先月、篠崎マロさん率いるオーケストラによるベートーヴェン第九を聴いてきました。生演奏で第一楽章から第四楽章まで通して聴くのは初めて! 音の波が押し寄せるように迫ってきて、ただただ圧倒されるばかりでしたっ! 曲の終盤、マロさんの弓の毛が2本切れ、背後の奏者も同じく2本切れて… 釣り竿が宙に舞っているように見えてしまい、 とても人間業とは思えない😮激しい演奏に目も耳も奪われてしまいましたー‼  

 

今回は最前列の右側の席だったので、マロさんの背中ではなく、正面から視聴できました。目の前には、トロンボーン奏者さんたちが並び、トロンボーンの音色がいつも以上に響いてきましたが。 指揮者はいませんでしたが、マロさんが全身を使って合図し、オーケストラ全体を導いているのは見ていて分かりました。

 

発表当時は、難しい曲のため、演奏者たちからは評判が悪かったらしいですが、 「100年後の演奏者たちは、演奏できる。」 と、ベートーヴェンは、言ったそうですね😮 あらゆる面で凄い!と思いました。 その通りになっていることも、自分の曲が100年後も演奏され続けている!と信じて疑わないことも。実際に200年以上経った今も演奏され続けているのですから! 久石譲さんや、ジョン.ウィリアムズは、100年後も演奏され続けているかなぁ、なんて考えてしまいました。 

 

コンサートへ行ったことを🎻の講師にお話したところ、マロさんの著書、(処女作)

ルフトパウゼ 篠崎 史紀/著

を紹介してくださいました。タイトルはドイツ語で、「ためをつくる」という意味だとか! 一人で演奏するときは、この「ためをつくる」ことを自分の呼吸でやりますが、オーケストラの場合、団員全員が、この間合いを共有するということ。 特に最初の一音を奏でる… コントラバスが最も音が響くのに時間がかかるらしい。なので、コントラバスの最初の一音を聴いて、やや遅れてヴァイオリンが入ると良いのだとか、(ほんの0.1秒程度のことでしょうが…?)難しいことをコンマスのマロさんはやっているのだ!若く走る団員(日本にはあまりいないそうですが…アグレッシブな、といいましょうか)ベテランの団員の間を上手く取り持つような…? 最初の一音を奏でる難しさをコンマスとして担っている姿は印象深い。印象深い話が数多く語られており、また、機会を見つけて語りたいと思います。

 

弓の毛2本同時に切れるほどの激しさと情熱を目の当たりにした体験は、単なる演奏会ではなく「音楽の生きた力」を感じる瞬間でした。音楽は技術を超え、情熱そのものとなり、更に200年先の未来へと響き続けるのだろうな🎵

 

 

 それは――ほんの小さな勘違いから始まった。

いつものように陳列棚へ届いたばかりの商品を並べていた時のこと。五歳の長男に手を引かれた三歳の娘が、私に声を掛けてきた。

「おねーちゃん、迎えにきたよ!」

三世代同居の我が家では、私は二児の母でありながら、両親にとっては長女。だから両親も妹も、私を「おねーちゃん」と呼ぶ。その呼び方を耳にして育った末っ子も、自然と「ママ」ではなく「おねーちゃん」と呼ぶようになった。

その声を耳にした常連の青年が、笑顔で言った。
「妹さんと一緒なんですね。可愛いボディーガードだ!」

大学入学当初から通ってくる青年。卒業後は市外に就職したはずなのに、どういうわけか店に顔を出し続けていた。――不思議に思っていた矢先、彼から突然の告白。

正直、戸惑うばかりだった。化粧もせず、おかっぱ頭の私を同世代だと勘違いしているのか、ため口で話しかけてくる。そこで、私は母であること、夫を亡くしていること、そして子どもを育てることが最優先で恋愛どころではないことを告げた。

その時、店内に流れるBGMが、Wham!の「ラスト・クリスマス」に変わった。何かの暗示だろうか。

「あ…ははは…」

気まずい空気が流れる中、私は力なく笑った。
青年は私の顔をじっと見つめ、ぽつりと呟いた。

「どうせ嘘なら、もっと上手につけばいいのに…」

 

 翌朝から、彼は店に来なくなった。

あの日は肌寒いクリスマスだった。必ず買っていた水も、もう買いに来ない。季節が巡り、一年、二年…やがて彼の姿は町から消えた。

――それでも、私はいつしか彼の笑顔を思い出すようになっていた。客として、いや、少しは…。

 

 コンビニで働き続け、子どもを育て、気づけば五年が経過した。そんなある日の午後。
「これ、下さい」
背後から聞き覚えのある声。振り返ると、あの青年が! 大人になった彼が立っていた。

「お久しぶりです。良かった、まだここにいてくれて。この街を離れた後も、時々思い出しては、ずっと忘れられなくて…」

かつてため口だった彼の言葉は、丁寧語に変わっていた。
「梅子さんの人間味ある会話に救われていました。学生生活も、新入社員の一年も、あなたのおかげで乗り越えられたんです。」

十年という歳月――私も、彼も、ただ懸命に生きてきた。だけど、なぜ、私の名を?

