多くのテック企業がAI向けデータセンターへの莫大な投資を発表しているが、それらが本当にデータセンターの建設に使われるのか疑問がある。

AIがまだ実用段階に至っておらず、利益に結びつくのは当分先だという判断がされると、後になってから莫大な投資を撤回する動きが出る可能性がある。

それらの投資話は「800億ドルを確保している」とか「最大650億ドルを投じる計画だ」とか「3億ドルを融資する」とか「今後の4年間で合計5000億ドルの追加投資を予定している」といった表現になっており、実際に投じたわけではないらしい。

しかし、オラクルの会長の話では「第1号はテキサスで建設中だ」「現在のところ10棟のビルを建設中だが、今後は建設地を最初のアビリーン以外にも広げ、20棟に増やす」と語っており、スターゲート計画に関しては本当に建設を開始しているようだ。

そのデータセンター20棟が全て完成し、AGIの実現に向けて利用され、実際にAGIが社会に変革をもたらすのかについては不明。

現時点ではAI向けデータセンターは消費電力の問題を抱えており、「データセンター用地の選定では電力供給能力が最重要視されています」と言われている。(googleAIによる概要より)

生成AIを利用するにはデータセンターが必要なのだから、今、生成AIが使われているということは当然データセンターもどこかで稼働していることになる。

しかし、AIはまだテスト段階のように思えるため、本当にメディアに出ているような金額のAI向けデータセンターへの投資が実際に行われるのかについては分からない。

一部ではまだクリアしなければならない問題が残っているため、建設を待っている状態にあるというコメントも見たが、現在稼働中のデータセンターはテスト用に使われているだけで、これから同じようなデータセンターの建設ラッシュが本当に始まるのかどうか確認するべきではないかと思う。

消費電力の問題を解決するためにASICと呼ばれる処理装置が今後登場するのではないかという記事もあるが、それがどの時点でデータセンターで使われるのかについては分からない。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nc/18/122500464/122500005/

(個人的にはアメリカの出資者達は途中でハシゴ外しをするように思え、ソフトバンクだけが取り残されるような未来が待っているのではないかといった感覚がある。)

 

【参考】2025年1月25日の動画

日本もデーターセンターを建てようとしても電力が不足してて数年待ち状態

AIを推進する・・って、電力不足に拍車をかけるのでは・・ Nvidia のAIチップは1個 500W(2022)1000W(2024年)にもなっている。 これをデータセンターでは数万個から十万個使うのだから・・ 日本のスパコン「京」のCPUA64FXの電力消費は1200W8万個で3万戸世帯の電力とか。」

「今の技術のAIでは電力消費と温暖化を促進してしまいますね。自分はエンジニアですけど明らかにこれまでの技術革新と比べると逆行しててかなり深刻な問題です。そもそも今主流のAIは数学者が研究レベルで作ったもので、効率化や量産性などのエンジニア観点で設計されていないのが原因。

https://www.youtube.com/watch?v=FcQGy2jlI8s

 

【参考】2025125日の記事

マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、イーロン・マスクが疑問を呈した人工知能(AI)のインフラ計画の「スターゲート」に対する批判に加わった。ナデラの批判は、遠回しなものではあるが、トランプ大統領が121日に発表した 最大5000億ドル(約78兆円)規模のこのプロジェクト には、マイクロソフトが多額の出資を行うOpenAIが参加しており、ナデラのこの動きは、意外なこととして受け止められている。

ナデラは、22日のCNBCの取材で、マスクがスターゲートの計画が資金不足に陥る可能性を指摘したことに関して意見を求められた際に、「私が知っているのは、私が800億ドル(約125000億円)を確保していることだけだ」と発言した。この金額は、マイクロソフトが3日に発表した今年度のデータセンター向けの投資額を指している。

スターゲートは21日に、1000億ドル(約156000億円)の初期投資に加えて今後の4年間で合計5000億ドルの追加投資を予定していると発表した。

ナデラはその後、マスクがX(旧ツイッター)の投稿で共有した自身の発言の動画に対して、「このお金はAIを誇大宣伝するためではなく、現実世界で役立つものを構築するためのものだ!」と返している。

マイクロソフトは、21日のスターゲートの発表で引用された自社のブログで、同社がこの取り組みのパートナー企業であり「OpenAIの主要投資家であり続ける」と述べていたが、OpenAIの独占的なクラウドコンピューティングの提供者ではなくなったことも明らかにした。

スターゲートは、汎用人工知能(AGI)の動作に必要な膨大なデータを保存するための拠点を構築する共同事業とされており、OpenAIとオラクルが出資パートナーとして参加し、日本のソフトバンクやアラブ首長国連邦の投資会社MGXも出資者となっている。

https://forbesjapan.com/articles/detail/76699

 

