あなたは吹奏楽の合奏練習で前に立って指揮や指導をすることがあるとしたら、どんな立場ですか?

 

バンドの団員(部員)で普段演奏しているが、たまに指揮指導をする係?

バンド(クラブ)の常任指揮者?

外部指導者?

スクールバンドの顧問の先生?

 

いろんな立場があるかもしれませんが、私は外部指導者として呼んでいただくこともありますし、一般バンドの常任指揮者だったときもあります。

前に立つ機会がある中で、失敗もたくさんしてきましたし、良かったこともあります。

その中で良かったことをギュッとまとめると2つの要素が見えてきましたので参考までにご紹介します。

良くなったことを体感・共有する

指揮指導する立場の方はアマチュアであっても各奏者よりも演奏面で秀でた点があるので、指揮指導をお願いされることもあると思います。

でも特にスクールバンドで多いのですが、実際に指揮指導をしてみるとそれほど成果が上がらず、文句を言われたり裏で陰口をたたかれることもあるでしょう。

また、前に立つ立場としても自分の専門の楽器を指導することは出来ても、それ以外の楽器にはどうアドバイスをしていいのかわからいということもあります。

だからよけい成果が上がらない。

もちろん私もそういうときはありました。

それは「勉強しろ」と言われればそれまでなんですが、時間がかかることです。

また、勉強をしてみんなの前で良い事を言ったり、良い指摘をしても成果につながらないこともあります。

 

それは、あまり演奏能力が高くない奏者の多いバンドに多いことですが、この練習で何が良くなったのか奏者側がわからないこともあるからだと思います。

 

「縦の線が揃っていない」

「音程が悪い」

「音が暗い」

こういったある意味【あいまいな指摘】が多い指導も成果が上がりにくいように。

 

例えば「音程が悪い」という指摘はバンドの中でどれ位の人が悪いのでしょうか?

ほとんど全員が初心者のようなバンドであれば、全員が音程が良くない場合もあるかもしれませんが、それなりに活動しているバンドであればある程度の割合で音程の良い人がいるはずです。

その音程の良い人も十把一絡げにして「音程が悪い」という指摘は、納得のいかない奏者もいる可能性があります。

 

そういう時はきっちりセクション、パート、個人など細分化して”その場で”チェックしてあげましょう。

「あとで各自で音程確認しておいてください」ってのも良くあるパターンですが、私は時間の許す限り前に立つ人が合奏中でもチェックしてあげたほうが成果が出やすいと思います。

もちろん音程の悪い人を吊し上げ、晒し者にならないように配慮する必要はありますが、きっちり原因を特定して改善したほうが効率が良いように思います。

 

その上で、「今音程が良くなりましたね」「今の吹き方は縦の線が揃いましたね」と事実を伝えて、良い状態を奏者と共有することが必要でしょう。

ちなみに前で聞いているときと、合奏の中で奏者の位置によって聞こえ方が違うので、前に立っている人が「合っている」と思っても奏者側が「合っていない」と思うことがありますので、そこは粘り強くすり合わせて感覚を共有できるようにしたほうが良いと思います。

少しでも本番用に使える仕上がりに

上記の文章で”その場で”とわざわざ強調したのにお気づきでしょうか?
私が指揮・指導をする場合にはできるだけその現場で解決することを心がけています。
もちろん後に分奏などで取り出して練習するので今はスルーってこともしますが、「あとで音程確認しておいてください」「あとで個人でさらっといてください」というようなことは、奏者への押しつけになる場合もありますし、バンドによってはいろんな理由・事情で”あとで”が出来ない場合もあります。
 
成果の上がらないバンドでは、
 
合奏
「あとでやっといて」
やらない
改善されない
「なんでやってないねん!」
 
のループになってませんか??

また、今は曲に慣れる期間だから細かい事は指摘しないという事も多くないですか?

私も過去にそんな事を言われたことがありますが、そういうバンドに限って本番直前にならないとエンジンがかからず、本番前に「あと1週間あればもっと仕上がったのに…」なんて消化不良を起こす練習の仕方になってるように思います。
曲に慣れるのは全員いなくても、音源を聞くなどでも曲の慣れは少しは解消できると思います。
なので、私は楽譜を配ってすぐのほぼ初見合奏以外は1音でも仕上がる練習をした方が良いとおもっています。