パナソニックのペロブスカイト太陽電池:建材一体型で新市場開拓へ
パナソニックは、次世代太陽電池として注目される「ペロブスカイト太陽電池」の実用化に向け、積極的に開発を進めています。従来の結晶シリコン太陽電池に比べて、軽量・柔軟性・低コスト化などのメリットを持ち、特に建材一体型太陽電池として大きな可能性を秘めています。
ペロブスカイト太陽電池の特徴
- 軽量・柔軟性: ガラス基板だけでなく、プラスチックフィルムなどにも作製できるため、軽量で曲げられる太陽電池モジュールを実現できます。建物への設置だけでなく、車や衣類などへの応用も期待されています。
- 低コスト化: 材料や製造工程が比較的シンプルで、結晶シリコン太陽電池よりも安価に製造できる可能性があります。
- 高い変換効率: 研究開発が進められており、近年では結晶シリコン太陽電池と同等、もしくはそれ以上の変換効率を達成する例も報告されています。
- 透明性: 半透明なモジュールを作製することができ、窓ガラスなどに組み込むことで、採光しながら発電を行うことができます。
パナソニックの取り組み
パナソニックは、これらのペロブスカイト太陽電池の特徴を活かし、建材一体型太陽電池としての実用化を目指しています。具体的には、以下のような取り組みを進めています。
- 独自の塗布製法とレーザー加工技術: インクジェット塗布製法とレーザー加工技術を組み合わせることで、高効率かつ大面積のペロブスカイト太陽電池モジュールを製造する技術を開発しています。
- ガラス建材一体型太陽電池: 2023年8月には、世界初となるガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池のプロトタイプを開発し、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンにて長期実証実験を開始しました。
- デザイン性: ペロブスカイト太陽電池は、色や柄を自由につけることができるため、建物のデザインに合わせたモジュールを作製することができます。
今後の展望
パナソニックは、2025年までにペロブスカイト太陽電池モジュールの商品化を目指しています。建材一体型太陽電池以外にも、自動車や農業分野への応用も検討しており、ペロブスカイト太陽電池の事業化を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくとしています。
パナソニックのペロブスカイト太陽電池は、従来の太陽電池市場に革新をもたらす可能性を秘めています。今後は、技術開発の進展とコスト低減が鍵となり、実用化に向けた動きがさらに加速していくことが期待されます。
参考情報
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