ハウスクリーニング <ハウスクリーニング費用は借主負担> |  NPO法人日本住宅性能検査協会 建築・不動産ADR総合研究所(AAI)

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<ハウスクリーニング>(1)


〔質問)

(0209)

確かに契約書にその旨の記載があった。このような場合には、

家主の言い分に従わざるを得ないのか?
〔回答〕

契約書に、「ハウスクリーニング費用は借主負担」というような規定がある場合、

このような特約が有効であるかどうかがポイントとなります。


ハウスクリーニングというのは、プロの業者による清掃ですので、
法的には、原状回復義務を上回るものです。

そこで、国土交通省(旧建設省)の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」において、
原状回復義務以上に借主に負担を負わせる特約については、
「特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること」、
「賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことを認識していること」、
「賃借人が特約による義務負担の意志表示をしていること」の要件を
満たしていなければならないとしているのです。

逆に言えば、一般的に、ハウスクリーニング特約が認められるというケースはまずないということです。

判例においても、ほとんどの場合、ハウスクリーニング特約は認めていません。

さらに、2001年4月以降の契約においては、
消費者契約法の「消費者の利益を一方的に害する条項は無効である」という考え方によって、
ハウスクリーニング特約が認められる可能性がほとんど皆無に近くなったというべきでしょう。

従って、家主に対しては、上記のような説明を行い、
ハウスクリーニング費用の負担はできないということを宣言したほうがよいでしょう。