オフィス・事務所事案でも適用<通常損耗負担を否定> |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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建物賃貸借契約にあっては、建物の使用による通常損耗がその本質上当然に予定されて


おり、これによる投下資本の減価の回収は、実質賃料構成要素の一部である必要経費


(減価償却費、修繕費)に含まれていると考えるのが合理的であり、


社会通念であるとの判例が出されました。(大阪高裁平成15年11月21日)


(最高裁の上告不受理で確定)



この様な裁判の流れの中で、営業用建物において、通常消耗分の原状回復費用を


負担する旨の特約が否定されました(大阪高裁平成18年5月23日)。


国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルガイドライン」から、


発生する損耗の区分を示し、通常損耗は賃貸人負担との考えを示しました。


この判例は将来においてのオフィス紛争事案を射程においての判決だと


考えるべきだと思います。