女性の権利やら男女同権やら男女共同参画社会の実現やら、性同一性障害や性概念の問題やら、デリケートな話題が現実にわんさかある現代社会でありますが、まあ難しい話になるのでこの際大きなものは風呂敷にまとめてどこかへ置いておくとして、今回は性転換創作に絞ってつらつらと考えてみました。

 

男キャラを女に、女キャラを男に、という話をTSF(TranssexualFiction)と言うそうです。横文字が苦手なので私は性転換モノと呼んでいますが、かっこいいのでブログ上ではTSFと表記します。略称って意味もなくかっこいいよね。

 

それはさておき、このTSFもの、昔からけっこうありますが「らんま1/2」なんてその最たるものではないでしょうかね。私はあかね推しでした。女装ではありますが最近完結した「AKB49」のみのりもこれに入れていいでしょう。みのりが超可愛いので是非読んでほしい!

しかしこのTSFといってもそのジャンルは色々とあるようで、たとえば男→女の形をとっても

 

1:男性的メンタルを維持したまま

2:男性的メンタルから女性的メンタルに変化する

3:元々女性的メンタルだった

 

の大きく分けて3つかなと思っています。このTSFは日本では多くは「男→女」の構図を指しているため、今回はこの構図を中心に扱います。

TSFにキモは「肉体と精神のギャップ」を描くことにあります。現実の性同一障害問題はこの際考えないことにしておくとして、このギャップが読み手(肉体と精神のギャップがない者)にとっては面白さを与えます。

 

上記の分類から見ると1はらんまが当てはまります。彼はあかねを「異性」と認識しているので、身体的な変化はあっても内面はそこまで激変していません。

精神と肉体の形が乖離している状態で、かつその精神の形が強固であるためにギャップがいつまでも埋まらないタイプです。だから女の体になっても、男であったときと同じように行動しようとしますし、肉体的な制限さえなければ同じ結果を出そうとします。ホルモン等による脳の変化云々という科学的なツッコミを無視することがポイントでしょうか。女性の体は男性の体に比べると制限も多いので、「女の体である不自由さ」を中心に話が進んでいきます。

ちょっとエロい話をすると女湯や更衣室に混じりたいと願うキャラもここに当てはまります。この場合は精神がいつまでも男性でなので、女同士ゆえの無防備な姿を見て興奮します。女性を「異性」と認識し続けていることが条件です。
精神と肉体のギャップが一番強烈に出せるのがこのタイプだと思います。

 

2は先ほど挙げたみのりが当てはまります。もともと男のメンタルでしたが、女性らしさを磨くことで女性的なメンタルへと擬似的に移行しました。創作でもこのタイプが最も多いような気がします。これは生理的な現象に対して精神が追従するという原則で話が進んでいきます。肉体が精神を作るという発想はかなり現実的で、最もリアリティを出しやすいタイプです。肉体変化に対してメンタルも変化させて同一化させていくので、話が展開するにつれてギャップが減少していきます。女の裸を間近で見ても性的な興奮をしなくなる、などがわかりやすい変化でしょうか。肉体と精神のギャップが埋まっていくことにより、男友達は同性→異性へと変化して恋愛へと発展することも可能になります。元々同性である関係を異性間恋愛に持ち込みたい場合にこの手法がとられるように思います。

 

3は元々が男の娘であった場合に多いでしょうか。よくあるタイプとしては「女の自分よりもずっと女らしく、小さな頃から女装に抵抗感をもっていない男幼馴染」です。こういったキャラは最初から男女の性別差を大きく捉えていないことが多く、性的な概念がフラットに近いです。元は男性の肉体であったために、多少の差異は当然持っていますが、元々がどちらにでもなれる精神であったために、女性の肉体になっても特にギャップを感じません。生理的反応に関してもすぐに順応し、同化するため元々女性であったかのような振る舞いをします。

この場合本人はあくまで作用する側であり、周囲が「性をどう捉えるか」という葛藤を描くことになります。たとえばヘテロ嗜好の男主人公が、名実共に女になったキャラを前にすることで、「元は同性であった」という同性愛問題として直面する。などです。

 

 

さて、深く考えるとデンジャーがいっぱいになるTSF、エロ方面で考えるとさらに危険です。

たとえば女性に対する支配的思考と受け取られる可能性。性行為以外での女性ゆえの不便や問題点に興奮したとしましょう。男性としてこれを受け止めている場合、優越感を刺激されていることが多いです。逆に女性としてこれを受け止めている場合、共感して苦痛に快楽を見出している状態です。どちらの性の側になって読むかは読み手の肉体的な性別には関係ないので、男女どちらが読み手であっても関係ないでしょう。そもそもこういった性的嗜好は理解されにくいと思うので、万が一身内などにバレた場合は上手な誤魔化し方を一つ二つ用意しておきましょう。共用端末にエロは絶対に入れてはいけない。身を削ってでも専用の端末を用意しましょう。セキュリティは面倒でも二重はかけろ、いいな!約束だぞ!

 

ざっくりとしたタイプ分けなので取りこぼしもあるでしょうが、どのタイプにせよ深く考えていくと「異性恋愛を前提とした価値観」が根底にあることがわかります。恋愛に性別は関係ないという価値観では、あえて性転換をさせる意味が見当たりません。ただ互いが好きであればいいんじゃないか、と話が終わってしまうわけです。これでは話にならない、と感じるのはそこに「異性恋愛が大多数である」と考えているからです。このあたりを突っ込み始めると、めんどっくっさい話にもなりかねませんので、「異性恋愛がメジャーじゃないと種が滅ぶから」ってことで無理矢理終わらせておきましょう。