【参考】2025124日の記事

米メタ・プラットフォームズは2025年に人工知能(AI)関連のプロジェクトに最大650億ドル(約10兆1700億円)を投じる計画だ。大規模データセンターの新設やAIチームでの採用拡大などに振り向けられる。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が24日に明らかにした。   

ザッカーバーグCEOはフェイスブックへの投稿で、この投資により「マンハッタンのかなりの部分をカバーするほど大規模」なデータセンターを建設すると説明した。メタの25年の設備投資額については、ブルームバーグがまとめた市場予想は513億ドルだった。   

投稿でザッカーバーグ氏は「これは極めて大きな取り組みで、今後数年にわたって当社の主力製品・事業をけん引するほか、歴史的なイノベーションを実現し、テクノロジー業界における米国のリーダーシップを強化していく」と表明した。   

メタはここ数年、AIに多額の投資を行っており、最近ではルイジアナ州に100億ドル規模のデータセンターを新設すると発表。AIアシスタントや「レイバン」ブランドのスマートグラスといった製品向けに、新しいコンピューターチップも購入している。ザッカーバーグ氏は24日の投稿で、メタが25年に「AIチームを大幅に拡大する」と記した。   

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のシニア・クレジット・アナリスト、ロバート・シフマン氏は「メタは25年の設備投資額を最大650億ドルに急増させた。これは市場のコンセンサス、そして昨年の水準を大きく上回る。将来の成長を促進し、AI能力のリーダーとしての地位を確立させるという意味で、最も有効な資本活用といえるかもしれない」と分析した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-01-24/SQLJRVT0G1KW00

 

【参考】2025123日の記事

米銀JPモルガン・チェースは、ブルー・アウル・キャピタルとそのパートナーらが所有するデータセンター開発に23億ドル(約3600億円)を融資する。 

22日の発表資料によればこのデータセンターは、テキサス州アビリーンでブルー・アウルとクルーソー・エナジー・システムズ、プライマリー・デジタル・インフラストラクチャーによって開発が進められている。建設は昨年に開始した。事情に詳しい複数の関係者によれば、このプロジェクトは既にオラクルにリースされている。関係者らは、情報が非公開だとして匿名を条件に語った。   

発表資料によれば、不動産会社ニューマーク・グループのチームが資金調達を担当した。   

JPモルガンの広報担当はコメントを控えた。オラクルの担当者にもコメントを求めて連絡を取ったがこれまで返答は得られていない。またニューマークとブルー・アウルもコメントを避けた。   

オラクルは今週、ソフトバンクグループとオープンAIと共に「スターゲート」合弁出資事業を通じた人工知能(AI)インフラへ1000億ドルの共同投資を明らかにした。オラクルのラリー・エリソン会長は21日、ホワイトハウスでの発表イベントで、プロジェクトの第1号はアビリーンで建設中だと明らかにした。 

エリソン氏は「第1号はテキサスで建設中だ」としつつ、「現在のところ10棟のビルを建設中だが、今後は建設地を最初のアビリーン以外にも広げ、20棟に増やす」と語った。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-01-22/SQI650DWLU6800

 

 

 

Microsoftの基準では、AIがどれぐらい稼げるようになったのかで評価することにしているため、OpenAIはその要求を満たすことはできないと悟り、ソフトバンクなどの別の出資者に歩み寄ることにしたのかもしれない。

Microsoftは最近ではOpenAIと距離を置くような動きがあり、OpenAIは危機感を抱くようになったのかもしれない。

(GIGAZINEの記事では「この合意はOpenAIMicrosoftとの間で交わされている『OpenAIが汎用人工知能を開発したら、MicrosoftOpenAIの技術にアクセスできなくなる』という契約条項の存在が影響しているとの指摘があります」とあり、単に稼ぎだけを問題にしているのではなく、本当にOpenAIがAGIを完成させた場合、Microsoftにとって不都合が生じるという意味もあるらしい。しかし、それが実現するのは恐らく相当先の話なのだろう。)

 

【参考】20241227日の記事

人間ができるありとあらゆる知的タスクをこなせる「汎用人工知能(AGI)」はAI開発の最終目標とされていて、OpenAIGoogleMetaなどが開発に取り組んでいます。実際のところ、汎用人工知能の実現にどれぐらい近づいているのかは専門家によっても見解が分かれるところなのですが、MicrosoftOpenAIAGIを性能ではなく財務的な指標で定義していて、「OpenAIが少なくとも1000億ドル(15兆円)の利益を出すAIを開発できたら汎用人工知能の開発を達成したものとする」という内容で合意していることがわかりました。

