理人side
「あー、顔中がトマトソースだらけだ…」
呆れて、鏡を見せたら
アハハっ♡、大笑いしてベッドの上を転がるから
顔も服もベタベタだ…
「お風呂入る?」
「うん!ちょっと、待って」
ふわふわの服の中から
小さなバッグを取り出して
おもちゃのスマホみたいなものを
器用に操作しだした。
「コレにしよっかな」
ブルーのパジャマとスウェットをベッドの上に
並べて悩みだした
どっちが可愛いかなぁ〜なんて、いやいや。
どっちも可愛いです♡
まぁ、湯船で溺れたらヤバいから
洗面器にお湯を入れて、そうだ
泡風呂にしようかな…
あとは小さめのタオルハンカチをバスタオルの
代わりに用意しておこう
「お風呂、お風呂、理人とお風呂♪」
パジャマを持ってスキップしてるけど、
何だか笑ってしまう…どんだけ、嬉しいんだよ
ルルル
スマホが鳴りだした
誰から?部活の後藤?
駅でめちゃくちゃ落ち込んだ顔してた筈だから
心配させたのかもしれない
「先に入ってるね…」
気を遣ったのか、ひろむちゃんは部屋から出てしまった
スマホをみたら、やっぱりダンス部の後藤。
もちろん、大会のメンバーには入れなかったし、
サポートすることには、返事なんて出来ないけど
…
「もしもし、、」
「理人?元気かなぁと思って」
後藤はホントに優しいヤツなんだよな。
「大丈夫だよ、うん、学校?
行くに決まってるし、部活?
まだ、わからないかなぁ、、うん、
じゃあ、また明日。ありがとう、」
窓の外を見ると、いつも通りに街の光が
溢れてた、、
「あっ、ひろむちゃん!」
急いで、階段を降りると
洗面台にあお向けで口を開けたままの姿で
寝てる…
口のまわりはトマトソースがカピカピに固まった
ままだ
疲れたはずだし、こんなに小さいのに
えらいな、.
ミニタオルをお湯で濡らして
ゆっくりと顔を拭いた…
ぐー…
熟睡する姿を見てたら
なんか、温かい気持ちなった♡
明日は学校に一瞬に行こうかな…