ひろむside

 

ラポネ星

 

「なんですって、どういう事なの? ヒロム王子」

 

「ユ・ダイ女王、私はラポネ星の王子として成長したいのです」

 

「それは分かっています。だけど、地球に行きたいだなんて・・・

そんな遠いところに一人でいくなんて心配でたまらないのです。

フェーンファン国王も言ってくださいな」

 

「ヒロム王子の意志は固いようだね・・・」

 

「はい。ラポネ星を宇宙一の星にするためにも地球に存在する

自然や生活を体験したいのです」

 

「・・・、分かった。ヒロム王子を信じよう」

 

「ありがとうございます」

 

何億光年も遥か遠くにある地球をラポネ星から

眺めるのが好きだ。美しく蒼い地球は幼いころからの憧れの星だった。

ラポネ星は平和で争いもない、人々は穏やかで優しい星だけど

地球上の人々のエネルギーの熱さが羨ましく思えた

自分も自由でありのままで生きてみたい・・

 

「ところでヒロムさん、地球のどこに行くの?

あのね・・もしも、アイドルに会えることがあったら・・

サインとかもらえるかしら?」

 

「お母さま・・いや、女王、、

アイドルには会わないと思いますが・・・」

 

「え~、つまらないわねぇ、ヒロムさんは真面目ですものね。

ジーンもそう思うでしょ」

 

弟のジーン王子は女王譲りの美形でラポネ星のアイドル的存在だ

 

「お兄様、お母さまのこと、、いえ

ラポネ星のことは心配なさらず安心して行ってきてください

・・ちなみに僕は地球でアイドルになりたいからさ、

もしも、芸能事務所に行くことがあれば・・・」

 

「ジーン、ヒロム王子は遊びに行くわけではない。

ラポネ星の発展と未来に向けて旅立つのだ」

 

国王の言葉にため息をつくジーンと女王だったが

フェーン・ファン国王の机のパソコンに

「地球のお勧めカフェめぐり」の

画面を見つけてしまって、いつもの親子喧嘩が始まった。

しばらく、こんな風景が見られないのは淋しいけど、

 

 

それでも、、

自分が地球で会いたいのは

芸能人でもなく、普通の高校生男子

 

誰にも言われた訳でもないのに部員のために

誰よりも早く学校に来て掃除をしたり、自分の練習時間を

減らしても部員の練習メニューを作ったり、勉強を教えたり、、

それでも・・大会メンバーに選ばれなくて落ちこんでしまう・・・

自分が得するわけでもないのに、

なぜ、周りのために行動できるんだろう・・

なぜ皆に優しくできるんだろう・・・

 

だから、君に会いに行ったんだ。