使用済み燃料はどうしますか」
と質問すると、
えたりとばかり
「全部、
青森県六ケ所村の再処理工場に運びます」
と胸を張って答えた。

青森県に生まれ育った私は、
1970年から「巨大開発計画」に翻弄された六ケ所村を取材してきたのだが、
「核燃料サイクル」計画は秘密にされ、
1984年まで隠されていた(拙著『六ヶ所村の記録』)。

再処理工場は1993年4月に建設開始したが、
27年たっても完成していない。

田中俊一前原子力規制委員長は、
核燃料サイクルはウソだ、
と断言している。

政府が最終処分場の決定を急ぎ出したのは、
原子力政策の破綻が明らかになったからだ。

北海道の大地が、
カムイの大地が、
核廃棄物の最終処分場として狙われてきた。

無害化されるまで10万年とも言われている。

泊原発の廃棄物も捨て場がない。

では、
どこが引き受けるのか。

それはだれもいえない。

それでも、
毎日、
素知らぬ顔して、
原発が稼働し、
稼働させられようとしている。

としたなら、
日お嬢的に猛毒を発生させる稼働を止め、
未来を真剣に考える議論を始めなければならない。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

核のごみ捨て場に名乗りを上げる北海道自治体について、
金権力の例をもとに、
国の常とう手段について、
紹介された記事のため。


(3)自分はどう思うか?

核のごみの最終処分場選定に関しての記事は、
道新を購読する者であれば、
今年最も目にしているであろう。

その候補地決定過程において、
住民にまともな説明もせず、
「住民に説明すればごちゃごちゃ五月蠅くなる」
「住民の大半はマインドコントロールされている」
と全国紙に取り上げられる人間が、
地方自治体首長を長年にわたり務め、
立候補を表明すること自体、
とち狂っていると個人的に思っている。

そして、
寿都町と神恵内村に対して、
誹謗中傷が相次いでいるという記事も目にした。

・神恵内村の魚はもう食べない

・もう北海道にはいかない

・北海道の恥

・寿都の物を売るのはやめろ

・ふるさと納税に協力しない

これらの中傷により
自治体職員や議員が迷惑していると記されていたが、
本当に困るのは、
関係産業を生業とする庶民、
ひいては文献調査に反対する人々なのではないだろうか。

誘致に賛成している者達は、
こういった声に対しても、
どこ吹く風、
まともに話を挙げない挙句、
業を煮やした住民より火炎瓶を投げつけられたら、
「暴力に訴えるなど許さない」
と被害者面した正論を吐いた挙句、
強行的に誘致を決めれば、
「ノーサイド」
とほざく。

民主主義とは一体何なのだろうか。

さて、
今回取り上げた記事についてなのだが、
カネを餌に反対運動を牽制・分断する国の常とう手段は、
前世紀から始まっていたという。

四国の伊方原発、
「ふげん」・「もんじゅ」の原発設置、
青森県六ケ所村の再処理工場、
福井県高浜町助役と関西電力会長・社長の3億円癒着、
全て根はカネで繋がっている。

原爆を体験した日本人は、
放射能への恐怖が根深いのに、
カネに押し切られて、
原発を作ってしまう。

高濃度廃液が猛毒なことを知っているのに、
対策をきちんとしなかったため、
最終処分場をカムイの大地を狙われる。

押し付けられた方は、
喉から手が出るほど現金が欲しいから、
招致する。

日本人の愚かさを紹介した記事である。

されど、
このような記事を読まないことこそ、
危険極まりないと思えてならない。

知らないことは、
幸せなこと?

不幸なこと?

前者を選びたくない。


(4)今後、どうするか?    

鎌田慧氏の記事をスクラップする。

見たくない・聞きたくない・信じたくない者を信じないに、
陥らないようにする。

誇りや魂を守る努力をする。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。
      
鎌田慧氏に関する記事は、
以前紹介しました。

札束で頬を叩く現象が、
北海道の後志管内で起こっております。

後志管内と所縁ある自分にとって、
忸怩たる思いであります。


皆さんも、
見たくない・聞きたくない・信じたいものしか信じないではなく、
現実から目を背けないためにも、
新聞を読むことをお勧めします。

きっと、
自分の生活と重なる部分があり、
解決法など視野が広がるヒントを得られるためです。