ウクライナとNATOは超えてはならない一線を超えつつある。

やはりこの紛争は近いうちにかなりのエスカレーションがあり、それによって状況が一変する可能性が高い。

 

・ウクライナがモスクワなどに無人機攻撃、空港閉鎖 1人死亡 (2024/09/10)

https://jp.reuters.com/world/ukraine/WT7BYEBHYRJ7PKQ73M6W6QIKZA-2024-09-10/

・アメリカ製長距離ミサイルの使用、バイデン氏が制限解除を示唆 ウクライナによるロシア国内への攻撃で (2024/09/11)

https://www.bbc.com/japanese/articles/c8dpv5n2316o 

・ウクライナは欧米とNATOが約束と義務を果たさなければ、ウクライナ独自の核兵器生産を開始出来るとオレグ・リバチュク宇国元副首相が言明【石川雅一のYOUTUBEシュタインバッハ大学】(2024/09/09)

https://www.youtube.com/watch?v=Dfb_VD-PQq0

・ウクライナ軍が国境線を超えてロシア連邦クルスク州内に侵攻 ロシア軍の兵站地域の重要なひとつを占領 「クルスクのロシア兵は続々投降」【石川雅一のYOUTUBEシュタインバッハ大学】(2024/08/08)

https://www.youtube.com/watch?v=ioMZowRpG1c

 

 

 

NATOがロシアの国境付近で軍事演習を行っているらしいが、どういう理由なのかは不明。

また、欧州(特に中東欧)で大規模な洪水被害が発生しており、ウクライナへの補給路が途絶する可能性が指摘されている。

 

・【図説】NATO ロシア国境付近で軍事演習実施 (2024/9/16)

https://sputniknews.jp/20240916/nato-19096211.html

 

・「何も残っていない」欧州で豪雨 被害深刻に 大規模停電も (2024/9/16)

https://www.youtube.com/watch?v=uWlYOtcqJhU

・ウクライナへの補給路が一時的に途絶の懼れ! 中央ヨーロッパで1世紀に一度と言われる大洪水が発生 ウクライナは各国へ緊急支援部隊を派遣すると発表! (2024/9/17)

https://www.youtube.com/watch?v=5xs-urMJRqc

 

 

 

もしNATOがウクライナに長距離ミサイルの使用を認めれば、それは第三次世界大戦になることを意味している。

常識的に考えればあり得ないような話だが、もしかしたら本当にそこまで行ってしまうのかもしれない。

現時点でも、ロシアはウクライナ支援国に対して攻撃する必要があるという主張があり、それでもウクライナ支援を阻止できない場合は「次に進む」という。

西側諸国はウクライナがクルスクに軍事侵攻し占領状態になっているのにロシアが核兵器の使用に至らなかったのは、ロシアは核の脅しをしていただけで実際には使用できないことが証明されたといった解釈をしているらしい。

しかしアメリカはプーチン政権が敗北の危機を悟るような事態に陥れば核兵器使用に踏み切る可能性があると思っているらしい。

これはアメリカと西側諸国との間に、ロシアの核兵器使用についての理解に隔たりがあるということなのだろう。

 

【参考】2024918日の記事

このウクライナによる長距離ミサイル使用問題について、ウラジーミル・プーチン大統領は912日、米国とその西側同盟国に対し、ウクライナがロシアの奥深くまで武器を撃ち込むことを許せば、自国をNATO(北大西洋条約機構)と「戦争状態」に追い込むことになると警告したのである。その内容がセンセーショナルであったため、「NYT」はその発言の全文を英語に翻訳して公表したほどだ。

やや長くなるが、その大部分を翻訳してみよう。

「キエフ政権はすでに無人航空機やその他の手段を使って攻撃を行っている。しかし、欧米製の長距離精密兵器の使用となると、話はまったく違ってくる。

このことはすでに述べたし、専門家であれば誰でも、わが国でも西側諸国でも認めていることだが、ウクライナ軍には西側諸国製の最新の長距離精密システムで攻撃する能力はない。そんなことはできない。これは人工衛星からの情報によってのみ可能なことであり、ウクライナは人工衛星を持っていない。これが第一のポイントだ。

二つ目は、非常に重要で、おそらくカギを握っていることだが、NATOの軍人のみがこれらのミサイルシステムの飛行任務に就くことができるということだ。ウクライナの軍人はこれができない。

