アウトソーシング、そしてコンサルタント業としての夜明け | 行政書士道 40年

アウトソーシング、そしてコンサルタント業としての夜明け



アウトソーシング、そしてコンサルタント業としての夜明け

 (その①)

 

 

「“まちの法律家”として弁護士と並ぶ一般法律専門職。「行政書士」とは何なのか。たしかに、司法書士・税理士・弁理士・公認会計士また社会保険労務士のように業務分野が特定されている専門士業とはちがって、分野不特定な一般法律専門職である「行政書士」のことは、一般の人にとって分かりにくさがあろう。一般法律専門職である点で弁護士に近いわけだが、弁護士のほうは訴訟代理人のイメージがきわめて分かりやすい。

もっとも行政書士も、古くから“代書人”だと知られてきた。この伝統的なイメージも、今日改めて“法的書類・データづくりの専門資格者”として重要なことは次項に述べるとおりである。

しかし、「司法改革」の時代に、行政書士が「法曹」と並ぶ「隣接法律専門職種」の一つに位置づけられたこと(2001・平成136月司法制度改革審議会最終意見書)をふまえ、今や行政書士は各地域で、代書業を超え出て、日常の法規相談や法的代理といった“法務サービス”に任ずる“まちの”法律家”であると評価されつつある。

すでに、実力ある行政書士の業務実態はそのようになっているのだが、広い世の中に対しては“まちの法律家”行政書士というPRが大いに必要で、これから登録・開業する行政書士の人びとには、法的専門性の向上とともに営業的努力が求められる。(インターネット・メールのやりとりを含めて)

本来的な「法律事件」代理人である弁護士とは、一般法律専門職の中での役割分担と相互協力とが今後の課題であろう。司法改革において、一定範囲での出廷陳述権が法改正によって行政書士業務に加えられる見通しも生じている(司法改革審最終意見書、参照)。

さらに「今日のITの時代に“電子申請”がシステム化されるほどに、行政書士の“申請代理”資格が重きをなすとともに、申請「書類」とみなされる「電磁的記録」の作成が原則的に行政書士の独占業務に属するように法改正されたことがきわめて重要である(2002.平成1412月公布、翌年2月施行。後述)。」

つづいて、「2002(平成14)年7月施行の行政書士法改正によって「契約」書類を「代理人として作成する」ことが規定され、今日“契約代理”という行政書士業務が重要視されている。」と付け加えられる。(兼子仁()3版行政書士法コンメンタールより抜粋)。

IT行政書士”、“民事書類専門資格者”が生まれ育ちつつあるといわれる。



以上は都立大学(現:首都大学)名誉教授で行政法を専攻され、行政書士試験委員長を勤められた行政書士に関する理論的支柱といわれている兼子仁氏の見解の一部である。

そのご見解の一部である「・・・代書業を超え出て、・・・法務サービスに任ずる・・・」をとり出し、軸として、行政書士専業者の道を歩む実務家としてブレイクダウンしたビジネスモデルの問題を考えてみたい。