今回紹介する記事は
2019年4月326日付けの
     
「北海道新聞」の記事です。
      
【サル化する世界 目先だけの社会 その先に待つのは】

 





というタイトルで、
多岐にわたる問題の根底にあるのは、
中国の説話「朝三暮四」に登場する「目先のことさえよければ、
どうなってもよい」というサルを基準とした社会あり、
不都合な出来事には目を背け、
「そのうちなとかなるだろう」とやり過ごす精神の先に、
なにがまちうけているのかという時宜を得た社会批評について、
紹介しております。

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 

 ☆新聞記事の紹介について

 


(1)内容の要約

1997年、
すでにバブルは崩壊していたものの、
社会にはまだどこかに楽天的な空気があった。

それから二十数年、
気がつけば暮らしは苦しくなる一方、
不誠実な政治家の数は増え、
隣人が隣人ではない、
分断された社会に私達はいる。

内田樹著「サル化する世界」が扱っている分野は、
外交や教育、
人口減少と高齢化社会についてなど、
多岐にわたる。

世の中に起きている諸現象を年長者としての経験と知性からも、
横断的に読みほどいていく著者の語りにはカタルシスがあり、
読む快楽を喚起する。

本書を貫くキーワードとして問題の底にあるのは、
「サル化」である。

ここでのサルとは、
古代中国の説話「朝三暮四」に登場するサルのこと。

つまり、
「目先のことさえよければ、
あとから想定される困難はどうなってもよい」という態度を指すが、
確かにそうした言説は、
政治家や企業のトップの発言に始まり、
町で交わされる会話、
SNSで散見するつぶやきにも増えている。

「サル化」された社会には草も生えず、
創造性が生まれる土壌は失われる。

著者は、
国民の資源が底をついた訳ではなく、
制御する仕組みが破綻したから、
元に戻せるはずだという。

不都合な出来事には目を背け、
「そのうちなんとかなるだろう」とやり過ごすのは、
われわれの社会が得意とするところかと思うが、
その先に何が待ち受けているのか。

著者の作品は多いが、
時宜を得た社会批評である本書は、
広く読まれるものの一つになるだろう。


(2)なぜこの記事を切り抜いたか    

「今だけ・金だけ・自分だけ」思考について論じた書籍に関して、
紹介した記事のため


(3)自分はどう思うか?
 
「朝三暮四」に関することは、
ここ数年身の周りでも繰り広げられ、
身をもって実感している。

人生の大先輩たちが、
ヘラヘラ笑いながら、
いともたやすく行うえげつない行為に閉口してしまう。

それをどうせ悔い改めないし、
進言しても激昂されて叩き潰されるだけだからと、
白けた気持ちや絶望に近い冷めた思いで、
ただやり過ごすだけの学習性無気力に陥っている自分も、
同罪の傍観者である。

「今だけ・金だけ・自分だけ」思考に身を任せれば、
どれだけ楽だろうか。

そこで踏みとどまり、
少しでも世のため人のため将来世代になる努力をできるか否かが、
この時代を生きる人間に求められることではなかろうか。


(4)今後、どうするか?

内田樹著「サル化する世界」を読む。

内田樹氏の記事をスクラップする。

サル化と決別する努力をする。

…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。

朝令暮改についての記事は、
以前紹介しました。

朝令暮改という言葉を読むと、

「見たくない・聞きたくない・信じたいものしか信じない」

「今だけ・金だけ・自分だけ」

これらの言葉が思い浮かんでしまいます。

これらの言葉に振り回されないためにも、
本書を読みたいと感じます。


皆さんも、
「サル化」の波に流されず、
別の道を模索してみて下さい。

温故知新、
朝三暮四から私達は学ぶ必要が多々あるためです。