オルラーヌの噂

オルラーヌの噂

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それはおそろしいしらがの爺で、あなたのようなやさしいきれいな鳥は手もなく取って殺します。早く暖かい国に帰ってください、それでないと私はなお悲しい思いをしますから。私は今年はこのままで黄色く枯れてしまいますけれども、来年あなたの来る時分にはまたわかくなってきれいになってあなたとお友だちになりましょう。あなたが今年死ぬと来年は私一人っきりでさびしゅうございますから」
 ともっともな事を親切に言ってくれたので、燕もとうとう納得して残りおしさはやまやまですけれども見かえり見かえり南を向いて心細いひとり旅をする事になりました。
 秋の空は高く晴れて西からふく風がひやひやと膚身にこたえます。今日はある百姓の軒下、明日は木陰にくち果てた水車の上というようにどこという事もなく宿を定めて南へ南へとかけりましたけれども、容易に暖かい所には出ず、気候は一日一日と寒くなって、大すきな葦の言った事がいまさらに身にしみました。葦と別れてから幾日めでしたろう。ある寒い夕方野こえ山こえようやく一つの古い町にたどり着いて、さてどこを一夜のやどりとしたものかと考えましたが思わしい所もありませんので、日はくれるししかたがないから夕日を受けて金色に光った高い王子の立像の肩先に羽を休める事にしました。
 王子の像は石だたみのしかれた往来の四つかどに立っています。さわやかにもたげた頭からは黄金の髪が肩まで垂れて左の手を帯刀のつかに置いて屹としたすがたで町を見下しています。


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