【師のブログより】


説四衆過戒(せつししゅかい)。

戒律の中に、十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)という十個の戒律の教えの中の一つの説四衆過戒(せつししゅかい)という戒めがあります。



この戒めの意味は人の失敗(過ち)を他人に伝えたり教えていくことで地獄に堕ちるとされています。

これらの戒律を破ったりする行いは、結果的に自分自身が苦しむ行いに繋がっていくことが説かれています。

地獄にいくといわれていますが、懺悔の念に押し潰され自身の心の状態が苦しむからこそ地獄に行くという風に考えられたらいいように思うのです。

また、地獄に堕ちたからといっても、一生懸命に善行を積んでいけば、良き行いが自身に返ってきて誰もが地獄から救われるものだと思うのです。

人は生きていたら、様々な失敗を繰り返して成長をしていくものだと思います。

大事な場面で失敗をしたり、誰かに支えてもらわないと生きてこれなかったりすることは山ほどあることだとは思います。

誰もが生きていく中で失敗はあるように思うのです。

生きていたら、妬みから足を引っ張られたり、惨めな思いをさせられたり、時に裏切られ悲しみを背負わされたり、色々あることだと思います。

しかしながら、自分は心底思うのです。

本当に器の大きい人とは一体何なのかをよく考えさせられます。

本当の思いやりとは、決して口先だけではないように思うのです。

物事に失敗をしたり裏切ってしまった張本人が一番心の中で反省の念を抱き続け苦しみを受けているのです。

そして、裏切られた側も人を責めても怨(うら)んでも妬(ねた)んでも僻(ひがん)でも意味がないことに気づいていくんです。

人の失敗を批判をする人になるのではなく、人の失敗を許してあげられる人になれたのなら、その人の心は豊かであり、大きな人になれるのだと思うのです。

失敗を繰り返してまた人は強くなっていき、また人の失敗を許してあげるからこそ、心がたくましくなっていくように思うのです。

合掌