つまりこれは、ウクライナ政権がこれらの武器でロシアを攻撃することを認めるかどうかという話ではない。これは、NATO諸国が軍事衝突に直接関与するかどうかを決めることなのだ。

この決定が下されれば、NATO諸国、米国、欧州諸国がウクライナ戦争に直接参加することにほかならない。これは彼らの直接参加であり、もちろん紛争の本質と性質を大きく変えるものだ。

これは、NATO諸国、米国、欧州諸国がロシアと戦争状態にあることを意味する。もしそうであれば、この紛争の本質が変わることを念頭に置きながら、われわれは、われわれに突きつけられる脅威に基づいて適切な決断を下すことになる」

このプーチンの発言は、まだ生易しいものかもしれない。強硬派の代表格、政治学者セルゲイ・カラガノフのインタビューが912日付のロシアの有力紙「コメルサント」の1面に掲載されている。つぎの発言は勇ましい。

「我が国の領土に対するいかなる大規模な攻撃に対しても、核攻撃で対応する権利を有することを宣言する時である。これは、我が国の領土を占領された場合にも当てはまる。同時に(ドクトリンに)『核のエスカレーション』という概念を導入し、そのような措置の前に、(核兵器を使用する)準備が整っていることを条件付きまたは現実の敵に確信させるような措置を講じる必要がある」

「そして今、米国が率いる核武装したNATOは、ウクライナの大砲の餌を使って、我々に対して全面戦争を仕掛けている。間もなく、この狂気を止めなければ、彼らは他の国々にも餌(えさ)を与えはじめるだろう」

ただし、ロシアの公式見解は、強硬派のカラガノフの見解とは大きく異なっている。516日付でプーチンと中国の習近平国家主席が発表した共同声明には、「両締約国は、202213日の『核戦争の予防と軍拡競争の回避に関する核保有5カ国首脳の共同声明』へのコミットメントを再確認し、とりわけ、核戦争に勝者は存在せず、核戦争は決して行われるべきではないという前提を再確認し、この文書のすべての締約国に対し、その規定に実際に従うよう改めて要請する」と書かれている。

中国は同年7月、ロシアと他の核保有国に対し、核兵器の先制使用の放棄を再び提案したし、9月には、中国外務省は、「核兵器は使用されるべきではなく、核戦争は行われるべきではない」とのべている。つまり、対中関係を重視すると、そう簡単に核兵器使用はできない。だが、ロシア国内の強硬派は怒り狂っている。

紹介したインタビューのなかで、カラガノフは「核ドクトリンを強化することが必要なだけでなく、ロシア指導部が(核兵器を)使用する用意があると明確に表明することが重要だ」とのべた後、「だれに使うのか?」と尋ねられ、「NATOのウクライナ侵略を支持する国々だ」と明言している。さらに、つぎのように話した。

「エスカレーションの理論によれば、核攻撃までにはあと1015段階ほど進む必要があり、今のところ5段階しか進んでいない。しかし次は、キエフ政権への供給で重要な役割を果たしているNATO諸国の施設を攻撃する必要があるのは明らかだ。それでも阻止できなければ、次に進む。」

おそらくロシアへの深部攻撃はこうした強硬派を勢いづけ、プーチンが核兵器を使用する時期を近づけることになるだろう。

https://gendai.media/articles/-/137622?page=5

 

【参考】2024918日の記事

西側では、クルスク攻撃によってプーチンの核の脅威の虚妄が決定的に暴かれたとの見方もある。ロシアへの侵攻は「核兵器の使用が想定される最後のレッドラインであり、ウクライナ軍はそれを越えて前進している」とも指摘される。  

一方、米国は最後のレッドラインが成功裏に突破されたとは考えていない。バイデン政権は、仮にプーチンが自分の政権が完全な敗北の瀬戸際にあると信じれば、ロシアは核兵器の使用に訴える可能性があると考えている

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/35110?page=2

 

 

 

・追記(2024/09/19)

これまでで最大規模の爆発がロシアで起きている。

そこにはイスカンデル、トーチカ-U、誘導爆弾、大砲の弾薬などが約3万トン貯蔵されていたらしい。

https://www.cnn.co.jp/world/35224044.html

逆に言えば、ウクライナにとって今回の爆撃は最大級の戦果を上げたと言われている。