今回の音の履歴は「新三人娘」の歌謡曲について
昔から「三人娘」と呼ばれる人たちがいた。
歌謡曲の世界では、「元祖三人娘」と呼ばれたのが、
美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみ。
「スパーク三人娘」と呼ばれていたのが、
伊東ゆかり、中尾ミエ、園まり、だった。
いずれも歌謡界で活躍された方ばかり。
70年代の初め頃に、「新三人娘」が登場した。
南 沙織、小柳ルミ子、天地真理、の三人。
いわゆるアイドルのはしりでもあった。
1971年のほぼ同一時期に一斉に出てきている。
私が、高校2年、友人の間では、
南沙織か天地真理かで熱い討論が火花をちらした。
小柳ルミ子は実力派ではあったが、
演歌調の歌が多かったために若干話題からは外れていた。
まずは、南 沙織。デビュー曲は
『17才』
1971年6月に発売された。
17才 / 南 沙織
南沙織は、当時まだ本土復帰直前の
沖縄から上京してデビュー。
歌っていた当時は、本当に17才。
大変新鮮な感じがした。
この『17才』は後に
森高千里もカバーしてヒットしている。
この南沙織から、いわゆるアイドルが
始まった、と言えるだろう。
上述の通り、天地真理と人気を二分しており
二人でアイドルの形を作っていった。
南沙織より少し早く登場したのが、
小柳ルミ子。デビュー曲は、
『わたしの城下町』
1971年の4月に発売。
わたしの城下町 / 小柳ルミ子
小柳ルミ子は、若干演歌っぽい歌が多かった。
そのために高校生だった私たちの話題に
のぼることは少なかった。
けれど、歌は抜群に上手かった。
なんといっても、宝塚音楽学校を
主席で卒業し、一時は宝塚歌劇団に
在籍していたこともある実力派。
ダンスやバレーもできたということで、
後にはミュージカル等にも
挑戦することになる。
この『わたしの城下町』の後の
『瀬戸の花嫁』も大変有名な歌だ。
そして、最後に登場してきたのが、
天地真理。デビュー曲は、
『水色の恋』
1971年の10月発売。
水色の恋 / 天地真理
天地真理も、国立音楽大学付属中学校、高等学校で
ピアノや声楽を学んだ正統派、実力派。
今聴いても、アイドルとは思えない
声楽的な歌い方をしている。
(アイドルの皆さんすいません)
『時間ですよ』というテレビドラマに
「隣のまりちゃん」として出演。
その時に、ギターを弾きながら
屋根の上で歌っていたのがこの曲。
この番組で、天地真理を知り
ファンになった人は多いと思う。
歌番組の中で、ピアノの演奏を披露したこともある。
とまあ、「新三人娘」を紹介してきたけど、
私はやっぱり天地真理派だった。
でも、この3人はことあるごとに
比較されていて、その分、
本人たちもライバル関係にあった。
互いに磨き合い輝いていた。
よき、ライバルの三人だった。