世の中、凄い人はいるもんで、辻真先氏という、御年八十八歳、米寿のミステリ作家の新作が、ミステリーランキング三冠達成をしたらしい。しかも、名古屋出身である。まことに僭越ながら同郷である。戦後の愛知での体験を基に書いた作品だそうだが、若い頃からその道のキャリアのある方で、遊び呆けているぼくなどとは全く違っていて、最近足に来ているぼくは、ミステリ三冠どころか、まず米寿達成が難しいだろう。
それにしても、出版界の未来はどうなるんでしょうね。村上春樹氏の作品が電子出版されるという。ロハではあるが、ぼくもこういうところにモノを書いている以上、読み手としても紙媒体自体には固執するつもりはない。ただ、気になるのは、書店、本屋さんという形態・業態だ。あの情報の広がりみたいなものを、電子書店は再現できるだろうか。住宅でいうと、バーチャル・モデルルームが主流になったという話をあまり聞かないのである。半ば諦めるしかない話かも知れないが、インテリに住む場所がなくなるかも知れない、と思う。