手紙
4年後の2014年ごろ一通の手紙が私のもとに届きました。送り主はビーニーと書かれておりました。中には2枚の手紙が入っており、ポール先生の奥さんからでした。内容はポール先生が亡くなられたこと、亡くなる前によくリハビリ中の出来事をよくお話になっていたということ、私のことをよく覚えていらっしゃって何度もエビ料理の日のことを思い返していたこと、車いす生活になってからも家の動物たちや植物の世話をしながらリハビリに励んでいたことなど病院を退院されてからの様子が書かれていました。
リハビリの仕事というのは人との関わりなのだといつも思います。その方の人生、人生にまつわる色々こと、これほど患者という他人でありながらこんなにも深く関われ、交わることができる。数週間ではあるものの人生がひっくり返るような病から回復しようとしている方々が人間としての素のままの姿で自立を目指し頑張る姿を間近かで感じ、お手伝いをする。私の勝手な思い込みかもしれません。ですが実は主治医の先生よりも担当の看護婦さんよりも、実は患者さんのことを一番よく理解でき支持者になれるのがリハビリ担当の私たちなのではと思うことが多々あります。リハビリの中で、作業のなかで患者様一人一人の生を知る、生き方、人生の意義など、私が患者さんに教わったことは人生で何よりも尊く、一生の宝物です。人の人生を一瞬にして変えてしまう病気、そしてそこから這い上がろうとする人の姿、家族との関り、葛藤。肩書、職種、肌の色など全く関係なく、人を一人の人として自立を応援できる仕事、それがリハビリの仕事だと思っています。
ポール先生との思い出は私の心に強く残っています。作業療法士として踏み始めた道の一番最初の分岐点でした。脳梗塞の方のリハビリ。もっともっと専門知識を学び効果的な治療法を習得したい。それがFunctional Recovery でのNDT療法(ボバースアプローチ)を学ぶきっかけとなりました。