今回紹介する記事は
2020年5月17日付けの
     
「北海道新聞」の記事です。
      
【オレたちは「ガイジン部隊」」なんかじゃない! 「野球留学生」の実態探る】

 



というタイトルで、
ライターカルロス矢吹氏が、
菊池高弘著『オレたちは「ガイジン部隊」」なんかじゃない!』について、
「ガイジン部隊」の悪しきイメージが先行していることから、
地元を選んできてくれた選手も地元の誇りに思っていいと考えることに関して、
紹介しております。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)


 ☆新聞記事の紹介について


(1)内容の要約

タイトルの「ガイジン部隊」という言葉に、
まず説明が必要だろう。

高校野球の世界では、
越境入学して野球部に入ってくる生徒を「野球留学生」と呼ぶことがある。

「ガイジン部隊」とはそれを揶揄したことばである。

日本で絶大な人気を誇りつつ、
地元と濃厚に密接してる高校野球独自の言葉遣いだろう。

ラグビー「日本代表」に比べると、
かなり時代遅れの物言いにさえ映る。

もちろん、
「お金のある私立が、
金にものを言わせて全国から選手をかき集めている」
というイメージが、
先行しているせいかもしれない。

実際はどうなのだろうか?

高校野球を長年取材し続けている著者が、
全国8カ所の強豪校を回って、
「野球留学生」である高校生本人から丁寧に話を聞き、
生の声を積み重ねている。

そこでわかることは、
ほぼ全員が自分の意思で学校を選んでいるという、
当たり前の事実である。

しかも、
競技面の理由だけでなく、
人としての成長も目指して進学している生徒も多い。

中学3年生の時に見学で、
学校の施設や教育方針に直接触れ、
自分の頭で考えて進学先を選んでいる。

それを頭ごなしに否定するのは、
野暮ではないだろうか。

本書は、
親元を離れて厳しい環境に身を置く高校生たちと、
受け入れる学校、
そして地域へのエールになっている。

人間は一人の力で成長することなんてできない。

地元の選手は誇らしい。

だけど、
地元を選んできてくれた選手も、
同じくらい地元の誇りに思っていいと考える。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

「ガイジン部隊」私立高校と悪い印象が付けられた選手に対して、
肯定的に紹介した記事のため


(3)自分はどう思うか?
 
お盆は、
甲子園において、
夏の高校野球が繰り広げられる時期である。

優勝候補や常連校、
古豪に初出場校。

気になるのは、
地方代表校で、
何年連続何回目の出場と紹介される常連校である。

どんなに優れた指導者であっても、
毎年粒の揃った選手が集まり、
晴れる日もあれば曇る日もある戦いを制し、
全国大会に出てこれるものなのか。

地元の選手ではなく、
強豪県から選手をコンスタントに選べる方式が確立しているのではないか、
本当にそれが代表と呼べるのかという思いが離れない。

今回この記事で紹介された本は、
自分の固定概念を崩すよい代物かもしれない。

思い込みや先入観にとらわれる自分にとって、
柔軟な思考や視野の広さの確保は必須である。

なるほど、
そういう考え方や現実があるのか。

この余裕がないと、
さもしい精神しか持てない危機感を感じるためである。


(4)今後、どうするか?

菊池高弘著『オレたちは「ガイジン部隊」」なんかじゃない!』を読む。

・自分の頭で考えて進路を決めることを尊重する。

・自分の意見と相反する書物にも目を向ける。


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。

ライターであるカルロス矢吹氏の記事は、
以前紹介しました。

自分の頭で考えて、
自分の意思で進学先の学校を選ぶという、
当たり前の現実に対して、
外野の大人が頭ごなしに否定することは、
確かにナンセンスです。

自分は当事者でないので詳細は分かりませんが、
読書をすることで、
当事者たちの考えを少しでも知ることはできます。

  
皆さんも、
自分と相容れない意見に関しては、
「見ざる・聞かざる・言わざる」と拒否するのではなく、
ときには触れてみて下さい。

最も静かなのは、
読書と思われるので、
お勧めします。