ニュースサイト・The Informationが、OpenAIMicrosoftの間で交わされた「汎用人工知能」に関する合意の存在を報じました。
合意内容は、汎用人工知能の開発を「OpenAIが少なくとも1000億ドルの利益を生み出すAIを開発したとき」と定義するもの。これは、汎用人工知能について、広く用いられている「人間がこなせるありとあらゆる知的タスクをこなせるようなAI」のような技術的定義とはかけ離れたものです。

ただし、この合意はOpenAIMicrosoftとの間で交わされている「OpenAIが汎用人工知能を開発したら、MicrosoftOpenAIの技術にアクセスできなくなる」という契約条項の存在が影響しているとの指摘があります。
なお、OpenAIは「GPT-5」の開発でさまざまな問題に直面しており、赤字は数十億ドル(数千億円)単位に上るとみられています。

OpenAIの黒字転換は早く見積もっても2029年以降だと考えられています。
汎用人工知能を目標としたAI開発はOpenAIのほかGoogleMetaも行っていて、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは「責任を持ってオープンソース化を目指す」とも述べています。

https://gigazine.net/news/20241227-openai-microsoft-artificial-general-intelligence/

 

 

 

 

 

※「AIはもうここまで出来るようになったんですよ」という話をよく見るようになったが、それは「今ではその仕事はみんなAIがやっているので、もう人間がそれをやっているところなんてどこにもありませんよ」ということではない。

それは生成AIでもAIエージェントでも同じことであり、確かにAIの進化はこれまでのところ、目覚ましいものがあるが、それが本当に人間の代わりが務まるかというと、やはりまだそういう段階には達していないように思える。

しかし、特にAIエージェントに関しては、今後、多くの事業所で導入されていく予定になっているらしく、現場でそれが使われるようになることでどういう成果や問題が起きるのかがもうすぐ分かるのだろう。

以下のサイトではAIによってなくなる仕事例として、

一般事務職、電車の運転手、スーパー・コンビニの店員、銀行員、警備員、ライター、通関士、会計監査、タクシー運転手、ホテル客室係、コールセンター業務

https://aismiley.co.jp/ai_news/ai-replace-jobs/

が挙げられているが、恐らくそれらの仕事が今後数年以内になくなることはないだろう。

なぜなら、「AIはもうここまで出来るようになったんですよ」と言っている人達は「ここまで出来るようになった」と自分でも言っているように、AIの進化については認めている。

しかし、実績としてはまだ未知数であることも認めなければならないはず。

AIの進化があまりにも革命的に見えてしまうことで、実際に現場に導入して実績を上げているかのように錯覚してしまっている可能性がある。

「ここまで出来るようになった」というのは、「人間と同等の能力と信頼性がある」という意味にはならない。

例えば、タクシー運転手を例に見ると、「これぐらいの運転ができます」では済まされず、人間のようにどんな状況でも対応できる能力を備え、それなりの実績もなければ使い物にならないはず。

車の運転というのは非常に危険なことなのだから、人を乗せてどこかに運ぶというだけのことでも、暴走したり、ぶつかったり、停止したまま動かなかったり、運転速度や判断が遅すぎたり、閉じ込められたり、違う場所に向かったり、といったことがある程度の確率で発生するなら導入することなどできるはずはない。

また、以下のサイトではAIエージェントは乗っ取られてしまう危険性があることを指摘している。

「プロンプトインジェクション攻撃」などによってシステムそのものが乗っ取られてしまった場合、特に汎用型AIエージェントは実行できることが特化型AIエージェントよりも多いため、注意が必要だと言われている。

そのため、「AIエージェントは、汎用型と特化型のどちらが主流になるのか。ビッグテックの意見もまだ定まっていないのが現状だ。」と言われている。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00692/012200150/

「業務アプリケーションを操作したり、社内のファイルサーバーやデータベース(DB)にアクセスしたりできる権限を与えていた場合、AIエージェントが攻撃者に乗っ取られると、業務システムやデータが危険にさらされる。 」

もう1つ気になるのはハルシネーション(幻覚)だ。テキストのハルシネーションは単なる『ウソ』や『デタラメ』に過ぎないが、AIエージェントが生み出す『行動のハルシネーション』は、深刻な事故につながる恐れがある。 」

とも言われているが、政府や投資家などはまだそのような問題について認識していないのではないかという感じがしてしまう。

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00692/121200147/

恐らく、2025年以降、生成AIAIエージェントによって世界中で事故や詐欺や業務停止などの問題が起き始めることになるのだろう。(既に一部ではそのような問題が起きた事例がある)