今回紹介する記事は
2019年9月7日付けの
  
「毎日新聞」の記事です。
   
【カジノ誘致に官邸の影 ハマのドン 藤木幸夫・横浜港運協会会長 ほえる】

 


 
というタイトルで、
横浜港運協会会長藤木幸夫氏が、
横浜市がのR誘致方針に対し、
「命を張ってでも反対する」
と言い放つことについて、
紹介しております。

 

いつもどおり、
「4つ」の視点でこの記事を見ています。
 
(4つの視点についてはこちらをご覧ください)

 

 新聞記事の紹介について

 


(1)内容の要約

 

横浜経済界の重鎮「ハマのドン」がほえている。

 

「横浜港運協会」会長で、
政権中枢とも太いパイプを持つ藤木幸夫氏だ。

 

横浜市の林文子市長が、
IRを誘致する方針を発表したことに対し、
「命を張ってでも反対する」
と言い放つ。

 

藤木氏が固く握りしめた便箋は、
ギャンブル依存症の夫を持つという女性だった。

 

内容は、
「人の不幸の上に成り立つ産業などあってはなりません」
とつづられており、
カジノに反対するため藤木氏に協力したいと切々と訴えてきたものであった。

 

IRは安倍晋三政権が成長戦略の目玉と位置付けている。

 

横浜は、
菅義偉官房長官がかつて市議などを務めたお膝元である。

 

2015年夏、
IRについても意見交換した際に、
応援すると言ってしまった藤木氏は、
後悔の念をにじませる。

 

その後、
独自に研究を進めた結果、
カジノにはギャンブル依存症や治安などの問題が避けられないと知った。

 

最近、
身に染みるのは、
市民が自由にものを言えなくなった、
戦前の空気と似てきたということだ。

 

2018年7月、
怒号が飛ぶ中、
IR実施法が自民・公明両党などの賛成多数で可決・成立した。

 

なぜ、
そこまで急ぐのか。

 

その一つの答えが、
「カジノ王」が会長にいるラスベガス・サンズの動向だと藤木氏は感じる。

 

トランプ大統領と親密ぶりは周知の通りで、
何か特別な力がかかっていると否定はできないと語る。

 

そもそも民主主義っていうのは、
市民の声を大事にすることだろう。

 

安倍晋三首相が何か言ったら、
すべてその通りになるなんておかしい。

 

IRに関してのパブリックコメント(意見公募)では9割以上の市民が、
否定的な回答をしている。

 

市民の意思が無視され、
政権の意向だけがまかり通るなら見過ごせない。

 

市民の声を聴かなくなったら、
自民党は応援しない。

 

目先の利益だけでかき回されたらたまらない。

 

将来に大きな汚点を残すことは許さない。

 

ばくち場を作るからどいて下さいって言われて、
どけるか?

 

体を張って阻止するしかないだろう。

 

IRの誘致は今一度、
立ち止まってじっぐり議論する必要があるのではないか。

 


(2)なぜこの記事を切り抜いたか 

 

ハマのドンが市長や官邸に弓を引いた意外なことを紹介する記事のため。

 


(3)自分はどう思うか?
 
3年前、
横浜市長選において、
林文子市長は、
「IRを白紙にする」
と公約し、
三選した。

だが、
裏でカジノ誘致を進めて公約を踏みにじることに、
市民から住民投票条例や、
地方自治法に基づくリコール運動が起こっている。

 

昨年末に東京地検特捜部が秋元司代議士を逮捕し、
“IR疑獄”に発展したことや、
新年のあいさつで、
ハマのドンが、
市長を公然と批判したことが、
IR誘致反対に火に油を注いでいる。

 

横浜市で起きていることは、
対岸の火事ではない。

 

選挙で有権者が選んだ首長が、
公約に反する行為をするようであれば、
有権者は追放せねばならない。

 

何故なら、
有権者の命が奪われないからである。

 

ハマのドンが記事でも訴えているように、
市民の声を大事にすることが民主主義の原則であり、
長が言ったらすべてその通りになるなんて、
おかしいのである。

 

 

(4)今後、どうするか?

 

・横浜市のIR誘致方針の動向に関する記事をスクラップする。

 

・首長が公約違反して市民の大半から反発が起きている自治体を調べる。

 

・カジノ誘致に関しての動向を見守る。

 


…今回も自分の勉強がてら、
まとめてみました。

 

公共権力と太いパイプを持つハマのドンでさえ、
公然と批判に回るこの記事を読むと、
権力の中枢が決して一枚岩などではなく、
良くも悪くも利権絡みであるということが、
見て取れます。

 

未来永劫安泰などとは決してなく、
利害が不一致になれば、
反旗を翻す者達が必ず出てくることの証明でしょう。
 

皆さんも、
ウイルス対策におけるこの国の首長達の記者会見と、
世界の首長達の記者会見と比較してみて下さい。

 

世界の流れに倣おうとする開放的な東京都のように動くか、
世界の流れに逆らおうとする閉鎖的な首相官邸のように動くか。

 

あなたの住む自治体の首長の記者会見から、
自分達の命を守る指導者であるか否かを見定める絶好の機会です。