「それは…店長さんが梅子さんって呼んでいるのを耳にしたから。古風な名前だなって、印象的で。」

古風――そう言われると、子供の頃から江戸時代の女だとからかわれた名前も、少し誇らしく思えた。

「ところで、あなたの名前は? 最初に出会ったときはまだ学生さんで、あれから十年も経ってから名乗らせるのも、なんだけど…」

少し遠慮がちに聞いてみる。

「南です。」

彼は赤面した。

「南ちゃん? これはまた、現代的で可愛い名前ねぇ」

「いえ、南は苗字です。」

慌てて打ち消す彼に、下の名を問うと、はにかみながら声をひそめて「光男」と教えてくれた。

「みつお…さん? これまた、古風だわね?」

お互いの顔を見合わせて笑った。

店内で商品を見ていたお客が数名、何事かと振り返り、私たちはまたもや笑ってしまった。優しい時間が流れていく。こういうのも悪くない。

 

 いつしか私たちは店の外で時々お茶をする仲になった。付き合うわけではない。ただ、互いの暮らしの中で、ささやかな支えとなる関係。

「シングルマザーとお茶友達っていうのも、悪くないかもね?」

そう言うと、彼は目を伏せて力なく笑った。

 

 彼と再会してから半年が過ぎ、あと数日でクリスマスイブという日。

「クリスマスは会えないけど…サンタ業務、代理でお願いしてもいいですか?」
そう言って、彼から手渡された袋には、子どもたちの笑顔を想像して選んだらしいプレゼントが入っていた。
「報酬は、来年のホットココアで」
私は笑いながら受け取った。――なんだか、悪くない。

 

 明日からクリスマス商戦。仕事が終われば子どもたちが待っている。
一緒に飾り付けをしなきゃ。ホームパーティーのプランを頭に描きながら、私は彼と別れ、店へ戻った。

クリスマスのイブも、クリスマスも会えないけれど――

両手に乗せられた2つの包みを手に、彼のあったかさを感じていた。

仕事を終え、外へ出ると、街中のクリスマスの灯りが、静かに彼の想いを照らしていた。

Merry Christmas!

この著書を知ったのは、大好きな作家、有川ひろさんがご自身の著書、【物語の種】の中で紹介していたから。ちょうど、コロナで社会生活が制限され、舞台もコンサートも見に行けない、そんな時期。

 

家電メーカーの中年所長が抱える秘密の趣味、すなわち宝塚歌劇団の熱狂的ファンだということが、ひょんなことから、社員の一人に秘密がバレるのですが、彼女も実は熱狂的なファン!所長と女性社員の二人は意気投合!更には女性社員に気がある年下男性社員も巻き込んで… そんな短編 『Mr. ブルー』など、全10篇を収録。

 

出来る限り、人が集まる場所へ行かず、自宅で過ごすことを余儀なくされたコロナ時代だからこそ、生まれた企画かも。物語の種を読者を中心に有川ひろさんが募集。

読者の投稿を「種」とし、物語を育てるなんて! こんな形で大好きな作家さんと繋がるなんて! 種を拾ってもらい、物語にしてもらったファンはたまりませんよね。

 

更には、そこから、実際、歌劇団の男役だった天真みちるさんは元宝塚歌劇団の「たそ」さんの本を手にすることになったのですから!

種から芽が出て、人から人へと広がっていくって楽しいです。

 

ここで質問。あなたには、秘密にしている趣味がありますか?

自分の場合、趣味はバイオリン、作詞作曲、エレクトーン演奏、読書、コロナ前は旅行も。お寺や神社巡り、歴史が好きなので。

ヴァイオリンについては、仕事が終わって職場からレッスンへ直行するため、「それ、ギター?」と複数の人に聞かれ…バ・レ・タ!

