蜘蛛博士
デイビッドはリンパ浮腫の治療のために外来診療に来られていた患者さんです。
70代半ば。来るときはいつも一時間前には受付に座っており、大きなワゴンとビニール袋を横に置いていました。中にはハンマーとか本とか色々。あまり背は大きくないデイビッドでしたがなぜか足が長い。。。と思ったらすごい厚底の靴を履いていました。両足のリンパ浮腫の治療のためリンパドレナージュのマッサージの際は靴、靴下、ズボンを脱いでいただきベットに横になってマッサージを受けていただきます。 デイビッドの靴をベッドの横に動かそうとした時
”OMG”。。。。
すごーく重い
ボーリングの球を持ち上げたのかと思うくらい重くてデイビッドに尋ねました。
”なんでこんなに重い靴をはいてるのー?”
デイビッドは ”へへへ”とかすかに笑いながら”僕が自分で作ったのさ”と言っていました。
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”すごいですね、でも歩くの大変じゃないですか?”と聞くと、”すごく重くて大変だよ、でもこの厚底のおかげでどんなに歩いても靴底は減らないし、バランスがとりやすいんだ。”とおっしゃいました。
よく見ると、硬くて重い何かの素材を靴に釘で打ち付けているようでした。
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”すごいですねー”といろいろ話を聞くうちに(リンパドレナージュのマッサージは45分続くので会話が弾む
)
デイビッドは実は、今まで一度も携帯を持ったことがなく、車の運転もせず、インターネットも図書館でしか使わない。路線バスのスケジュールは暗記済み。家ではキッチンもなく、小さい冷蔵庫と電子レンジだけがあるそう。
”すごくミニマリストなんですね。”
というと、自分の服も、靴も、すべて作れるものは何でも自分で作るそう。
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”すごいですねー” というと、もう一つ特別の趣味があるとおっしゃいます。![]()
なんと、”蜘蛛観察”![]()
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過去30年間の蜘蛛の観察をビデオカメラに収め、日記をつけるのだそうです。蜘蛛がっとても可愛くてペットのようにして一緒に過ごすのだそうです。![]()
そんなデイビッドは治療にとても真剣で、何から何まですべての指示に従っていただき本当に早く症状も改善されました。弾圧ストッキングの注文をするのに電話がないので私の携帯で電話注文。でもクレジットカードがなくて支払いができないため、スーパーでギフトカードを買ってそれで支払いをするという、いろいろな難関も突破しました。
最後の治療の日に蜘蛛の一生を描いたDVDをいただきました
。。。が、まだ怖くて見れない![]()
デイビット元気にしてるかなー。。。