平成27年1月22日 最高裁判所判決(事件番号:平成26年(受)第1244号)
費者契約法第10条と借地借家法のどちらが優先されるかは、個々の事案の具体的な状況によって判断されます。
消費者契約法第10条は、消費者契約の条項が、民法第1条2項に規定する基本原則、すなわち信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効と定めています。
一方、借地借家法は、借地借家関係に関する特別法であり、賃貸人の権利を制限する規定を設けています。
これらの法令が抵触する場合、以下のような要素を総合考慮して、どちらが優先されるかを判断することになります。
法令の趣旨・目的:
消費者契約法は、消費者を保護することを目的としているため、消費者の利益を保護する趣旨が強いと考えられます。一方、借地借家法は、土地の賃貸借関係に関する秩序を維持することを目的としているため、賃貸人の権利を保護する趣旨も考慮する必要があります。
条項の内容: 消費者契約法第10条に抵触する条項であっても、借地借家法で特に認められている場合は、有効とされる可能性があります。
契約締結時の状況: 契約締結時の交渉力格差や情報格差など、契約締結時の状況も考慮されます。
参考判例
最判平成27年1月22日:消費者契約法第10条と借地借家法32条1項が抵触する場合、個々の事案の具体的な状況を総合考慮して、どちらが優先されるかを判断すべきとした。
結論
消費者契約法第10条と借地借家法のどちらが優先されるかは、個々の事案の具体的な状況によって判断されるため、一概には言えません。
平成27年1月22日 最高裁判所判決(事件番号:平成26年(受)第1244号)
概要
本判例は、消費者契約法第10条と借地借家法32条1項が抵触する場合、個々の事案の具体的な状況を総合考慮して、どちらが優先されるかを判断すべきとしたものです。
事実
本件では、貸主が借地人に対して、土地の明け渡しと賃料相当額の支払いを求めました。借地人は、消費者契約法第10条に基づき、本件契約は無効であると主張しました。
判決
最高裁判所は、以下のとおり判示しました。
消費者契約法第10条と借地借家法32条1項は、いずれも国民生活の安定に資することを目的とする趣旨を有するが、その趣旨の実現方法、具体的内容は必ずしも一致するものではない。
これらの法令が抵触する場合には、個々の事案の具体的な状況を総合考慮して、いずれの法令が優先されるかを判断すべきである。
本件では、借地人は、本件土地を居住用として使用しており、本件契約の無効により生活の基盤を失うおそれがあることなどから、消費者契約法第10条が優先されると判断した。
判例の意義
本判例は、消費者契約法と借地借家法の抵触に関する画期的な判決です。本判例により、消費者契約法の保護をより広く受けられるようになりました。
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