健康教育課の「安全だ」を・・信じてはいけません。

投稿者:
M機関 ・石井孝子
投稿日:2011年 8月25日(木)21時31分49秒


● 原発放射能の基礎知識

<放射性物質と放射線のちがい>

“放射性物質”と“放射線”の区別は、ひじょうに大切。放射性物質は放射線の発生源。
生物に害を与えるのは放射線。“放射能”とは放射性物質が放射線を発生する能力のこと。
原発の大事故が起こると、大量の放射性物質が微粒子になって大気中に流れ出す。
これがいわゆる「放射能雲」である。
「放射能雲」は、放射性物質の一部を降下させながら風下へ流れていく。

通過中の「放射能雲」中の放射性物質、地面や建物に降下した放射性物質、
服や皮膚に付着した放射性物質から放射線が放出される。

もし放射性物質の微粒子を吸いこんだり、汚染された水や食物をとおして体内に取りこまれ
ると、それらの放射性物質は、体内から放射線を浴びせつづける。これを“内部被ばく”
という。

<セシウム137>

セシウムも678℃で気体になるため、原発事故で放出されやすい。
セシウム137は、半減期が30年と長い。またセシウムは土壌粒子と結合しやすいため長い間
地表から流されない。このため、短寿命の放射性核種やヨウ素131が消滅したあとにも残る。

地面から放射線を放ち続け、農作物にも取り込まれて、長期汚染の原因になる。

<総被ばく線量>

放射線を浴びつづければ、遺伝子の傷は増えていく。
つまり放射線障害は、総被ばく線量に比例する(厳密には、同じ線量でも短時間に受けた方 が被害が大きい)。

総被ばく線量を求めるには、同じ量の放射線を外から浴びつづける場合は、時間あたり線量 と被ばく時間を掛け算する
地面が放射能汚染されている場所では、そこから離れるまでは、
あなたの総被ばく線量は増えつづける。

体内に放射性物質を取りこんだ場合は、どこへ行こうと内部被ばくを受けつづける。
その量は体が放射性物質を排出する割合と放射性物質の減衰(半減期)に応じて減っていく。
そこで、いま体内に取りこんだ放射性物質が、この先浴びせつづける放射線量も含めて、
被ばく線量を見積もる。

<原発震災>

原発震災で「放射能雲」が飛来する時には、自然放射線レベルの数百倍~数万倍という
線量を一時的に受けることになる。

チェルノブイリ原発事故の時、事故原発から64km離れたブラーギンで自然放射線レベル
の4000倍、180km離れたチェチェルスクで900倍の、1時間あたり照射線量の最大値が観
測された。内部被ばくを除いても、ブラーギンに半日いただけで年間許容量を超えてしまう。

どの程度の放射線被ばくを受け入れるかということは、短期の被爆と長期間の被爆とでこ
となる。また年齢・性別によってもことなる。放射線被ばくの影響の大きい順に並べると、
胎児(つまり妊婦)→幼児→成長期の子供→これから妊娠の可能性がある女性→これか
ら妊娠させる可能性がある男性→熟年以上の成人ということになるかもしれない。
たとえばあまり高濃度でない汚染地域では、高齢者の場合30年後のガン発生のリスクが
高くなったとしても住み慣れた土地を離れるストレスが大きいため、被ばくを受け入れて住
み続けるという選択もありえる。 しかし若い人たち、とくに子供は短期の訪問以外はとどまることはできない。