作詞作曲エレクトーンについては、秘密…誰にも話していない。

ただ、自分の場合、知り合いがブログを知っているので、黙っていても、バレてる…

現職場の人には、SNSは何も知らせていないので、知らないですが…。

 

 

旅の空に  🛫
ヴァイオリンの音色を重ね  🎻
読書の余白に  📚
作曲の旋律を芽吹かせる  🎵
――こうして咲く、私の種☘

 

隠された情熱も 🔥
日常の秘密も  🤐
物語の種となり  🍀
静かに花を咲かせるでしょう🌸
 

黙っていることは
隠すことではなく
守ること――
心の音色が💖
誰にも邪魔されず
咲いていくために🌹

 

有川さんのお勧めだから、絶対!面白いに決まってる!と図書館予約して、一気読みしました。天真みちるさんは元宝塚歌劇団の「たそ」として知られ、退団後にエッセイや著書を複数出版しているだけあって、愉快痛快、失敗談もギャグにしてしまうあたり、まるで、『とある街のとあるスーパー』を連載していた頃の自分みたい…。

 

舞台の光に  
笑いと涙が交差する  
その人の物語は  
隣に立つ者の影をも  
温かく照らす
 

十五年の時を越え  
舞台の記憶は  
今も胸に生きている  
――笑いながら歩む人の物語
 

 

 とても分厚い本で、図書館の秋のお勧めコーナーに置かれてあり、存在感がありました。

迷わず速攻で手にし、待ちきれずに帰宅途中のバスの中で読み始めたほど!目がハート

村上春樹さんと対談形式で綴られてあり、小澤征爾さんが若かりし頃に出会った斎藤先生や、カラヤン、バーンスタインとの思い出を語っています。

 村上春樹さんが洋楽に詳しいのは、これまでに読んだ小説からも知っていましたが、ここまでクラシックに詳しいとは!

しかも! 音楽の聴き方を知っている! 自分は何も知らない! 感覚的に聴いているだけ…ガーン お二人でクラシックレコードを聴きながら、「あの時の、あの演奏はどうだった、こうだった! ここは…」

 まるで、目の前で二人の話を聞くような気分で、自分も文字を追い続けました。

 

 出版社の紹介文はこちらです↓

 

「良き音楽」は愛と同じように、いくらたくさんあっても、多すぎるということはない――。グレン・グールド、バーンスタイン、カラヤンなど小澤征爾が巨匠たちと過ごした歳月、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーの音楽……。マエストロと小説家はともにレコードを聴き、深い共感の中で、対話を続けた。心の響きと創造の魂に触れる一年間にわたったロング・インタビュー。

 

 私は二日で読み、今は母が読み始めたところです。

元々、祖父、そして母がクラシック好きで、自分もかなり遅れて…40代になった頃、クラシック音楽に興味を持ち、コンサートへも出かけていくようになりまして…ニヤリ

 

 秋の夜長に クラシックを聴きながら…

お読みください~ 豊かな時間が流れます~♬

 hydraenidsさんの体験談(ブログより引用) リンク出来なかったため、興味がある方は、検索して下さい🎵 

彼は、40代で当時4歳だったお子さんと一緒にスズキメソードを開始。 お子さん二人は途中でやめてしまったが、ご本人はハマって11年継続。 -スズキメソード10巻を卒業し、現在はヴィターリのシャコンヌに挑戦中、という凄すぎる経歴の持ち主さんです。 以下、カッコ内はブログから引用します:

 

 「大人になってからヴァイオリンを習い始めた人だと分かると思うが、初心者の頃は「大きい音」を出すのが意外と難しい。下手に右手に力が入るとギギッと雑音が入るし、力を抜くと変にかすれた音になってしまう。一方、先生の弾き方を見ると、ほとんど力を使わずに、信じられないほど大きい音が朗々と出る。この違いを生み出すのは「脱力」にある。ヴァイオリンを弾くときは、全身の力を抜かないといけない。特に右手の脱力は重要で、弓を落としそうになる限界近くまで、指と手首の力を抜く。弓をごく軽く持ちつつ、腕を下げて、その重みをそのまま弦に乗せ、弦を「薄く削って掘る」ような感覚で弓を運ぶ。 自分の場合、これを体得できるまでに5, 6年は掛かった。ヴァイオリンの演奏は、左手よりも右手の使い方の方が圧倒的に難しく、奥が深い。左手で作る音程は慣れれば意外と取れるようになるが、右手の方は、変なクセが付いているときに自分で気付くのが難しい。」(ここまで、引用終わり🖋)

 

  その通り!なのです!ウクレレも演奏するので、右手(ストローグ)する手の脱力も大事なのは分かりますが、ヴァイオリンはそれ以上に…何倍も実際、難しい💦 先週のレッスンでも、「基本のボーイングが難しくて💦」と帰りに愚痴ってしまいました。ぎぎって雑音が入ったり、カスレ音になったり💦 美しい音色を出すには、弓がまっすぐ、真ん中を通ることが大事で… 斜め横から見ると、まっすぐに見えても実際はそうじゃない💦 まだまだ先は長い…💦

 

 自分の演奏…YouTubeで検索しても出てこない💦…と思ったら…

以下をクリックすると、自分の動画が表示されました。😅