人間の成長というのは、不思議で、特に幼児期、赤ちゃん帰りという現象があるようです。

ハイハイからようやく立って歩くようになっていたのが、下に弟や妹ができると、元の状態に戻ってしまい、またハイハイし始める、とはよく聞くところです。

個体発生は系統発生を繰り返す、とも言います。

赤ちゃん帰りを許せるのは、それが子供だから、しかも我が子だからでしょう。親の愛情が将来性の見立て、つまり道徳的に行いが矯正され得るという見立てとともに、それを許しています。

これはフロイトの言う退行現象の一つでしょう。そして系統発生たる人類の歩みにも、この赤ちゃん帰り、退行という現象が度々起こるようなのです。

人類はナチズム・全体主義(アドルフ・ヒトラー、イタリアのムッソリーニ、大日本帝国の現人神)に反省した筈だった。

ところが、いまアメリカの共和党の大統領候補で不動産王のミスター・トランプが、移民政策について、メキシコとの間に壁を建設し、その建設代金はメキシコに支払わせると言って物議を醸しています。

さらに、これについてローマ法王が、壁ばかりつくることを考えている人は、キリスト教徒じゃない、と言ったそうです。


ナチズム、ファシズムを愛情をもって見守る。

これができるとしたら、人類の将来性の見立てがその人にはあるのでしょう。

地球規模、惑星規模の愛情。畏怖。

ルネサンスから始まった人間中心の世界も終わろうとしています。


一つの獣の時代が始まった。

ミスター・トランプのワイルドさは表層です。

でも、象徴的でもあるなあと思うのです。

愛について、考えよ。

自戒を籠めて。