田島side
本社ビルのエレベーターに乗って最上階に向かった
3ヶ月後には世界デビュー…
1ヶ月前には日本の音楽番組の出演や朝の情報番組の生パフォーマンスが決まっている
TV局や音楽業界からのオファーが想像以上の数で
日本のガールズグループの期待が高まっていた
「田島くん、忙しい所に申し訳ない」
営業本部長の川西が手を挙げた
部長は新しい時代の芸能事務所として大きな変革を推進する1人でユリ達の良き理解者だ
「これ、見て」
川西部長はパソコンを指した
期待の日本人ガールズグループ
ミステリアスのリーダー、ユリの脱退危機に
純愛貫くユリの交際を事務所は認めるのか?
カギを握るイケメン彼氏を直撃⁉︎
「週刊誌ですか…」
芸能事務所や芸能関係者は週刊誌のスクープネタにいつも頭を悩まされている、本来の仕事を見てから掲載してくれ、と言いたい
みな、死ぬ気で本気で仕事を貫く努力をしているんだ…
「それぐらいはさ、いいよ。
ユリの実力で皆んなを黙らせられる…
だけど、髙塚くんだったよね、
彼は週刊誌から追われてない?」
「彼はユリとは付き合えないって言ってます」
「ファンってのはさ、矛盾してるよね。
彼氏がいたら許せないし、別れてもファンは
ユリが悲しむと思ったら牙を向けることもある」
「…、髙塚くんに連絡してみます」
「ユリは?」
「実はユリにまだ、伝えてなくて…」
「いや、ミステリアスのツイッター見て」
今まで大切にしてくれて、ありがと。大好きだよ。
「ユリだ…、マスコミが動き出すかもしれない」
スマホが鳴った…
「あぁ、ユリ。ごめん…今から戻るから」
「ごめんなさい…、私…
好きなんです、、やっぱり…」
「大丈夫だから、、」
このままではユリも髙塚くんもお互いを大切に思いすぎて、違う方向に進むかもしれない…
どうすれば…
「田島くん、西先輩から電話!」
川西が叫んだ。