その後も、麦といる回数は変わらなかった。
毎日のようにメールもした。
ただ変わったのは…
私が麦に惚れたということだ。
不倫をしていたときは
『早く彼氏がほしい。』
『ちゃんとした恋愛がしたい』
『心の支えが欲しい』
っといつもぼやいていたが
いざ、本当に好きな人が出来ると、
『本当に好きになっていいのだろうか』
『好きになって迷惑はかけないだろうか』
『もし仮に恋人になれたとしても、相手に苦労ばかりかけるのではないか。』
そんなことばかり考えた。
私はすでに子持ちだ。
人と交際するためには、まず子供への影響を考える。
尚且つ、当時20歳の若者に
子持ちという苦労を味合わせて良いのだろうか。
いいわけない。
だったら…このまま何もいわず
突っぱねたままの自分を保てるままで良いんじゃないか。
特定の彼氏など作らず。
性欲を満たしたいだけなら、不倫相手でも良いし
好きではない、体だけの相手でも良いんじゃないか。
麦には何も言わないほうが良いだろう。
そのほうが、麦のためにもなる。
普通の恋愛をしてほしい。普通の幸せを手に入れてほしい。
年相応の恋をして、年相応の遊びをして。
苦労しない、楽しい暮らしをしていってほしい。
正直、そう思っていた。
私は好きな相手が出来るとその人一直線になってしまう。
でも、いざ告白して、玉砕するのが怖くて
つい、麦より不倫相手を選んでしまっていた。
離婚後、私には『理想の相手』というものが出来ていた。
背が高くて、ノリが良くて
2chネタについていけて、
一緒に騒いでくれて
決して人を卑下しない。
くだらないことに一緒に笑ってくれて
子供たちとも本気で遊んでくれて
子供も私も暖かく包み込んでくれる人。
その条件を…麦は全て持っていた。
落ち込んで甘えたいときは、黙って傍に居てくれた。
愚痴りたいときは、何も言わずに聞いてくれた。
子供たちともすごく遊んでくれて
元夫以上に面倒も見てくれて、
これで好きにならないほうがおかしいっと思った。
親友に『麦があんなに理想の相手になってると思わなかった…』っと
この頃愚痴をこぼしていた。
周りはみんな『告白して大丈夫だよ!』っと
中学の頃のように応援してくれたけど
でも、もう昔とは違う。
私が一歩を踏み出せない。
麦とは何もないほうがいい。
このまま友達として、一緒に居て
麦に彼女が出来て、結婚して、子供が出来て
『俺にも子供が出来たよー』っと
嬉しそうに報告してくれたほうが良い。
そのほうが、私だって幸せだ。
麦が幸せになってくれることが一番だ。
でも、そんな思いとは裏腹に、麦はいつも傍に来た。
逆にそれがつらくて、もう一度麦を拒否しようと考えたこともある。
そんなある日。
ついに、麦に思いを打ち明けることがあった。