『群衆』(原題は、Meet John Doe)は1941年5月に公開された米国映画。1941年と言えば、12月には真珠湾で太平洋戦争が始まり、日を重ねず米国はドイツとイタリアに宣戦布告を行った。
この映画、政治の混迷で貧しい人が多かった米国に、救世主として現れたジョン・ドゥー(演:ゲーリー・クーパー)という男とこの男を人為的に作り出した新聞社のコラムニストの女性(バーバラ・スタンウィック)を中心にした喜劇とされるが、深く考えると悲劇ではないかとも感じる。
簡単なあらすじ:
ある地方新聞が経営困難になり、リストラを始める。コラムニストもクビを言い渡されたが、出社最後の日に、ジョン・ドゥーという失業者が、不正がはびこる社会に抗議してまもなくのクリスマス・イブに市役所の上から飛び降りるという投書を創作して記事を書く。
そうすると、翌日から大混乱が始まり、「私が本物のジョン・ドゥーだ」と言い出した人間が多数現れ、その中から元プロ野球の選手が選ばれ、ジョン・ドゥーになりすます。さらにジョン・ドゥー会が続々と結成され始めた。
さらに女性コラムニストの書いた原稿をラジオのマイクに向かって語りはじめ、「隣人を愛する」という運動は全国に広がっていく。
そして、彼の周りにいる政治家たちは、人気に便乗して大統領選挙に出馬しようとするのだが、ついに単なるスピーチロボットの男が自分の意思で行動を始めてしまうわけだ。
醜い政治屋と大衆の味方に白黒をつけるような映画で、最終的には大衆サイドが勝つような感じで終わるのだが、実は、ナチスドイツは群衆的熱狂の中でうまれたわけだし、・・














